【メルボルン３日ＡＡＰ】　　　ニコラ・ロクソン連邦保健相は、オーストラリア国内で豚インフルエンザが変異した新型インフルエンザの発症例がまだ確認されておらず、メキシコでの死者数も減少しているが、感染拡大に対し油断すべきではないと警告を発した。

ロクソン保健相は３日、先週の感染拡大以降、合計４１３人のオーストラリア人が検査を受けたが、そのうち３３７人の結果は陰性で、そのほかの人は結果待ちの状態だと発表した。

新型インフルエンザが世界中に拡大する中、メキシコの死者数は１００人から１９人に減少した。ロクソン保健相は「もし新型インフルエンザが当初懸念 されていたよりも深刻ではないと判明すれば、それは世界にとって良い知らせになるだろうが、確証を持つにはまだ早いと思う。我々は感染拡大への準備や計画 を継続して実施するとともに、最善の結果を望んでいる。また海外の動向に変化があれば慎重に状況を把握していく」と述べた。また、「新型」インフルエンザ であるため、専門家もどの程度深刻な影響をもたらすかは不明としている。

ロクソン保健相は、これまでにロンドンで２人、香港で３人の豪人が感染の疑いで隔離されているとし、「重要なことは旅行中の人がリスクを認識し、自分の健康管理を行うこと。また帰国時にインフルエンザの症状が見られる場合、その旨を申告すること」と述べた。

新型インフルエンザからオーストラリアを守るため、政府はラジオやテレビのキャンペーンを開始し、国民に予防を行うように促している。キャンペーンは今週末まで実施される予定。またロクソン保健相は国民に対し、抗ウイルス剤は十分確保していると断言した。