イベント情報
アート

3月~6月のシドニーイベント/芸術の祭典「シドニー・ビエンナーレ」が開催中!

イベント情報

日付 2018.03.16 〜 2018.06.11
時間 09.00 〜 17.00
料金 無料
エリア Sydney
開催地 Art Gallery of NSW, Artspace, Carriageworks, Cockatoo Island, MCA/Opera House, 4A Centre for Contemporary Asian Art
ウェブサイト https://www.biennaleofsydney.art

1973年から続くアジア太平洋地域で最も歴史の長い現代芸術の祭典、「Biennale of Sydney(シドニー・ビエンナーレ)」が、3月16日(金)から6月11日(月)までの約12週間にわたって、シドニー市内各所にて開催されている。

 

シドニー・ビエンナーレとは?

「ビエンナーレ」はイタリア語で「2年に1回開かれる美術展覧会」を意味する。イタリアのベニスからはじまり、現在はヨーロッパ諸国、アメリカ、ブラジル、ロシア、日本、オーストラリアではシドニーのみで開催されている。 これまでに延べ100カ国以上の国から、約1,800人ものアーティストが示唆に富む作品を出展してきた。今年で45周年を迎える同芸術祭では、20カ月にわたる準備期間を経て、世界35の国と地域から70名ものアーティストが作品を展示するために集まった。

 

シドニー・ビエンナーレ今回のテーマは「概念の重なり合い」

今回のシドニー・ビエンナーレはアジア人初の芸術監督として、森美術館チーフキュレーターであり、アジアの現代美術を中心にさまざまな国際的展覧会を企画してきた片岡真美氏が選出された。

「SUPERPOSITION: Equilibrium & Engagement(スーパーポジション:均衡とエンゲージメントのアート)」をテーマに冠し、オーストラリア、そしてシドニーという多文化都市で、今日の世界情勢における社会政治的文脈や複雑さを、量子力学で言うところの「スーパーポジション(重なり合い)」に例え、多様な価値観や文化の「均衡」がとれたシドニーとさまざまな文脈で「エンゲージメント(関わり)」する方法を見出していく。

 

シドニー・ビエンナーレ注目のアーティスト

世界各地からシドニー・ビエンナーレに参加するアーティストは「相対する世界解釈や価値観に向けられたそれぞれの視点を俯瞰的に見つめることで、いかに均衡の状態を意識できるかを問い掛ける」ために選定されたという。展示場所に制約をなくし、その場所の持つ雰囲気を生かしながらアートの空間を作り出している展示物は、観賞者も含めアートとして成り立たせるインスタレーションなど、五感すべてに訴えかえける。

井上亜美の紹介

70名のアーティストの中で最年少となったのは、片岡真美氏が教授を務める京都造形芸術大学の卒業生、井上亜美氏。2011年の東日本大震災で被害を受けた祖父の影響から、自ら狩猟の免許を取り、狩猟現場でつぎつぎに起こる出来事をエスノグラフィックな視点で見つめた映像やインスタレーションの作品を展開している。シドニー・ビエンナーレの展示作品でも自身の経験と民族的アプローチを結び付け、現代と原始の生き方の乖離を映し取った。

井上亜美:アーティストページはこちらから
https://www.biennaleofsydney.art/artists/ami-inoue/

 

Ai WeiWeiの紹介

最初のアーティストラインナップに上がった21名の内、最も注目されたのが中国人アーティストAi WeiWei氏だ。美術家として表現は建築から映像、絵画など幅広く、社会運動にも精力的で過激派な一面も持つ。今回は2つの彫刻作品、長編映像、インスタレーションが同芸術祭の目玉としてArt SpaceとCockatoo Islandで展開され、それぞれの作品に運動家としても取り組んでいる難民問題といった社会の不公正に対するメッセージを反映させている。

Ai WeiWei:アーティストページはこちらから
https://www.biennaleofsydney.art/artists/ai-weiwei/

 

Tiffany Chungの紹介

Ai WeiWeiと同じく芸術を通して難民問題を探っていったのが、ベトナム系アメリカ人アーティストTiffany Chung氏。自身も家族と共に戦争後のベトナムからアメリカに移住した過去を持ち、難民や紛争に直面する国際問題を地理的、社会政治学的な視点から研究している。Art Spaceで展示されている作品はベトナム移民の歴史を世界地図で表した刺繍と、現在の移民が面する状況を膨大な研究をもとに描いた水彩画の2つ。

Tiffany Chung:アーティストページはこちらから
https://www.biennaleofsydney.art/artists/tiffany-chung

他にも、演劇的発想を都市空間に展開する高山明氏、長年住んだベルリンを離れて沖縄へと移住した写真家の野口里佳氏離島で暮らす現代美術の重鎮の柳幸典氏といった日本人アーティストが、今回のシドニー・ビエンナーレに参加している。

 

シドニー・ビエンナーレの楽しみ方

アーティストのパフォーマンスやワークショップ、アートギャラリーで開かれる「Under the Spotlight」など展示作品の背景知識まで探れる注目イベントは続いている。ほとんどのイベントに無料で入場できるが、会場によって時間、料金が異なる場合や予約が必要な場合もあるので、行く前にウェブサイトで確認しておこう。

約3カ月の会期中に少しずつ様相を変えていく作品も多いので、間を置いて同じ作品を観に行くとまた違った観賞を楽しめるのも、ビエンナーレの醍醐味だろう。特にコカトゥー・アイランドの作品は、孤島の廃屋にさまざまな仕掛けが組んであり、風景の移り変わりとともに楽しめるのでおすすめ。

開催会場と開館時間

  • オペラ・ハウス(Box Office Foyer, Level 1)月〜土9:00-20:30、日9:00-17:00
  • コカトゥー・アイランド(シドニー・ハーバーからフェリーでアクセス)毎日10:00-17:00
  • オーストラリア現代美術館(140 George Street, The Rocks)月火木〜日10:00-17:00、水10:00-21:00※
  • NSW州立美術館(Art Gallery Road, The Domain, Sydney)月火木〜日10:00-17:00、水10:00-22:00※
  • Carriageworks(245 Wilson St, Eveleigh)毎日10:00-18:00※
  • Artspace(43 – 51 Cowper Wharf Road, Wolloomooloo)月〜金9:00-17:00、土日9:00-18:00※
  • 4A Centre for Contemporary Asian Art(181–187 Hay Street, Sydne)毎日10:00-18:00※

※3月30日(金)は閉館


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