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今週の相場見通し(11 March 2019)

<主なイベント>

3/11(月)米1月小売売上高、ユーロ圏財務相会合、トランプ大統領2020年予算案
12(火)米2月CPI、EU財務相理事会、英議会離脱修正案採決、ライトハイザーUSTR代表公聴会で発言
13(水)米1月耐久財受注・2月CPI、英議会修正案否決の場合、合意なき離脱案の採決
14(木)中国2月小売売上高・鉱工業生産、米1月新築住宅販売、英議会修正案・合意なき離脱共に否決の場合、EUへの離脱延期要請を巡り審議採決
15(金)日銀政策会合、米1月求人件数、米1月証券投資、中国全人代閉幕(李克強首相会見)

 

<マーケットの焦点>

先週は世界経済減速懸念が高まり主要国の株価は2月中旬以来の安値に反落。 ダウは25,200台、日経平均は21,000割れまで下落し、米中協議期待感で3,000越に急上昇した上海総合指数も再度3,000を割り込んだ。
5日(火)開幕した中国全人代では今年の成長目標を昨年の6.5%前後から6.0-6.5%に引き下げた。
また8日(金)に発表された中国2月の貿易収支では輸入が前年比32.2%減少、輸出が9.9%減少、そして貿易黒字が2,599億元予想に対してたった345億元という衝撃的減少を見せ、世界経済への影響が懸念された。
6日(水)にOECDは世界経済見通しを発表したが2019年3.3%(前回11月時は3.5%)、2020年3.4%(前回3.5%)といずれも下方修正した。 貿易摩擦問題やBrexit、欧州経済減速などを懸念事項とした。
7日(木)のECB理事会では新規TLTRO(新規の流動性供給オペ)導入の決定と、“年内利上げなし”が表明され、世界経済先行き不安が強まった。
8日(金)発表の米2月雇用統計は失業率こそ3.8%(予想3.9%)に改善したもののNFPRは18.5万人増加に対して“2万人増加”という驚きの低水準!! 一時的が現象の可能性もあるが予想値を大きく逸脱した数値は市場にインパクトを与えた。
また米朝会談は物別れに終わったが北朝鮮が新たにミサイル発射準備か?(宇宙目的か軍事目的かは不明)との報やBrexit関連では今週の英国議会修正案採決への不透明感もあり、世界経済減速懸念と相まってリスク回避の動きが活発化した。
前週は米中通商交渉の進展への期待からリスク選好ムードが強かったが長続きはしなかった。 今週は英国議会で修正案の採決、否決された場合の合意なき離脱案の採決、これらが全て否決された場合のEUへの離脱時期延長要請を巡る採決などが予定され、再びBrexitが市場の焦点となる。
米中通商協議も双方ともに時間をかけても納得のいく合意を目指しており、依然として知財法や技術移転問題など構造改革面での意見の食い違いが大きいと言われ、問題の長期化懸念される。
先週の極端に少ない米国雇用者数の伸びや最近の米国製造業面での弱い数字から米経済減速懸念が強いなか今週発表の2月CPIが注目されるが、日米欧や中国など主要国の景気減速懸念が今後主要国の株価に影響し始めれば、更にリスク回避が活発化することが予想され、為替面でも米ドルも欧州通貨も買えないということで、再び円買い圧力が強まる局面が予想される。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―上値重い展開

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7003-0.7102 AUDYEN 77.73-79.52

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7100 AUDYEN 77.00-80.00

 

先週の豪ドルは軟調推移した。
主要国の株価が反落し、米中通商交渉への期待が徐々に剥落した。 RBA理事会では、予想通りに31か月連続金融政策据え置きが発表されたが、今年の成長見通しを3%前後に据え置いたことから、一時豪ドルは小反発した。
しかし発表された国内指標ではQ4GDPが前期比+0.2%(予想+0.3%、前回+0.3%)、前年比+2.3%(予想+2.6%、前回+2.8%)と昨年Q3に続いて豪州経済の減速を鮮明に示した。 主な原因は個人消費の低迷と住宅価格の大幅下落であるが、弱い個人消費はGDPの翌日発表された1月小売売上高前月比+0.1%(予想+0.3%、前回-0.4%)にも表れており、金利先安観が強まり豪ドルを一時70セント近辺、77円台後半まで押し下げた。
豪ドルは年初来Brexit・欧州懸念や米中摩擦など外的要因から軟調を継続し、米中通商協議への期待で一時反発したが、ここにきて今度は国内景気要因が不安材料となっている。
内外の懸念材料を抱えて足元は軟調推移が予想される。
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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