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人気の影に時差がある?

シドニーが世界の人気都市ランキングで3位にはいりました。

先月末に発表された「2011 City RepTrak index」(世界15カ国、3万5,000人を対象にThe Reputation Instituteが調査)によると、シドニーが、ロンドン、ジュネーブに次いで、3番目にランクインしたというのです。この調査は世界59カ国100都市の“reputation”度を測るもので、13項目の評価を基に総合的に判断されます。

観光名所として有名だとか、ビジネス拠点として発展しているとか、世界遺産で知られるとかだけでは不足していて、安全やインフラ、景観、文化、居住性などの項目でも評価されます。それに失業率や住宅供給率などの統計数字のみで判断されず、あくまでも評価する人たちの認識度にかかっています。

そういう意味で、いわば世界の都市の人気投票というわけですね。シドニーは総合3位ですが、「住みたい都市」では1位に、「美しい景観の都市」ではローマに次ぐ2位に、「社会・経済・環境政策」ではオスロに次ぐ2位、「安全度」ではベストファイブと、かなり健闘しています。

シドニーに住む身としては、なんだか嬉しいような、自慢したくなるような結果ですが、実際にはもちろん日々の生活で問題もあるので、「これで世界3位の街なの?」という気持ちがあるのも事実です。

ところでなぜロンドンがベストワンなのでしょうか? 人気投票ですから、おそらく、2012年のオリンピック開催都市としてこれまで積極的にPRをおこなってきて、ロンドンのイメージが世界中の人々に焼き付けられた結果ではないかと見られています。

では、なぜシドニーが3位に? これも穿った見方としては、時差の関係があるといわれています。

太平洋の真ん中の日付変更線から西側、つまり日付が変わってから現れる大都市は、太平洋に浮かぶ島国やニュージーランドを別にすれば、シドニーが世界の都市に先駆けて一番先に現れるわけです。

ということは、大晦日、ニュー・イヤーズ・イブには、シドニーハーバーとオペラハウス、そして花火の一大ページェントが、世界中のテレビに放映されて、新年を祝う姿が映し出されるというわけです。

時差があるので、このようなイベントではまず最初にシドニーが取り上げられるので、当然、人々の脳裏には美しいシドニーハーバーとオペラハウス、ハーバーブリッジの姿が焼き付けられるというわけです。

まあ、だから人気が高いというわけでもないでしょうが、かなり影響を与えているのも確かかもしれません。

でも、人気が高いといって必ずしも観光客がどっと押し寄せているかというとそうでもなく、これまでのオーストラリアへの観光客上位10カ国の大半は数を減らしています。背景には豪ドル高や最近のEUの経済不安がありますが、中国人とインド人観光客のみ増える中、軒並み減少している世界からの観光客を取り戻す対策を立てる必要がありそうです。

なお、オーストラリアからはメルボルンが28位にランクされています。その他、パリが11位、ニューヨークが25位、東京が33位、大阪が44位などとなっています。

[世界の人気都市ベストテン]

順位 都市名(国名)(得点)

1 ロンドン(英国)(71.9)

2 ジュネーブ(スイス)(71.0)

3 シドニー(オーストラリア)(70.9)

4 ウィーン(オーストリア)(70.8)

5 ヴェニス(イタリア)(70.7)

6 ローマ(イタリア)(70.6)

7 バルセロナ(スペイン)(70.5)

8 オスロ(ノルウェー)(70.5)

9 フローレンス(イタリア)(70.4)

10 バンクーバー(カナダ)(70.2)

調査対象国(Australia, Brazil, Canada, China, France, Germany, India, Italy, Japan, Mexico, Russia, South Korea, Spain, Britain, US)

(水越)

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