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シドニー発豪ドル見通し(6 November 2017)

<今週の主な日程・イベント>

11/6(月)5日トランプ大統領来日~11/7、黒田総裁挨拶、日銀議事録、ユーロ圏財務相会合 7(火)RBA理事会、米9月求人倍数、トランプ大統領韓国訪問 8(水)中国10月貿易収支、トランプ大統領中国訪問 9(木)日銀主な意見、NZ準備銀行理事会、中国10月CPI/PPI、米新規失業保険申請件数、ECB経済報告 10(金)RBA四半期金政策報告書、APEC首脳会議(~11日)、米10月財政収支

 

<マーケットの焦点>

先週も引き続きダウは史上高値を更新し(23,557ドル)、日経平均も21年ぶりの高値を更新(22,539)。商品相場も原油が55ドル台に上昇するなどリスク選好相場が継続しました。 先週も色々な出来事が起きています。 トランプ大統領の元選対委員長や外交アドバイザーが国家陰謀やマネーロンダリング、偽証罪の疑いで起訴、税制改革案の公表、次期FRB議長にパウエル理事を指名、FOMCやBOE理事会、 スペイン検察がプチデモン前カタルーニャ州首相らに逮捕状請求、予想を下回る米10月雇用統計など。 週末にもトランプ大統領来日、米テキサス州で無差別発砲、英バミューダの租税回避地区のパラダイスペーパーでロス商務長官がプーチン大統領に近いロシア企業から利益を得ていた疑惑などのビッグニュースが聞こえてきました。 先週の市場の動きは「株高、債券利回り低下、ドル堅調」と言えます。 株高は好調な企業収益もありこの高値にもかかわらず腰が据わっています。一方タカ派のテイラー氏ではなくパウエル氏が次期FRB議長ということで金利は低下し、これが株価を更に押し上げています。 一方金曜日発表の10月米雇用統計は失業率が2000年12月以来の4.1%に低下する一方、nfprは+31万人予想に対して+26.1万人、週間時給も前年比+2.4(予想+2.7%、前回+2.9%)と冴えませんでしたが、その後に発表された10月ISM製造業景況指数が予想を大きく上回るなど、最近の強い米経済指標に鑑みて12月利上げ観測が依然優勢で、ドルの大きな下落には至っていません。 今週はトランプ大統領の日米首脳会談に続くアジア歴訪、トランプ政権のロシアゲート疑惑、パウエル新議長のもとでのFRBの金融政策などが主な材料です。 トランプ大統領は日米の自動車輸出入の大きなギャップを取り上げ「日本の貿易は公平でもオープンでもない」と述べて貿易不均衡問題を取り上げています。一方強固なドンシン関係(ドナルド-晋三)がある以上、米国から貿易不均衡問題で、特にドル円相場がやり玉に挙がる可能性は非常に低く、ぎくしゃくした米中貿易関係とは一線を引く必要があります。 安倍首相は両国による貿易不均衡解決を提案しています。 更にアベノミクス期待や米国の堅調な経済を考えると「北朝鮮やロシアゲートなど不安材料あるものの」、市場は「株高・ドル高」方向を模索しそうです。 もちろん空前の株高がどこまでも続くわけはないのですが。

<豪ドル相場> 今週の豪ドルは引き続きやや軟調な展開が予想されます

先週のレンジ: AUDUSD   0.7639-0.7729   AUDYEN 86.69-88.10 今週の予想レンジ: AUDUSD   0.7550-0.7750 AUDYEN 86.00-89.00

先週の豪ドルは高値テスト後反落しました。 商品相場の堅調や株高からリスク選好地合となり77セント台前半、88円台前半をテストしましたが、週末に向けてはドル高堅調地合の中軟調に転じました。 前週発表された弱いQ3CPIに加えて、先週発表された9月小売売上高が前月比0.0(不変)(予想+0.4%、前回-0.5%)と不冴えであったことも豪ドルの上値を重くしました。 また原油が11月のOPEC総会での減産延長合意期待で56ドル台まで上昇している反面、豪州最大の輸出品である鉄鉱石価格は中国の需要減退予想により年初の高値90ドル超えから60ドル割れに下落していることも豪ドル押し下げ要因です。 足元米ドル堅調地合が予想通りに継続するのであれば豪ドルの上値は更に重くなるでしょう。 ただ、下値75セント、85円台は個人投資家の買い意欲にサポートされる展開を予想します。 今週金曜日にはRBAの四半期金融政策報告書が発表されますが、低インフレ環境にあって足元の緩和基調が確認されることとなるでしょう。 “利上げはあっても来年秋以降”というコンセンサスに変わりはありません。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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