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シドニー発豪ドル見通し(27 November 2017)

<主なイベント・日程>

11/27(月)米10月新築住宅販売、NYK連銀総裁講演
28(火)パウエル次期FRB議長指名公聴会、フィラデルフィア連銀総裁講演
29(水)英首相党首討論会、米Q3GDP(改定値)、米10月中古住宅販売成約件数、FEDベージュブック、SF連銀総裁講演、イエレンFRB議長上下合同経済委員会で証言
30(木)中国10月製造業PMI、米10月個人所得収支/PCEデフレーター、米新規失業保険申請件数、ダラス連銀総裁講演、OPEC総会
12/1(金)日本10月雇用統計/CPI、米11月ISM製造業景況指数、地区連銀総裁講演(ダラス、セントルイス、フィラデリフィア)

 

<マーケットの焦点>

先週は調整反落したNYKダウも再び史上高値を更新し、各国の株価は堅調を維持しましたが、中国だけは債券利回りの急騰や当局による株高への警戒感が伝わり、23日に78ptsの大幅下落となりました。中国の株価下落の背景は上記の当局の株高けん制発言もさることながら、長年懸念されている中国企業の信用問題が背景にあることは間違いのないところです。 またトランプ政権が北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に指定し追加制裁も発表されました。 先週為替市場ではドルが下落しました。ドル円は主要国の株価上昇にもかかわらず111円台前半に下落。小職が指摘しているように最近の日経平均の上昇率はNYKダウを上回っており、外国人投資家の日本株投資のための円資金調達がドル円下落の背景にあるのではないでしょうか? ユーロ1.19台、ポンド1.33台、豪ドル0.76台と全般的にドルの軟調が目立ちました。 今週は火曜日のパウエル次期FRB議長承認公聴会や翌日のイエレン議長の議会証言、米Q3GDP(水曜日、改定値)発表や、OPEC総会(木曜日)などのイベントがあります。 また大詰めの米税制改革法案の上院における可決の有無、12月8日に再び期限が来る暫定予算案を巡りトランプ大統領は議会指導者と会合を持ちますが予算協議はメキシコ国境の壁建設費などを巡り難航が予想されます。更に昨年の大統領選におけるトランプ大統領のロシアゲート疑惑を巡るムラー特別検察官による捜査の行方も予断を許しません。 独政局ではメルケル首相の連立工作が失敗に終わり一時ユーロ売りを誘いましたが、今週はシュタインマイヤー大統領、メルケル党首、その他各党首が会談することで合意しており、期待感も高まっています。独政局、Brexitなど欧州サイドでも不透明感が強いですが、先週見られたようにユーロやポンドの反発が今週も続けば、円買い圧力と共にドルを押し上げる展開が予想されます。

<豪ドルマーケット>

今週の豪ドルは揉み合いでしょう

先週のレンジ: AUDUSD 0.7532-0.7638 AUDYEN 84.52-85.31

今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7550-0.7750 AUDYEN 84.00-87.00
先週豪ドルは米ドル軟調地合いの中76セント台前半に反発しましたが、対円ではドル円の軟調もあり85円台を維持できない展開でした。 30日のOPEC総会を前にロシアとサウジアラビアが3月末に期限が来る協調減産を来年末まで延長することについて枠組みで合意したとの報が原油価格を一時59ドル台まで押し上げ商品相場全体をサポートしました。 一方先週火曜日のRBA理事会議事録や同日行われたロウRBA総裁講演では引き続き“低インフレ”に対する懸念が表明され、米豪10年債利回り格差は一時0.2%割れまで縮小し豪ドルの重しとなりました。 先月末発表された予想を下回る豪州Q3CPIや今月発表されQ3賃金コスト指数の結果を受けたRBA当局の懸念発言で、従来豪州経済に楽観的な意見を述べていたロウ総裁まで「緩和的な政策の継続が必要」と述べています。ただ同時に「次の行動は利上げになろう」と従来のスタンスを継続しましたが「近い将来の政策調整の理由がない」と発言し、暫くは”Wait and See”スタンスを強調しています。

基本的には世界的に株高・リスク選好相場であること、足元のドル軟調や商品相場の堅調、更には年末の資源会社の豪ドル買い需要(来年度の輸出予約)などを勘案すると、豪ドルは年末に向けて底堅い展開が予想されます。
 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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