15 December 2025

◎＜ポイント＞
　―年末に向け155円台を固める動きとなるか？―

今週の予想レンジ：154.00-157.00
先週のレンジ　154.90-156.95
（先週の予想レンジ：154.50-157.50）（マーケットビュー予想）

・先週前半は前週のドル円下値トライ（154円台前半まで）の反動から156円台後半までドル円は上昇。
・しかしFOMCでの想通り25bp利下げ後のパウエル議長の会見で、同議長の従来からのタカ派色が鳴りを潜め、むしろ将来的なインフレの鎮静化と雇用の悪化予想と市場は受け止め、FOMC後は一時155円台を割る水準にドル円は軟化。
・ただ155円台前半ではすかさず買い戻しも入って結局155円台後半で越週した。
・今週は木曜日にBOE理事会（25bp利下げ予想）、ECB理事会（据え置き予想）と金曜日の日銀の金融政策決定会合が開催されるが、特に日銀会合では0.50%→0.75%への利上げを市場は見込む。欧米が金融緩和サイクルを行く中での日銀の引き締め政策継続。これは格好の円買い材料であるが、ここまで下値が154円台前半と限定的なのは、日本の物価高（米をはじめとする食料品及びガソリン価格の高止まりが主因の“いびつな”物価高）に市場は懐疑的で、根底に潜むデフレ構造に対する警戒感を捨てきれないためか？
・ただ来年の市場関係者のドル円予想は再び円高傾向だというが、主な理由は日米金融格差の縮小らしい。
・これは今年の円高予想をした市場関係者の円高理由と全く同じであり、彼らの思考パターンだと思うと同時に、筆者が従来から主張する日本売り＝円売りには見向きもしない「愛国心の塊」には敬意を表するべきか？
日本で一生を終える大多数の日本人、特に金融市場に興味ある大方の日本人は勝ち組であり、筆者のような円売り志向は異端児の誹りを免れないのだろうか。
・大方が円高を見るセンチメントであればこそ、来年は170-180円ゾーンの現実味が増すであろう。地政学的懸念や自然災害を望むわけでは決してないが、日米金利差以外のファクターが相場の方向性を決定するように思う。

・先週火曜日のRBA理事会では予想通りに利下げは行われず、豪ドル堅調地合に。声明では「インフレは足元でAは上昇傾向、最近のデータはインフレリスクの上振れを示唆」と述べ、ブロック総裁も「追加利下げは必要ないようだ、インフレ水準に不快感」と述べるなど、タカ派的な内容であると言える。
・木曜日に発表された11月の雇用統計では就業者数は+2.0万人予想に対して-2.13万人と大幅減少したが、正規雇用者数が大幅に減少したことが原因であった。ただ失業率は4.4%予想に対して4.3%に改善を見せており、ユーロの1.17台への上昇にもサポートされて、雇用統計を原因とする大きな下落は見られなかった（豪ドルは米ドルの受け皿）。
・先週は従来の天井であった66セント台を一度もブレイクすることなく豪ドル堅調地合であったが、上放れして70セント方向に向かうと考えるのはまだ時期尚早であろう。
・対円ではドル円の乱高下が継続する可能性があるが、ユーロの上昇とドル円の下落は相殺する関係にあり、ドル円の154円台がブレイクしない限り豪ドル円は足元の堅調地合を維持しよう。

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