at_money_service
マネー

シドニー発豪ドル見通し( 14 August 2017)

<主な予定・イベント>

8/14(月)NZQ2小売売上高、日本Q2GDP(即報値)、中国7月CPI/PPI
15(火) 独Q2GDP(速報値)、英7月小売物価指数、英7月CPI.PPI、米7月小売売上高、8月NY連銀製造業景況指数
16(水)米7月住宅着工件数/7月建設許可件数、米週間原油在庫、FOMC議事録
17(木)日本7月通関ベース貿易収支、豪州7月雇用統計、ECB議事録、米7月鉱工業生産、新規失業保険申請件数
18(金)ミシガン大学消費者信頼感

<マーケットの焦点>

先週は夏期休暇シーズンの夏枯れの中、北朝鮮をめぐる地政学的懸念がクローズアップされ、主要国の株価は軟調推移し、ドルが総じて値を下げるリスク回避相場でした。 北朝鮮は日本の上空を通過してグアム周辺へのICBMによる包囲射撃をほのめかし、これに対してトランプ政権は「我々の兵力はかつてなく強力、米国と同盟国に行動すれば後悔するだろう」と強くけん制しています。 また週末には米国バージニア州の白人主義者デモで車の暴走事件が起こり多数の死傷者が出ました。 金曜日に発表された7月の米CPIは、FRBの今後の金融政策に大きく関わる指数として注目されましたが、結果は全項目、コア共に予想をやや下回る1.7%となりFRBの引き締めがスローダウンするとの見方が優勢になりドルの上値を重くしました。 ドル円は一時108円台後半に続落し、ユーロが再び1.18台、ポンドが1.30台に戻しています。 今週も焦点は北朝鮮もめぐる地政学的懸念となります。実際に北朝鮮がミサイル攻撃を実施した場合に、米国が反撃に出るのか?あるいは、土壇場で両国間の話し合いにより危機回避に回るのか? また指標関連では火曜日に米国の7月小売売上高が発表されますが、前回のマイナスから+0.4程度の改善が見込まれ、予想通りであれば久しぶりに強い結果となります。 また木曜日には日本の7月通関ベースの貿易収支が発表されますが、特に対米黒字の増減は気になるところです。 週末にトランプ政権は中国の米国に対する知的所有権侵害を調査すると発表しており、引き続き中国、日本、ユーロ圏、メキシコなど巨額黒字国に対するトランプ政権の貿易不均衡是正のアクションはドルの上値を重くします。更に債務上限問題もくすぶっており、米国の双子の赤字問題がドル安の根本原因である点は変わりません。 ドル円は108円台前半の今年の最安値がそろそろ意識されます。

 

<豪ドル相場>-引き続き上値の重い展開でしょう

先週のレンジ:AUDUSD   0.7939-0.7948  AUDYEN 85.45-88.02

豪ドルはRBA当局の豪ドル高牽制効果が効いており、7月末の高値80セント台半ば、89円台半ばから先週は78セント台前半、85円台半ばまで下落しましたが、金曜日にはドル反落を受けて78セント台後半、86円台前半にやや戻しています。 地政学的リスクに絡むリスク回避の動きも全般的にリスク通貨豪ドル売り材料になりました。 ドルの反落が豪ドルをサポートしますが、一方ドルの下落はリスク回避に連結しておりリスク回避の動きは豪ドル安材料ということで、なかなかドル買い材料にはならない状況です。 今週月曜日には中国7月の小売売上高・鉱工業生産が発表され注目されます。

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら

マネー

29 January 2024 ◎<ポイント> 今週はFOMCに米雇用統計 ・先週は米株(NYダウ、S & P 500)が史上高値を更新!! …