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シドニー発豪ドル見通し(18 September 2017)

<今週の主な日程・イベント>

9/18(月)東京休場(敬老の日)、7月対米証券投資 19(火)独9月ZEW景況感指数、米8月住宅着工件数、国連一般討論演説(トランプ大統領初出席) 20(水)日本8月貿易収支、米8月中古住宅販売、FOMC 21(木)日銀政策会合、NZQ2GDP、ドラギECB総裁講演、ECB経済報告、9月フィラデルフィアFED景況指数、米新規失業保険申請件数 22(金)独・ユーロ圏9月製造業PMI、メイ英首相EU離脱巡り演説、地区連銀総裁講演(ダラス、SF、カンザスシティー) 23(土)NZ総選挙 24(日)独連邦議会選挙

<マーケットの焦点>

先週はNYKダウが史上高値を更新するなど世界的に株価堅調で原油も一時50ドル台まで上昇するなど、商品相場(CRB INDEX)は186台に上昇しました。 前週末の北朝鮮の建国記念日前後を無事通過して北朝鮮リスクが後退し、一方ハリケーン“イルマ”が勢力を落としたこともリスク許容度を増加させました。 月曜日の国連における北朝鮮への制裁強化に反発した北朝鮮は米日、そして国連に対する挑発的言動を繰り返し、金曜日早朝には再び日本の国土越にICMB発射実験を行いましたが、市場のリアクションは一時的なものでした。 また英中銀理事会で今後数か月での刺激策の解除の可能性が強まりポンドは1.36台、151円台に急伸しました。 ドル自体はポンドやユーロなど欧州通貨の堅調を受けて軟化しましたが、リスク選好地合で円が下落したことから円クロスはユーロ円133円台、ポンド円151円台、豪ドル円89円台など、主要通貨で上昇し「ドル安・円安」地合となっています。 今週は北朝鮮リスクもさることながら、市場は差し迫った軍事衝突は起きないと判断しており、むしろ市場の目はFOMCや日銀会合、更にはドラギECB総裁の講演など、主要国の金融政策や週末のNZや独の総選挙に向かいます。 独総選挙ではメルケル首相のキリスト教民主・社会同盟優勢が伝えられており、仏に続きて独政局も安定すればユーロに対する一定のサポート要因となるでしょう。 FOMCではQE縮小が発表されるとの見方が一般的で、むしろ年内再利上げの有無に対するスタッフの予想やイエレン議長の会見が注目されそうです。 現在期近のQE縮小観測は強い順に 米国→英国→ECB→日本となっており、かなり織り込み済とはいうものの、実際にQE縮小開始が表明されればドルをサポートする可能性があります。 ドル円についてはリスク回避の後退に加えて、金融政策の日米の格差や、トランプ政権の税制改革期待、更にハリケーンハービーやイルマ被害の復興需要などもあり、足元上値をテストする可能性があります。 ただお伝えしているようにドル買い材料一巡し、また新たなドル売り材料が発生するなどすれば、現在111円台のドル円が、急落する可能性もあり、暫くは不安定なアップダウンが継続しそうです。

 

<豪ドル相場>

今週の豪ドルは引き続き米ドル動向をみながら揉み合い相場でしょう。

先週のレンジ: AUDUSD   0.7955-0.8058   AUDYEN 87.10-89.27 今週の予想レンジ: AUDUSD   0.7900-0.8100 AUDYEN 87.00-90.00

先週の豪ドルは対ドルでは80セントを挟んだ揉み合いになる一方、対円ではドル円の111円台への上昇を受けて一時89円台の年内高値に並ぶ水準まで上昇しました。 木曜日に発表された8月雇用統計は業者数+54.2千人(予想+19.0人、前回+29.3千人)、失業率 5.6%(予想5.6%、前回5.6%)、full-time-job+40.1千人(前回-19.9千人) 、part-time-job-14.1千人(前回+49.1千人)、労働参加率65.3%(前回65.1%)と満額回答ともいえる強い数字であったことが豪ドルをサポートしました。 北朝鮮リスクの後退や原油が需給バランス改善予想により一時50ドル台に上昇するなど、商品相場がCRB INDEX 186台と今年の高値圏で堅調推移していることも好感されました。 今週は主な国内指標の発表もなく、FOMC、日銀やECB総裁の発言など、主要国の金融政策が主なテーマとなります。また隣国NZの総選挙が週末予定されますが、当初与党劣勢から現在では優勢に転じており、与党勝利となれば1.10-1.11台で暫く堅調を維持してきたAUD/NZDに調整が入る可能性も指摘されます。 米ドルに大きな崩れが見られない限り、80-81セントを上抜けするのは容易ではないようです。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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