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善意の募金の行方は?

 

12月26日(月)、シドニーのオペラハウスで「日豪音楽親善団」のコンサートが催されました。日本から選抜された高校生のオーケストラが来豪し、バイオリニストのMASAKIさん、フルート奏者のShion Liuさん、ダンスグループのAce Dance Studio、よさこいソーランのシドニーソーラン踊り隊、津軽三味線の只野徳子さんと和太鼓りんどうの各パファーマーと一緒に公演しました。

 

会場のコンサートホールは、オーストラリア人や日本人、観光でシドニーを訪れている旅行者も含め、多くの観衆でいっぱいとなり、みなさんコンサートを楽しんでいました。

 

また、会場受付では、日本の東日本大震災による被災者支援のための募金活動も行われましたが、当日はボクシング・デーの祝日ということもあったのでしょうか、皆さん募金に協力をしてくれました。クリスマスの翌日はBoxing Dayという祝日で、その年1年間にお世話になった人にプレゼントを贈る日でもあります。そんな日のチャリティー活動ですから、皆さん気軽に募金してくれたのかもしれません。

 

見てみると、オーストラリア人や中国人の方がかなり募金に協力してくれていました。残念ながら日本人の方は少なかったようです。チャリティー活動やボランティア活動に対する意識の違いがあるのでしょうか。そんなことを思ってしまいました。

 

集まった募金の集計作業で思わぬことを知りました。

 

どうしてもこのような募金活動では募金箱の中は小額のコインが多くを占めるのですが、かなり紙幣が含まれていました。5ドルから50ドルの紙幣を一人1枚募金したとすると200人以上の人が紙幣を募金してくれていました。そして、50ドル紙幣を入れてくれた方が24人もいました。

 

募金総額は約3500ドルでした。街頭募金ではなく、限られたスペースで、限られた参加者のみを対象にした数時間の募金活動にしては、かなりの額が集まったと思います。震災から9カ月経ったいまでも、忘れずに協力してくれる多くの方の善意に感謝したいと思います。

 

集計作業をしていると、紙幣に交じって何かをメモした紙片がでてきました。紙には、「This donation is meant to be for the people affected by the Tsunami, not for the use by the whaling fleet.」と書かれていました。この募金は被災者に対してで、捕鯨船に使うことのないようにという内容です。

 

えっ? 震災の義援金が捕鯨活動の資金に使われているの?

 

知りませんでしたが、震災の義援金が日本の捕鯨船の費用に使われているらしいというニュースが一部で流れたようです。オーストラリアのラジオ放送でもそんなニュースが流れていました。

 

調べてみると、日本政府が調査捕鯨活動に予算を支出しているということが、シー・シェパードによる曲解、デマにより、義援金が流用されているという誤報につながったようです。

 

デマ情報でも、いったん流されてしまうと、そら見たことかと批難されてしまいます。チャリティー活動で思わぬ事態を知りましたが、今後の活動に影響が出ないことを願うばかりです。

(水越)

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