＜主なイベント＞

6/17（月）4月対米証券投資、6月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米USTR対中関税計画巡る公聴会
18（火）6月政府月例報告、6月ZEW景況指数、米5月住宅着工件数、英保守党下院党首選第二回投票
19（水）日本5月貿易収支、英5月CPI、英保守党下院党首選第三回投票、FOMC
20（木）日銀政策会合、英中銀理事会、ECB経済報告、米Q1経常収支、米5月景気先行指数、英保守党党首選第四回投票、EU首脳会議、米加首脳会談
21（金）日本5月CPI、米5月中古住宅販売ブレイナードFRB理事講演

＜マーケットの焦点＞
先週主要国の株価は総じて堅調で、ドルインデックスもやや反発した。
ドル円は108円台を維持する一方、ポンドは1.25台、ユーロ1.12台など欧州通貨は軟調推移した。
先週も種々の事件が起きているが、市場もリスク慣れしており、むしろリスク回避の動きは限定的であったとの印象だ。
米中摩擦では歩み寄りは見られなかったが月末のG20サミットに向けては悲観楽観、思惑が交錯した。
香港の逃亡犯条例改正に反対する大規模な抗議活動が発生し依然混乱が続いている。
一方ホルムズ海峡では複数のタンカー攻撃事件が発生し、米国はイランの責任を非難し、イランは強く否定するなど再び中東の緊張が高まっている。
また英保守党の党首選第一回投票が行われ、予想通りに離脱強固派のボリス・ジョンソン元外相が最大の支持率を獲得した。
今週も市場を取り巻く材料に大きな変化はなく、米中関係は月末G20での米中首脳会談の有無が焦点となるだろう。首脳会談が確約されれば米中摩擦に対する悲観的観測が後退する可能性がある。
一方英保守党の党首選は今週も第四回投票まで行われる予定で党首が決定するが、投票前に「合意なき離脱を目指している訳ではない」と穏健発言をしていたジョンソン氏が党首に選出された後の言動を注視したい。
今週はFOMC、日銀会合、英中銀理事会など各国中銀理事会が開催されるが、特にFRBの利下げ観測が高まっているだけに、FOMCにおいて市場の憶測通りに“7月利下げ”に関する示唆があるかどうかが非常に注目される。
今年に入ってからの最大の相場変動要因は米中摩擦とBrexitであるが、1年の半分が過ぎようとしている中、英保守党党首選と月末G20サミットというイベントにより、この二大案件については年後半に向けての方向性が出てくると期待したい。
年前半は断続的に訪れる“リスク回避”の波と、その巻き戻しに相場は翻弄されたが、果たして年後半、リスク回避の動きが沈静化するのか？あるいは状況が更に悪化するのか？
注意深く見守っていきたい。

＜豪ドル相場＞

足元の豪ドル相場―再び軟調地合

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6861-0.6999 AUDYEN 74.48-75.92

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6800-0.7000 AUDYEN 73.50-76.50

先週の豪ドルはRBAによる利下げ後の買い戻し一巡後は再び上値重くなり、年初のフラッシュ・クラッシュ時（瞬間安値67セント台、71円台）を除いて、68セント台、74円台と年初来安値まで下落した。
米ドル高（主に対欧州通貨で）地合において「豪ドルは米ドルの受け皿」として欧州通貨にフォローして軟調となった。
一方RBAの追加利下げ観測は依然根強く金利格差面で豪ドルを押し下げた。
発表された5月企業景況感や6月WESTPAC消費者信頼感は何れも不冴えであったが、RBAによる利下げもむしろ景気先行き不安を助長した感があった。
ただ年初来安値を更新して新安値に下落するには、RBAの利下げ観測だけでは不十分であろう。
RBAの利下げ観測はやや“市場の思惑が先行し過ぎている”感があると考える。
豪ドル一段安となるのは、米中摩擦の更なる悪化やハードBrexitの思惑などから株価の調整が更に進みリスク回避相場となる場合であろう。そのような状況では外的要因からもRBAの利下げ観測も高まることになる。
係る環境悪化が回避される場合には、豪ドルは現在の底値圏を固めて、再度反発する可能性も出てくるだろう。

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