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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)24 November 2025

 

24 Novemebr  2025

<ポイント>
 ―予想通りに157円台を示現→これは160円への通過点か?―

今週の予想レンジ:155500-158.50
先週のレンジ 154.42-157.89
(先週の予想レンジ:154.00-157.00)(マーケットビュー予想)

・先週ドル円は前週の上値抵抗線155円前半を上抜けして(マーケットビューの)予想通りに157円台まで上昇した。(高値157.89はややオーバーダン?)
19日(水)の植田日銀総裁、片山財務相、城内経済財政相の三者会談で円安に対する具体的な話が出なかったと報じられ、介入警戒感が大きく後退。
・一方、発表された前回のFOMC議事録では12FOMCでの利下げに対して慎重姿勢も見られたことで日米金利差を利した“円キャリートレード”が活発化し、ドル円は今年1月以来の157円台に上昇。
・ただ158円台を目前にして、さすがに介入警戒感も高まり、柏崎刈羽原発再稼働容認の話も原油輸入減少=円高に作用して156円台前半まで調整反落して越週した。
・円は対ユーロやスイスでも史上高値を更新。一方米ドルインデックスは再び100台に上昇するなどドル全面高地合もドル円を押し上げた。
・今週は発表が開始される火曜日の米9月小売売上高や水曜日の9月耐久財受注やQ3GDP(改定値)、金曜日の11月東京都CPIなどが注目されるが、米指標についてはある程度の弱い数字は織り込み済で、むしろ先週の9月雇用統計のように強めの数字は12月金利据え置き観測の裏付けとなり、ドルをサポートしよう。
・最近日本の経済ファンダメンタルズのみならず、雪だるま式に拡大する財政赤字を懸念する記事が目立ち、筆者の主張する“日本発の円安要因”にやっと市場が気付き始めたか?との思い。
・ただ柏崎原発再稼働に続いて現在停止中の国内11発電所(22基)(稼働中は7発電所11基)に対する再稼働の思惑が高まれば、原油輸入の減少要因となり、円の需給(日本の貿易赤字体質)に変化が及ぶ可能性があるものとして今後の動向を注視したい。
・ただドル円の大きな流れとしては、アップダウンしながらも160円、そしてその上を目指す流れは不変と考える。

 

◎<豪ドル相場>

先週豪ドルは米ドル全面高地合(米ドルインデックスは再び100台)となる中、一時64セント台前半に下落。対円ではドル円の157円台への上昇と相殺しつつも102円台の高値から一時100円台前半に反落後、現在101円台を回復している。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6421-0.6537  AUDYEN  100.15-102.48
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6600  AUDYEN  99.00-102.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6600    AUDYEN  99.00-102.00


先週豪ドルは米ドルの堅調を背景に一時64セント台前半まで下落。対円では週前半に豪ドルの65セント台とドル円の157円台の相乗効果で一時102円台の今年7月以来の高値を付けた後、ドル円の156円台前半への下落にフォローして一時100円台前半に反落し、足元では101円台に再度乗せている。
・前週はハウザー副総裁のインフレ懸念発言や強い10月雇用統計が豪ドルをサポートしたが、先週は主な国内指標ない中、米ドルの堅調さに押された形。
・やはり「豪ドルは米ドルの受け皿」であり、米ドルの上昇(ユーロの下落)を受けると66セントはおろか65セント台の維持も難しくなるのが現状だ。
ただ64セント割れも、足元のリスク選好地合(株価堅調)を勘案すれば、これまたOver Soldの領域と考えられる。結局は見慣れた64セント台~66セント台の取引レンジをブレイクできない状況が今暫く続きそうだ。
・対円では引き続きドル円動向が鍵となるが、11/10以降100円上を維持しているのは“特記事項”に値すると考え、更に上値トライの余地があると考える。
・今週発水曜日に表される10月CPI(予想3.6%、前回3.5%)と木曜日のQ3民間設備投資(CAPEX)(前期比予想0.6%、前回0.2%)に注目したい。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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