アゴの関節(顎関節)は、実は人体の中でもっとも頻繁に使われる関節の一つです。耳のすぐ前に位置しており、耳の穴の前に指を置いて口を開け閉めすると、関節の動きを指先で感じることができます。
この関節は、下顎骨と側頭骨、関節包、**関節円盤(ディスク)**で構成され、靭帯や筋肉によって支えられています。
顎関節症の主な症状には、
口の開閉時の痛み
アゴの「カクカク」や「ジャリッ」という音
口を大きく開けにくい、動かしづらい
などがあり、症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いのが特徴です。
主な原因には、
歯ぎしり・食いしばり
小声で話す習慣
顔面や頭部への過去のケガ
長時間の猫背姿勢
などが挙げられます。
歯ぎしりは夜通し筋トレしているようなもので、アゴや首、頭にまで負担をかけ、頭痛の原因にもなります。
また、関節のディスクがずれることで、無意識にアゴ関節を元の位置に戻そうとする動きが起こり、それがさらに歯ぎしりや食いしばりを引き起こすという悪循環に陥ることがあります。
過去のケガによって関節包や靭帯が硬くなると、アゴ本来の自由な動きが制限され、不具合が生じやすくなります。
さらに猫背などの不良姿勢は、首や肩、アゴにも影響を及ぼし、複数の要因が重なって症状を引き起こすのです。
GPでは痛み止めを処方し、歯科医ではマウスピースを提供することがありますが、関節に本質的な問題がある場合、それだけでは根本的な改善には至りません。
フィジオセラピーでは、まず詳細な評価と診断を行い、主な原因を明らかにします。
その上で、
アゴ周辺の筋肉をほぐす手技
関節包や靭帯に適切なストレッチ
関節の動きを回復するアプローチ
などを行います。
さらに、
ご自宅でのセルフエクササイズの指導
姿勢や習慣の見直し(例:猫背の改善方法)
なども含め、治療効果を最大化していきます。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療的な診断や治療の代わりではありません。症状がある方は、専門家にご相談ください。
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