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子どもたちの放射能遊び

もう4月。4月1日で夏時間も終了し、秋となり、イースターの時期になりました。4月は日本では新入学の季節です。子どもたちがピカピカのランドセルを背負って、お友達やお母さんと一緒に学校に行くのですが、被災地や福島の子どもたちは、そうもいきません。避難先で、いままでのお友達もいない中、ちょっと寂しい入学式になりそうです。

あれから1年が過ぎたというのに、政府の原発事故の収束宣言とは裏腹に、まだ何も収束していないのが現実です。とくに子どもたちにとても大きな心の傷を残したのではないかと言われています。

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四歳の孫の大輝が遊びに来た

おじいちゃんの頭の手術をする  と言う

祖父の後頭部を懐中電灯で照らしながら

0.2マイクロシーベルトです

さらに

体のあちこちを照らしては

  ハイ  口の中は0.7マイクロシーベルトです

手術が無事に終わったので外遊びをはじめた

長袖 長ズボン 帽子にマスク姿で…

福島の最高気温は31.7度

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この詩は、昨年、福島県の「第64回福島県文学賞」の詩の部門で文学賞を受賞した久間カズコさん(71)の作品です。

いま、子どもたちの間に放射能や原発などを元にした遊びが流行るという悲しい現実があります。

また、子どもたちのしりとり遊びでも、教えてもいないのに「せんりょうけい」とか「げんぱつ」という言葉を使うそうです。

日本では国内の原子力発電所54基のうち、現在、1基しか動いていません。それも5月には定期点検に入るため停止されます。そうなると、すべての原発が停止状態になるわけです。それで一番困るのは、「それでも電気が足りている」という状態です。そうなると原発はいらないじゃないかとなるわけです。

そのため政府はなんとかひとつでも再稼働させようと、先日、福井県の大飯原発の再稼働を承認するように、原子力安全・保安院や原子力安全委員会からのお墨付きをもらいました。最終的に政府が判断して再稼働させるというのですが、安全委員会の班目委員長は、個人的には反対だといいながら、結局、最終判断は政府が決めることだとして政府に丸投げしてしまいました。政府といっても、野田首相と関係3閣僚で決めるのだそうです。どうも日本の原子力安全委員会という組織は、「安全」といいながら「安全」を判断してお墨付きを与える組織ではないようです。

しかし、1年前は「想定外」だとして、あんな事故は予測できなかったといいながら、再稼働のための事故予測は一定の大きさを設定して判断するわけですから矛盾しています。再稼働のストレステストも想定外の数字を元に考えると、とても判断などできないはずです。

日本の世論調査では、原発の危険性を考えて脱原発を望む人たちは、約70%に上るそうですが、その中身は、男性が約55%、女性が約85%と、圧倒的に女性が原発廃止を望んでいるんですね。「女は情緒的だから」「政治や経済に弱いから、原発停止で経済的に困ることを考えない」「女はヒステリーを起こして短絡的だ」などと男どもは批判しますが、子どもたちのことを一番考えているからこその女性たちの声だと思います。

誰にもはっきりとは分からない放射能の危険性だからこそ、疑わしいもの、危険なものは止めようという至極当然な声ですし、子どもの将来を考えての声ですね。

(水越)

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