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侍FXディーラー今週の相場見通し(27 May 2019)

<主なイベント>

5/27(月)黒田日銀総裁講演、日米首脳会談、米国メモリアルデー休場
28(火)米5月消費者信頼感、EU首脳会談
29(水)黒田日銀総裁挨拶、カナダ中銀理事会
30(木)米Q1GDP(改定値)、米4月中古住宅販売、クラリダFRB副議長講演
31(金)日本4月失業率、中国5月製造業PMI、米4月個人所得収支
6/1(土)中国米国からの輸入品600億ドル相当の輸入関税引き上げ

<マーケットの焦点>

先週も米国のファーウエイへの輸出禁止を巡る両国の非難の応酬が続いた。
中国外務省は「米国は国家権力を使って特定の企業を圧迫している」と非難し、米国は「ファーウエイは中国政府と連携していないと嘘をついている」と応戦しており、“米中ハイテク冷戦”が長期化するとの見方が出ている。
また米国がイラン情勢に鑑みて中東に5000人規模の追加派兵を検討中と報じられた。
メイ首相は6/7をもって党首辞任を明言し、後任の離脱強固派ジョンソン元外務相の優勢が報じられ、合意なき離脱懸念が再び高まりつつある。
このように既存リスク要因の更なる悪化観測が高まったことから主要国の株価は軟調に転じ、米債利回り低下、原油価格は58ドル台に下落し、ドル円相場は109円台前半まで値を下げるなど、典型的なリスク回避の動きが活発化した。
週末トランプ大統領が令和の国賓第一号として来日し、週末はゴルフ、大相撲観戦、居酒屋での“もてなし”などドナルド・晋三の蜜月ぶりを印象付けた。
本日の日米首脳会談においては通商問題や北朝鮮情勢など広範囲の話合いがなされるが、トランプ大統領は安倍政権の夏の総選挙に配慮して「貿易交渉は選挙まで待つ」と発言。安倍政権に“貸し”を作った形だが、支持基盤である米国農家に向けて“将来の大きな成果”を明言するなど、日米通商交渉そのものは懸案の自動車を含めてタフな交渉が予想される。
先週金曜日にロス商務長官は「通貨政策で輸出を後押ししている国々に対して相殺関税を実施する」と述べて、貿易黒字国をけん制している。
Brexit関連では上記のメイ首相辞任後の後任に強固派ジョンソン氏を含めて8人が既に出馬を表明するなど混迷が予想されるが、10/31の離脱期限に向けて「合意なき離脱」の有無が最大の焦点であろう。
その他欧州情勢では開票が進む欧州議会選挙の結果が気になるが、出口調査では仏の国民連合や伊の右派同盟など欧州懐疑派の反EU勢力拡大が著しい一方、従来過半数を占めていた中道二会派は過半数に届かない見通しであり、新たに欧州政局もリスク要因となる可能性がある。
日米首脳の友好ムードで日米通商交渉に楽観的な見方が出ているが、リスク回避相場に逆戻りする材料には事欠かないのが実情だ。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―やや下げ止まり感あるが、依然下方リスクがある

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6866-0.6934 AUDYEN 75.39-76.39

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6800-0.7000 AUDYEN 74.50-77.50

 

先週の豪ドルは総選挙における与党保守連合の予想外の勝利をはやした豪ドル買いも続かず、米国のファーウエイへの禁輸措置や根強い金利先安観を受けて68セント台半ば、75円台前半まで下値をテストした。
ただリスク回避の売り一巡後は、押し目買いも見られて年初来のキーレベルを割り込む動きには至っていない。
足元は米中ハイテク冷戦の行方や欧州議会選挙の結果などを見ながらリスク回避の動きには要注意であろう。主要国の株価動向が気になるところ。
また7/2のRBA理事会における利下げを市場は既に100%織り込みつつあるが、6/4のRBA理事会についても利下げ観測が高まる可能性にも留意したい。
WESTPACは今年3回の利下げが行われて11月にはキャッシュレートは0.75%まで下がっているというハト派的見解だ。
筆者は「RBAが来年に向けて金利を据え置きするとの見解」であるが、むしろ“少数派”と言えるだろう。
豪ドルは依然として下方リスクが高いと考える。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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