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今週の相場見通し(2 December 2019)

2 December 2019

<主なイベント>

12/2(月)豪州10月住宅建設許可件数、中国11月財新製造業PMI、トルコQ3GDP、米11月ISM製造業景気指数、ラガルドECB総裁欧州議会で証言
3(火)豪州Q3経常収支、RBA理事会、韓国・ブラジル・南ア(Q3GDP)、NATO首脳会議(ロンドン、~4日)
4(水)豪州Q3GDP、中国11月財新サービス業PMI、カナダ中銀理事会、米11月ADP雇用者数、米11月ISM非製造業景気指数、ユーロ圏財務相会合、米下院司法委員会大統領弾劾調査の公聴会
5(木)豪州10月小売売上高/貿易収支、米10月貿易収支、EU財務相理事会、OPEC総会
6(金)米11月雇用統計、OPECプラス会合
7(土)中国11月外準備
8(日)中国11月貿易収支

<マーケットの焦点>

早いもので12月だ!!!
先週は米国が感謝祭休場で市場の活性度が落ちたが、米国はじめ周辺のカナダ、そして豪州、インドまで主要国の株価は史上高値を更新した。
米中通商交渉やBrexitはフィナーレが近づいているものの、未だ不透明感が漂う状況だが、市場の期待感は後退していないようだ。
そんな中、先週も重要な出来事がいくつか起きている。
米国では香港人権・民主主義法が成立し、中国は「著しい内政干渉、必ず報復する」と強く反発。ただトランプ大統領も「習主席と中国、香港市民に敬意を表して法案に署名した、本法は外交における大統領特権に沿って行う」とかなり中国側に気を使い、中国も「知財権侵害に対する罰則を強化、非関税障壁を引き下げる、貿易摩擦はおそらく解決するだろう」と、米国批判とは別に冷静な対応も見せている。
また先週は北朝鮮が今年になって13回目のミサイル発射実験を行い、安倍政権を強く非難し、米国に揺さぶりをかけている。
週末には総選挙を控えたロンドンで再びテロ事件が起こったが、これは2016年の国民投票前、2017年の総選挙前に続く三度目の凶行であり、英国の総選挙に影を落とした。
今週は米中通商交渉の成り行きや英総選挙前の世論調査が引き続き関心を集めるが、足元は米国の重要指標、特に11月ISMや雇用統計が注目される。
10月末のFOMC(今年3回目の利下げが行われた)で目先の追加観測は遠のいたが、足元の重要指標は今後の金融政策を占う上で注目される。
足元の米指標に対しては総じて強めの予想となっているが、結果次第で来週の年内最後のFOMCに対する見方も変わってくるだろう。
自分としては年内に米中通商交渉に一定の合意を見、そして英総選挙で保守党が勝利して予定通りに来年1月末の“合意離脱”となる、つまりリスク選好地合が年末に向けて続くと読んでいるが、開けてみるまで分からないのが相場、、、、

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―底堅い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6761-0.6799 AUDYEN 73.72-74.29

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.6900 AUDYEN 73.00-76.00

先週の豪ドルは米中通商協議の不透明感が続く中、対ドルでは67セント台後半で軟調推移する一方、対円ではドル円の堅調地合にサポートされて74円台前半に反発した。
今週はRBA理事会はじめ月初恒例の豪州経済指標ラッシュとなる。
水曜日にはQ3GDPが発表されるが前回の非常に弱い+1.4%から+1.6%にやや回復の予想となっている。
RBA理事会では金利据え置きが予想されるが、特に声明文を注視する必要があるだろう。
先週ロウ総裁は非伝統的手法である量的緩和(QE)やマイナス金利に対して否定的な見解を述べているが、一方豪銀WESTPACが来年6月の25 bp利下げと、年後半のQE開始を予想するなど、市場の金利先安観は依然根強い。
金利先物市場では来年5月で25 bpの利下げを100%、年末に更に25 bpの利下げを50%織り込む水準となっている。
本日発表された10月住宅建設許可件数は予想を下回る-8.1%(前年比-23.6%)と軟調で、また中国の財新製造業PMIは事前予想の+51.4に対して48.1と大きく期待を裏切ったが、豪ドルの反落は軽微にとどまっている。
あるいは年末恒例の来年度の資源輸出カバーの豪ドル手当て買い予約が既に出つつあるのかもしれない。
引き続き米中関係を注視しながら、足元のリスク選好地合が継続する場合には、豪ドルは年末にかけて堅調推移するものと予想する。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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