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誰も知らない秘密の島inフィジー、ヌクンバティ アイランドリゾート(その4)

     

夫妻がこの島にリゾートを開発、運営していく上で、いくつか絶対的なルールがありました。

      地元コミュニティーとの共存

      ヌクンバティの開発が手つかずの自然に与えるインパクトを最小限に抑えること

      持続可能なインフラを整え、決してゲストに我慢を強いないこと。

フィジーのバヌアレブ島の沖合いに浮かぶヌクンバティアイランドリゾートは、開業当時わずか4室だった客室数が、現在では7室(バンガロースウィートx 4室、ハネムーンスウィート x 3室)になり、最大14名のゲストに対して、常時40名を越えるスタッフがお世話をする、究極の隠れ家リゾートになりました。客室稼働率は年間70%以上あるのですが、それ以上は客室数を増やさないというのです。これがリゾートを継続するために必要不可欠なバランスなのだそうです。

 

ビチレブ本島のナンディーやコーラルコースト、パシフィックハーバーの周辺は、もともとマングローブ林だったところを整地して、幾つものホテルコンドミニアムが建てられています。整地、開拓というと聞こえはいいですが、マングローブを根こそぎ引っこ抜き、そこに生息する小さな生物の住処を奪うのです。

 

言うまでもなく、マングローブというのは、生態系のはじまりで、小魚やエビやカニがここで産卵します。その魚をさらに大きな魚や鳥が食糧とし、タコやイカ、鮫、エイ、ウミガメやイルカやクジラといった海洋哺乳類も、すべて食物連鎖でつながれています。さらに、リゾートのレストランでは、フィジー近海の魚やロブスター、マッドクラブなど新鮮なシーフードが並びます。数百室の客室数を誇る大型リゾートが幾つも建ち並ぶエリアでは、毎晩何千人もの観光客の胃袋を満たすために、これらの食材が市場から調達されています。

 

そこにシーフードが高値で取引される市場が形成されると、昔ながらの伝統漁法に変り、底引き網漁でより大量の魚を効率よく捕獲するようになるわけです。底引き網漁は網の開口部につける金属が海底を削り、珊瑚礁を傷つけ、生態系に大きな影響を及ぼすということが明らかになり、国際的な問題としてとりざたされています。また、電気がとおり冷蔵庫が普及し、魚貝類の保存がきくようになったことも、急速に魚の数が減ったことの要因と考えられています。 

 

 

 

 

フィジー共和国にとって観光業は、海外からの大規模な投資が見込まれ、重要な外貨獲得手段です。そればかりか、雇用機会の創出、税収入など経済効果が大きな産業です。であるならばなおのこと、環境と共存する観光業のあり方が、今後ますます重要になってくるのでしょう。

 

(つづく)

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