at_money_service
マネー

シドニー発豪ドル見通し(7 May 2018)

<主なイベント・日程>

5/7(月)FRB当局講演(クオールズFRB副議長、アトランタFED、ダラスFED、シカゴFED)
8(火)中国4月貿易収支、豪州3月小売売上高
9(水)NZ準備銀行理事会、日中韓首脳会談、米4月PPI、アトランタFED総裁講演
10(木)日本3月国際収支、中国4月CPI/PPI、BOE理事会、BOE四半期インフレ報告書、米4月CPI、米新規失業保険申請件数
11(金)米4月輸入物価指数

 

<マーケットの焦点>

先週は日本がゴールデンウイークとなる中、米FOMC、米中通商協議、米4月雇用統計、米朝会談を巡る思惑などが主な材料となりました。
主要国の株価は前週末と比較してNYKダウがやや下落、日経平均がやや上昇などまちまちの動き。またドルインデックスは前週末の91.31から92.42に上昇しており、ドルが総じて堅調でドル円は一時110円台を付けました。
ただ米中通商協議も中国は自動車の関税引き下げなど一部譲歩しました。米国は納得せず追加制裁を突き付けて2020年までに黒字を2000億ドル削減するよう中国に要求し、中国のハイテク育成に異議を唱えるなど多くの要求を突きつけましたが、中国はいずれも突っぱねた模様で、問題は先送りされることになりました。 FOMCの結果は6月利上げを支持するものでしたが予想されたほどタカ派的ではなく、一時3%台に達していた米10年債利回りも軟化して、ドルの調整売りも一部出ました。
また米4月の雇用統計は失業率が3.9%に改善する一方、nfprは+16.4万人と予想を下回り、平均時給も前月比+0.1%(予想+0.2%)、前年比+1.9%(予想+2.6%)と予想を下回りましたが、6月の利上げを否定する内容でもありませんでした。
南北会談以来急速に高まった融和ムードですが、週末に北朝鮮は態度をやや硬化させています。 「板門店合意が米国や日本の制裁や圧力の結果である」との日米の発言に反発したもので、米朝間の調整に問題が生じたとの見方や、米朝会議で優位な立場に立つための北朝鮮のパーフォーマンスなど種々の憶測があります。

今週は大きなイベント予定はなく、先週までの北朝鮮問題や米経済動向、更には米中通商問題などを巡る動きを再精査する週となります。
北朝鮮問題や米中摩擦などは一時大きく後退したような印象ですが、それらリスクの“揺り戻し”には注意を払いたいところです。 ドル円も3月の104円台から110円台まで大きく戻しましたが、上げ材料も一巡し、再び反落する可能性もあります。

 

<豪ドルマーケット>
今週の豪ドルは、引き続き上値の重い展開でしょう

先週のレンジ:  AUDUSD 0.7472-0.7582  AUDYEN 81.67-82.72

今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7400-0.7600  AUDYEN 80.00-83.00
 

先週の豪ドルは一時74セント台を付けた後、75セント台半ばに反発する一方、対円では豪ドルドルの下落とドル円の上昇が相殺し合って2週間にわたって82円台の揉み合いとなりました。
RBA理事会では金融緩和継続の可能性が示唆され、足元の金融政策変更(利上げ)の可能性が遠のいたことも豪ドルの上値を重くしました。
またドルが対欧州通貨で堅調であることも“豪ドルは米ドルの受け皿”で豪ドルの下値テストとなりました。 現在米朝首脳会談や米中通商交渉などの懸案事項があり、世界経済と直結する豪州経済そして豪ドルはそれらの国際イベントの結果に大きく影響されることになります。
基本的には世界経済に対する不安は大きくないのが現状で、加えて主要国の株価も依然として高水準を維持していることから、豪ドルが一方的に値崩れする可能性も少ないでしょう。
ただ足元の軟調地合は少なくとも5月の連邦予算案発表頃までは続きそうです。

 

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら

マネー

29 January 2024 ◎<ポイント> 今週はFOMCに米雇用統計 ・先週は米株(NYダウ、S & P 500)が史上高値を更新!! …