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シドニー発豪ドル見通し(30 April 2018)

<主なイベント・日程>

4/30(月)日本休場・昭和の日、中国4月製造業PMI、米3月個人所得収支、米3月PCEデフレーター、米3月中古住宅販売、中国休場30~1日
5/1(火)RBA理事会、ロウRBA総裁講演、ポロズ・カナダ中銀総裁講演、米4月ISM製造業景況指数
2(水)ユーロ圏Q1GDP、米4月ADP雇用者数、米週間原油在庫統計、米FOMC
3(木)日本休場・憲法記念日、豪州3月貿易収支、米3月貿易収支、米3月耐久財受注、米3月製造業新規受注、米4月ISM非製造業景況指数 4(金)日本休場・みどりの日、RBA四半期金融政策報告書、ダドリーNY連銀総裁講演
 

 

<マーケットの焦点>

先週は米10年債利回りが2014年以来の3%台に一時上昇したことも支援材料となりドルが全般的に強含み。
ドル円は109円台に、またユーロも1.20台、ポンドも1.37台、豪ドルドルも0.75台まで下落しました。ドル円インデックスは1月以来の91台まで上昇しています。
一方金利上昇を受けて株価はNYKダウ中心にやや冴えない展開でした。 マーケットの焦点は南北首脳会談で世界中のメディアが注目しました。両国は“パンムンジョム宣言”において勃発から約70年を経過した朝鮮戦争の終結を宣言し、完全は非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認しました。
主要国は総じて南北会談の成果を評価し、トランプ大統領は3-4週間以内での米朝会談の可能性を述べました。
米朝会談では非核化が最大の焦点になりますが、北朝鮮は見返りとして体制の保証、制裁解除、在韓米軍の撤退などを要求する可能性があります。
今週日本はゴールデンウイーク週間になり市場の活性度は下がりますが、北朝鮮問題を巡る新たな進展(特に米朝会談の日程)の他にも米国ではFOMCや4月の雇用統計が発表になりますし、米中や日米貿易摩擦やモリカケ問題も忘れるべきではありません。
ただゴールデンウイーク期間中安倍首相は外遊予定であり、また米国の貿易摩擦問題も一時的に棚上げされる可能性があります。 むしろ堅調な米雇用統計が予想されますし、その前日のFOMCでも6月利上げを更に裏書きする内容となる可能性があります。
また米長短金利フラット化の調整が更に進む可能性があり、堅調な景況と併せて米長期債利回りの上昇からドル高が継続する可能性があります。
米国の保護主義や安倍政権の支持率低下などのリスク要因は暫し軽減し、北朝鮮問題解決に向けた期待などから市場のリスク選好ムードが強まり、ドル円は110円の節目をテストする可能性があります。

 

 

<豪ドルマーケット>
今週の豪ドルは、引き続き上値の重い展開でしょう

先週のレンジ:  AUDUSD 0.7532-0.7683  AUDYEN 82.37-83.09

今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7450-0.7650  AUDYEN 81.00-84.00
 

先週の豪ドルは対ドルでは昨年12月以来の75セント台前半に下落する一方、対円ではドル円の上昇を受けて82円台中心の揉み合いとなりました。
ドルの上昇による欧州通貨の軟調にフォローする一方、前週の予想を下回る3月雇用統計に続いて、発表されたQ1CPIが上昇期待を裏切ったことも豪ドルの上値を重くしました。
年初来の雇用統計の改善から賃金上昇が消費者物価をRBAのターゲットである2-3%内に押し上げるとの予想がありましたが、まだ賃金上昇の顕著な兆候は得られませんでした。

RBAの100%利上げ織り込み時期は引き続き来年6月頃です。 ただRBAもインフレ率が徐々に上昇するとの見通しであり、今週発表される“RBAの四半期金融報告書”においてインフレ見通しの上方修正がなされるか注目されます。
豪ドルは引き続き米ドル高が重石となる一方、リスク選好ムードで主要国の株価が堅調であることから大きく崩れる状況でもなく、現レベル中心でやや上値の重い展開が予想されます。

 

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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