Picture: ©︎ Biennale of Sydney 2024

第24回シドニー・ビエンナーレ「Ten Thousand Suns」が、3月8日（金）から6月10日（月）までの3カ月間にわたって、シドニーのNSW州立美術館、オーストラリア現代美術館、シドニー大学のChau Chak Wing Museum, UNSW Galleries、Artspace、White Bay Power Stationで開催！

100年以上ぶりに一般公開されるWhite Bay Power Stationを含む、2年毎に開催される大規模な現代アートイベントです。シドニー・ビエンナーレの展覧会は、アートギャラリーを含めてすべての場所で無料で観覧でき、アーティストのスポットライトトーク、巡回パフォーマンス、アートツアーも無料。一部チケット制のイベントなども開催されるので、イベントにも参加したい場合は見逃さないよう早めの予約をお勧めします。

Cosmin CostinașとInti Guerreroが芸術監督を務める今回は、47カ国から88組のアーティストとコレクティブが参加。このうち、アボリジニやトレス海峡諸島民を含む14組のファースト・ネーションズ・アーティストが、新作制作を担当しています。集団的な抵抗の歴史に触発され、不公正に直面しながらも団結して成功を収めた人々の喜びの源としての祝祭を提案。シドニー・ビエンナーレの50周年を記念するこのテーマは、現代アートの展覧会を核に複数の歴史、声、視点から西洋の宿命論的な終末論に疑問を投げかけ、喜びの中に生きる可能性のある未来について、希望に満ちた展望を抱かせるものです。

Phoenix Central Parkがキュレーションしたライブ音楽、ダンスフロア、インスタレーション、巡回パフォーマンスなどが楽しめる、3月8日（金）のオープニングナイト「Lights On」（野外有料イベント）を皮切りに、幅広いイベントプログラムも展覧会を盛り上げます。また、毎水曜の夜にはWhite Bay Power Stationでコンテンポラリー・ミュージックナイト「Art After Dark」も開かれます。日没には2024年中毎晩、オペラハウスの外壁に「Badu Gilii: Celestial」のプロジェクションマッピングが投影されファースト・ネーションズが古くから行ってきた天文航海術の豊かなストーリーを映し出します。

クィアのファースト・ネーションズ・アーティストのDylan Mooneyや、1990年代にサイバーフェミニズム・ムーブメントを先導したことで知られるオーストラリアのアーティスト集団のVNS Matrix、日本のLGBTQIA+コミュニティの重要人物であり、日本のポピュラーカルチャーやサブカルチャーを取り入れた色鮮やかな作品で知られる円奴、メルボルンを拠点に活動するアフガニスタン生まれのアーティスト、Elyas Alaviによるオーストラリアのアフガニスタン人カメレアの歴史の探求、パフォーマンス・アーティストのTommy Misaによる、サモアの政治風刺の伝統であるFale Aituとシドニーの往年のドラッグ・シーンにインスパイアされた新作など、意欲的な作品にも注目したい今回のビエンナーレ。

1980年代のニューヨークを記録した作品で知られる中国系アメリカ人の画家、Martin Wongの遺作9点の展示、シュルレアリスム的な作風で尊敬を集めるアメリカ人アーティストで活動家のFrank Mooreの絵画も見どころです。

ビエンナーレ期間中は、誰もが楽しめる無料アートツアーやワークショップが毎日開催されるほか、学生専用のワークショップ、障碍者アート団体や実践者による3つのファミリーデーも定期的に開催されます。パネルトーク、アーティスト対談やライブパフォーマンス、音楽ライブ、会場にはグルメを味わえるフード屋台やポップアップバーも登場。小中高生向けの教育プログラムには、学生のセルフガイド体験や教員主導のガイド体験、学校単位のワークショップなどもあります。

NSW州遺産に登録されている発電所のWhite Bay Power Stationは、ビエンナーレ50周年記念の主役となる会場で、過去に舞台となったコカトゥー島と同じような役割を果たします。芸術、文化、コミュニティのハブとして再利用され、16週間にわたってインスタレーション、イベントが昼夜を問わず繰り広げられる予定です。会場には複数のフード屋台とバーも登場して一日中楽しめます。

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