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GO! 豪!! メルボルン LION NATHAN Brand Manager 福島 健氏 インタビュー

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LION NATHAN Brand Manager 福島 健氏 インタビュー

【プロフィール】

福島 健 Takeshi Fukushima

神奈川県藤沢市出身。キリンビール入社後、九州エリアでの営業担当、焼酎カテゴリーの商品開発・マーケティングを経て、2008年4月よりライオンネイサン社に出向。現職は「KIRIN恵み」ブランド・マネージャー。

 

【LION NATHAN】

 ライオンネイサン社は、オーストラリアで2位、ニュージーランドで1位の販売量を有するオセアニアを代表する総合酒類メーカー。2008 年度のビール販売実績は約90万KL。

 オーストラリアに4カ所、ニュージーランドに3カ所の製造拠点を持ち、オセアニアにおける事業基盤を強固なものとしている。オーストラリアのXXXX、TOOHEYS、EMU、SWAN、ニュージーランドのスタインラガー、ライオンレッドなど、ブランド力のある複数のビールを持ち、支持・販売を拡大している。

インタビュアー:長谷川 潤

 

Q. LION NATHANとKIRINとの関係を簡単に教えていただけますか?

 LION NATHANはKIRINよりも古くからあるビール会社で、100年以上の歴史を誇る会社です。ニュージーランドのオークランドが発祥の地で、その後シドニーに本社を移転しましたが、ニュージーランドで過半数のシェアを有するのはそういった歴史的経緯によります。ちょうど10年前の1998年にKIRINが資本参加し、現在の出資比率は46%となっています。

 キリンブランドのビールは『KIRIN ICHIBAN』として2003年より製造・販売を開始しました。2007年にパッケージを全面リニューアル、ブランド名も『KIRIN 恵み』としてから飛躍的に成長し、2008年度は前年比2倍以上の販売を記録しました。これだけ多くのお客様にご支持頂いたことを大変嬉しく思っています。

Q. 『KIRIN 恵み』はどのようなビールなのか、教えてください。

 『KIRIN 恵み』は日本の『キリン一番搾り』に相当します。『一番搾り』の特徴は一番麦汁だけしか使用しない贅沢なビールという点ですが、これは日本やオーストラリアに限らず、世界でもキリンしか採用していないビールの製法になります。

 ビールは通常、二番麦汁も使用しますが、一番麦汁のみの使用となると当然ながらコストもアップすることになります。二番麦汁には苦味を付加する重要な役割もあるのですが、同時に雑味も付きやすくなります。二番麦汁を使用しないで、心地よい苦みと、一番麦汁による爽やかさ、すっきりとした喉ごしを実現するのは非常に難しいのですが、KIRINではその技術を『一番搾り』で実現していますので、是非LION NATHANの商品としても実現・発売したいという思いが起点でした。

 原料はオーストラリアやニュージーランド産の非常に良質な麦芽やホップを使用しています。アデレードでの現地生産という点もビールの非常に重要な点である鮮度向上に大きな役割を果たしています。日本で味わう『キリン一番搾り』同様、新鮮な香味を楽しむことができます。

Q. オーストラリアのマーケットでそれらを実現するために苦労したことは何ですか?

 日本と比べると一般的にビールの小売価格が安いですから、良質な原料や贅沢な製法を採用しつつ、手の届く価格帯に抑えることに苦労しました。また製造設備対応や技術指導も時間や手間のかかるものでしたが、KIRINから技術者も出向し工場に常駐して技術指導も行ないました。

Q. 『KIRIN 恵み』に対するオーストラリアの消費者の反応はどうですか?

 以前の『KIRIN ICHIBAN』は〝非常に日本らしいビール”として一定の評価は得ていましたが、『KIRIN 恵み』にリニューアルしてからの評価の方が非常に高く、特にボトルパッケージのデザインの評価が高いです。

 〝日本らしさを感じさせつつ、神秘的、エキゾチックな雰囲気、かつ洗練された良いデザインに仕上がっている”と評価されています。一言で言うと『Japanese Cool』なブランドと捕らえられているようです。

『KIRIN 恵み』は樽、ボトル(330ml瓶)の2種類のラインアップですが、ボトルの売り上げの伸びの方が高いことからも、ボトルのデザインの評価の高さがうかがえます。

Q. シドニーやメルボルンにおいても『KIRIN 恵み』を飲むことができるPubやBarは増えていますか?

 『KIRIN 恵み』取扱いのパブやバーはこの1年間で前年比50%増えました。現在は全豪で200店近くのパブ、バーで生ビールを飲むことができます。ボトルが飲めるお店はより多くあります。しかしまだまだ販売拡大の余地はありますし、現在は1店でも多くの取扱店を増やすことが重要で、営業やプロモーションに力を注いでいるところです。

Q. 福島さんのポジションであるBrand Managerの役割、仕事内容はどのようなものですか?

 『KIRIN 恵み』のブランド・マネージャーとして、広告やプロモーションの企画・実行といった日常業務はもちろんですが、リニューアルで好調に立ち上がったブランドを大きく育てて行くことが最大のミッションです。現在オーストラリアではプレミアムビール、輸入ビール、アジアンビールが全体的に伸びており、『恵み』にとって環境は追い風ですから、一気にブランド基盤を拡大したいと考えています。5年後には現在の3倍の規模には育てたいと思っています。そのためには奇策はなく、地道に浸透を図って行くことが最大のブランド育成になると考えます。実際、営業担当と飲食店様の交渉に同行したりもしています。

 そうした成功事例を日本やアジアを中心とした海外に広げていくことも会社としては大事な役割と期待されています。

Q. 『KIRIN 恵み』が日本、世界中で飲める日が来るかもしれませんね?

 それが夢ですね。日本から来られた方に飲んでいただくと、「かっこいいね。」と言っていただくと同時に「日本っぽくないけれど、日本で販売しても売れるのでは?」とおっしゃられるので、自分自身も少しずつその気になってきています。

Q. シンプルでカッコいいデザインですね?

 そうですね。特に商品のデザインを考える上で「シンプル」というのはとても重要です。デザイナーはオーストラリア人で、そこが大きなポイントだったと思います。

今回リニューアルにあたってKIRINからの指示等は一切なく、LION NATHANのスタッフがプランニングから実行までのすべてを行いました。日本人では思いつかないデザインだと思いますし、そこが非常に重要だったのではないかと思います。オーストラリア人がオーストラリア人の心をつかんだからこそ成功できたと思います。

 味はオーストラリア向けに変えた訳ではなく、『一番搾り』同様のこだわりの味を保つことを変えませんでした。オーストラリアのビールは日本のビールと似通った面も多く、しっかりしたラガータイプが主流ですので、充分受け入れられると判断し、味を変えることはしませんでした。

 

Q. 数多くのビールのブランドを持つLION NATHANとKIRINの競争はありますか?

 それは確かにあります。輸入プレミアムブランドであるハイネケン(Heineken)、ベックス(BECK’S)等は社内競合のブランドになると思います。そのなかで大きいアイデンティティになるのは、やはり日本のテイストであることだと思います。他のLION NATHANのブランドが持ち得ないテイストでユニークだと思います。他社のプレミアムビールも日本のブランド(Asahi)やペロニ(PERONI)やステラ(Stella)など数多くありますが、『KIRIN 恵み』のようなアイデンティティを持ったビールは他にはないかと思います。

 リニューアル前の『KIRIN ICHIBAN』のときは、お客様から見た知覚品質自体はAsahiと似ているのでは?と思いました。〝日本のビール”というイメージで、それ以上でもそれ以下でもなかったように思います。『KIRIN 恵み』はそれを一歩抜け出せた、独自のアイデンティティを持つブランドではないかと思います。

 パブで『KIRIN 恵み』のボトルを持ちつつ、ビリヤードなどに興じるのがシュールに映るというような、ある意味ファッションやライフスタイルの一つとして商品をポジショニングし直したことは、正解だったと思います。日本のイメージやテイストを残しつつ、オージーのライフスタイルに溶け込むことができたと思います。

Q. オーストラリアと日本のビールの消費量は違うと思いますが、オーストラリアの消費量はどうですか?

 ワインも当然消費量が多いですが、ビールの消費量も多いです。一人当たり日本の1.5倍以上の消費量があります。それだけ飲む機会も多いと言えます。そのなかで『KIRIN 恵み』がどれだけ多くの人々のレパートリーの一つに加えてもらえるかが大きなポイントだと思います。今後2、3年は1店舗でも取扱店を増やすことが目標になります。新商品も考えていますが、『KIRIN 恵み』の取扱店舗が一定に達するまでは発売しないつもりでいます。ローカル・ビールと互角に勝負していけるようなレベルにまで持っていきたいと思います。

Q. オフィスの中にビールが飲めるバーがあるのが、斬新でカッコイイですね?

 そうですね(笑)。私もびっくりしました。最初は利用するのに躊躇してしまいましたね。昼間に飲む人はあまりいませんが、17時ころから飲む人は結構いますよ。

社外の人も一緒に飲むことができますし、また社内のコミュニケーション・スペースにもなっているので、社内外の関係者との仕事がうまくいくというのは非常に感じます。このような環境スペースは、この会社にはなくてはならないと思います。

     

Q. プライベートでのこだわり、あるいはこだわりの物はありますか?

 入社以来、タナベの手帳を10年間愛用しています。800円くらいなのですが、手帳はこれでないと生きていけないくらいですね。ただ今年は手に入れられないかもしれないので、ちょっと困っています。日本から郵送してもらおうと考えています。

     

Q. シドニーでの生活はどうですか?

 すごく快適です。赴任して約半年ですが、妻にも子供にも良い環境だと思います。

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