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今週の相場見通し(21 October 2019)

21 October 2019

<主なイベント>

10/21(月)日本9月貿易収支、カナダ総選挙
22(火)即位礼正殿の儀(日本休場)、米9月中古住宅販売件数
23(水)米週間原油在庫、フェイスブックCEOリブラについて下院金融委員会で証言
24(木)韓国Q3GDP、トルコ中銀理事会、インドネシア中銀理事会、10月独・ユーロ圏製造業PMI速報値、ECB理事会、米9月耐久財受注、米9月新築住宅販売
25(金)ロシア中銀理事会、独10月ifo景況感種数
27(日)欧州冬時間移行、アルゼンチン大統領選挙

<マーケットの焦点>
先週主要国の株価はほぼ保合い、ドル円も108円台中心の動きとなったが、ポンドは前週の1.24台から1.29台に急伸し、ユーロも1.09台から1.11台に上昇するなど、欧州通貨高/円安/ドル安傾向が顕著となった。
米中通商問題は、前週に部分合意が成立したものの、週初に中国が著名前に更なる交渉を希望し一時暗雲が立ち込めたが、結局米国からの農産品購入を開始した模様であり、11月にチリで開催されるAPEC首脳会合で両首脳の署名がなされる運びだ。
一方英国のEU離脱問題は10/31の離脱期限を目前にして大揺れに揺れた。
10/17に英国とEUは新たな離脱案で合意したが、予想通り英議会では紛糾した。19日に労働党など野党議員などが採決留保の動議を提出して322-306で可決され採決は先送りされた。英国の法律は19日までに協定案が承認されない場合EUに離脱の延期を求めるよう定めており、ジョンソン首相は渋々書簡をEUに送付。週末に英紙タイムズは外交関係者情報として、EUは最大3カ月の期限延長を認める用意があり、再度の国民投票が行われる場合には、更に先送りする用意があると報じている。
その他ニュースでは15日IMFは世界経済見通しを発表したが今年の見通しを前回の3.2%から3.0%に下方修正し、主な原因は貿易摩擦とBrexitへの不透明感とした。
また米ペンス副大統領とポンぺオ国務大臣がトルコを訪問して交渉がもたれ、17日にはトルコ軍のシリア軍事作戦が停止した。
18日にはエアバスへの補助金問題に関して米国の対EU報復関税が発動されたが、EUもボーイング社の補助金に関してWTOの承認が下り次第対抗措置を講ずると宣言している。
今週の焦点はやはり大詰めを迎えたBrexit交渉の行方であり、振り出しに戻って再度の国民投票の可能性も視野に混戦必至だが、いずれにしてもゴールは近づいている。合意にあるなしにかかわらず、また離脱の有無にかかわらず、一旦決着がつけばBrexitは“過去の出来事”となる。
また米中交渉もまだ二転三転する可能性はあるが、繰り返しになるがトランプ・習双方にとって通商問題は自国経済回復のキーであり、このチャンスを無駄にはしないだろう。そして通商問題が前進すれば月末のFOMCで利下げが行われない可能性が再浮上するだろう。
引き続き市場には米中通商問題やBrexitに対する不透明感や悲観的見方が根強く、市場のリスク回避ムードが払しょくできない状態が今週も継続しそうだ。
ただ米、中、英国、EU、すべて自国、または自地域の景気減速懸念非常に大きく、“背に腹は代えられない”の実利主義が最悪の事態を回避させる方向に働くものと考える。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調地合だが反落には要注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6722-0.6856 AUDYEN 72.99-74.40

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.6900 AUDYEN 72.50-75.50

先週豪ドルは米中合意やBrexit合意への期待に加えて、発表された9月の失業率が再び5.2%に改善したことを好感して68 セント台半ば、74円台半ばまで上昇した。RBAは今後数四半期の雇用の悪化を予想しており、9月分は改善したが、今後ともクロスウオッチが必要があろう。
引き続き米中通商問題、米EU通商問題、Brexitなどの不透明感がある現状、豪ドルが上昇トレンドを取り戻したと判断するには時期尚早と言わざるを得ない。
9月の高値68セント台後半、74円台半ばという重要ポイントに差し掛かっているが、新高値をトライするには新たな支援材料が必要であろう。
豪州経済指標の次の焦点は30日(水)に発表予定のQ3CPIである。
 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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