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シドニー発豪ドル見通し(2 October 2017)

<今週の主な日程・イベント>

10/2(月)Q3日銀短観、中国国慶節(~8日)、ユーロ8月圏失業率、米国9月ISM製造業景況指数 3(火)RBA理事会、豪州8月住宅建設許可 4(水)豪州9月AIGサービス業指数、インド中銀政策金利、米9月ADP雇用者数、イエレン議長講演 5(木)豪州8月貿易収支/小売売上高、ECB議事録、米8月貿易収支、米新規失業保険申請件数、米8月耐久財受注、地区連銀総裁講演(パウエル理事、SF連銀、フィラデルフィア連銀、カンザスシティー連銀) 6(金)日本8月景気先行指数、米9月雇用統計、地区連銀総裁講演(NYK連銀、ダラス連銀、セントルイス連銀、アトランタ連銀)、ムーディーズ格付け発表

 

<マーケットの焦点>

先週は北朝鮮リスクも後退し主要国の株価は総じて堅調で、ナスダックは6497ドルに史上高値を更新しています。週初はの北朝鮮外相発言「トランプ発言は宣戦布告に相当する」を受けてリスク回避の円買いが先行しドル円は111円台に下落しましたが、その後はイエレン議長の発言「FOMCはゆっくり過ぎないように注意すべき」で反発し、更にトランプ税制改革(28日)に向けた期待感もあり一時113円台に上昇しました。 トランプ税制改革の内容は中間層中心の減税や、法人減税(35%→20%)などは事前報道通りで、むしろ財源問題や遡及措置を見送ったことがやや失望を誘いました。いずれにしてもまだホワイトハウスと議会共和党指導者の合意案にすぎずヘルス法案同様に成立するかは未定で、発表後は期待感も後退といったところです。 北朝鮮に関しては10月10日の朝鮮労働党創建72周年を控えて、再びミサイル発射の兆候も見えますが、一方ティラーソン米国務長官は「北朝鮮と意思疎通のラインはある」と対話の可能性も模索しているようです。10月は5年に1度の中国共産党大会が18日に開催されますが、東アジア情勢が注目を浴びることになります。 今週は10日に公示される日本の総選挙を巡る政局にも注目が集まります。 大儀なき解散との指摘を受ける安倍政権ですが、一方民進党と希望の党の合流問題など政策論争以前の混乱状態です。為替への影響という面では、やはり安倍自民が勝利すれば円安・株高相場がイメージでき、一方野党側の勝利つまり自公民が敗北するような事態となればリスク回避の円買い相場となるというのがベースラインではないでしょうか。 また週末のスペイン・カタルーニャ独立の是非を問う住民投票の結果、スペイン政局が混乱すればユーロ売り材料視されるでしょう。 今週は9月の米雇用統計が発表されますが、ハリケーン・ハービーやイルマの影響が雇用を悪化させることは確実ですが、やはり極端に悪化すれば12月利上げ観測にも影響を及ぼすでしょう。 今週も相場変動材料は多いのですが、その結果及び影響は不確定であり引き続き読みづらい相場展開が続きそうです。しばらくは主要通貨のトレンドを見出すのが困難な状況です。

 

 

<豪ドル相場>
今週の豪ドルはやや頭の重い展開でしょう

先週のレンジ: AUDUSD   0.7799-0.7973   AUDYEN 87.95-89.68 今週の予想レンジ: AUDUSD   0.7750-0.7950 AUDYEN 87.00-90.00

先週の豪ドルは米ドルが堅調推移するなか、一時78セント近辺、88円割れまで軟化しました。ロウ総裁の発言「他の中銀にRBAが歩調を合わせる必要はない、豪ドルが少し下落すればもっと良い」やブロック総裁補の発言「家計部門の負債の脆弱性をRBAは考慮すべき」も豪ドルの上値を重くしました。今週はRBA理事会が開催されますが政策は据え置き予想です。国内指標として8月の住宅建設許可件数、貿易収支、小売売上高などが発表されます。また週末発表された中国の9月製造業PMIは52.4と予想を上回り2012年以来の強い数字となり、一方財新製造業PMI(民間発表)は51.0と予想をやや下回りました。 10/18には5年に1度の中国共産党大会も予定されるなど、10月は中国発の材料も注目されます。 現在豪ドルはやや売り圧力を受けていますが、主な要因は米ドル高であり、米ドルの上昇トレンドが確立されていない以上、豪ドルの一方的な下落も予想できない状況です。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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