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今週の相場見通し(16 September 2019)

16 September 2019

<主なイベント>

9/16(月)日本休場(敬老の日)、中国8月鉱工業生産/小売売上高、中国首相・プーチン会談、ジョンソン首相・ユンケル欧州委員長会談、欧州議会本会議
17(火)独9月ZEW景況感指数、74回国連総会
18(水)日本8月貿易収支、英8月CPI、米8月住宅着工件数、FOMC
19(木)NZQ2GDP、豪州8月雇用統計、日本9月月例経済報告、日銀会合、BOE理事会、中銀理事会(台湾、インドネシア、南ア)、米8月景気先行指数、米8月中古住宅販売
20(金)日本8月CPI、アップル新型iPhone発売、ラグビーワールドカップ開催

<マーケットの焦点>
週末はサウジアラムコの石油施設が大規模攻撃を受け、イエメンが攻撃声明を出したが、ポンぺオ国務長官はイランが関与との認識を示した。中東地政学的リスクを受けて早朝のシド市場ではドル円が107円台半ばに下落し、株価下落で再びリスク回避の動きが見られた。
先週はリスク選好の動きが活発化した。
ドル円は108円台前半まで上昇し、NYダウは史上高値に迫る27,200台に値を上げた。
現在最大の世界経済へのリスクである米中貿易戦争に関して先週は両国に歩み寄りが見られた。中国が米国産品16品目について対抗関税から外し、米国は関税引き上げ期限(2,500億ドル分)の関税引き上げ期限の10/1から10/15に延長し、緊張が緩和した。
またトランプ大統領は中間層への減税計画を今後1年間に発表すると、明らかに来年の大統領選を意識した政策を打ち出しており、これ以上米中対立を激化させない可能性が高い。
またBrexitに関しては、合意なき離脱も辞さないジョンソン首相の国会休会などの強引な手法に対する与野党の批判が強まり、議会は合意なき離脱の阻止と3カ月の離脱期限の延長を可決し、ジョンソン首相も強固姿勢を軟化させた。
今週の焦点は何といっても9/17-18のFOMCだ。
先週の米中歩み寄りでFOMCへの思惑も変わってきた。今回は25bpの利下げに止まるだろう。ポイントは依然として「適切に行動」という文言が残され10月追加利下げが示唆されるか?因みに現在短期金利先物市場では10月の利下げを47.5%織り込む水準まで金利先安観が後退している。
今後米中の歩み寄りが進めば追加緩和期待が更に後退するだろう。
また本日ジョンソン首相はユンケル欧州委員長と会談するが、従来の「合意なき離脱も辞さない」との強固姿勢から「引き続き???Brexitで合意を得ることを望む(9/12)」に豹変しており、こちらもリスク要因として価値が薄れつつある。
足元ドル円は108円台を付けて市場ポジションがロングに傾いており、今朝のように“ロング落とし”が出るだろうが、上記からドル一段押し上げの可能性があるだろう。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調だが反落に要注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6837-0.6894 AUDYEN 73.03-74.49

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.6950 AUDYEN 72.50-75.50

豪ドルは先週米中関係の改善期待が急速に高まり68セント台後半、74円台半ばまで上昇し、9月上旬からの反発地合を維持した。
また今月のRBA理事会で予想された程ハト派色が示されなかったことから、金利先安観がやや後退していることも豪ドルをサポートした。
現在金利先物プライスは25pbの利下げを12月で100%織り込む水準だが、従来見られた来年年初の0.50%までの利下げは、100%は織り込んではいない。
先週発表された8月NAB企業信頼感・景況感と9月WESTPAC消費者信頼感は前週から悪化したが、米中摩擦が激化していた頃の要因も入っており、この2週間で市場センチメントは好転したと言っていいだろう。
ただ本日発表さた中国の8月鉱工業生産は4.4%(予想5.2%、前回4.8%)、小売売上高7.5%(予想7.9%、前回7.6%)と不冴えであり豪ドルはやや頭打ち。
今週の国内指標は木曜日の8月雇用統計。前回は就業者数が+4.1万人と非常に強く、その反動が懸念される。
足元の株高がリスク通貨豪ドルを押し上げているが、今週も米中関係の成り行きを注視したい。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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