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今週の相場見通し (6 January 2020)

6 January 2020

<主なイベント>

2020/1/6(月)大発会、独/ユーロ圏12月非製造業PMI
7(火)ユーロ圏11月小売売上高、米11月ISM非製造業景気指数、米11月貿易収支
8(水)豪州11月住宅建設許可件数、米11月耐久財受注、米12月ADP雇用者数、世銀世界経済見通し
9(木)豪州11月貿易収支、クラリダFRB副議長講演、ウイリアムズNY連銀総裁講演
10(金)豪州11月小売売上高、米12月雇用統計

<マーケットの焦点>

昨年末は薄商いの中ドル安地合となり、ドル円は108円台に下落し、ユーロは1.12台、ポンドは1.32台に上昇して年越しとなった。年末のリスクオフの動きから、昨年初のフラッシュ・クラッシュpart2の思惑もあったがそれは不発に終わったのは、米中通商摩擦やBrexitに関して1年を経っていくらかの進展があったということであろう。
年初は昨年末のドル下落の反動もあり、ドルが対欧州通貨で堅調地合でスタートする中、3日にトランプ大統領指示によるイラン革命軍のソレイマニ司令官殺害のニュースが伝わり、イランのハメネイ師が報復を表明したことから一気にリスクオフの動きとなった。
ドル円は107円台に下落し、先週末NYダウは200ポイントを超す下落となった。
週末もトランプ大統領は「イランが報復する場合52か所を直ちに攻撃する」と発言し、イランはウラン濃縮活動のすべての制限を撤廃し、「報復の対象は米軍関連軍事施設」という声明を出しており、にわかに中東地政学的リスクが高まっている。
週明けドル円は一時107.77近辺に下落し、原油価格は63ドル台に上昇している。
先週トランプ大統領は「1/15に米中通商合意第一弾の署名を行う」と表明するなど、米中関係の改善を印象付けたが、一方今回のイラン司令官暗殺事件では中露は早くも米国を非難し、イラン支持の立場を表明しており、米中対立は“一難去ってまた一難”といったところ。
今週イベント的には早くも12月の米雇用統計が発表されるが、前回nfprは+26.6千人の大幅増加をみたが、今回の予想値は+16.8千人の増加と、依然として堅調な予想となっている。先週金曜日は地区連銀総裁(シカゴ、ダラス、リッチモンド、クリーブランド連銀)の講演が相次いだが、総じて米景気の堅調さと足元のFRBの金融スタンスの妥当性を述べていた。12月の製造業ISMは弱かったが果たして雇用はどうか?
中東地政学的懸念が高まる中、リスクオフの円買いが継続するか、あるいは堅調な米経済指標にサポートされてドル買いが優勢となるか?

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―上値重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6930-0.7032 AUDYEN 74.85-76.51

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6850-0.7050 AUDYEN 74.00-77.00

先週豪ドルは年末に向けての資源会社の輸出予約の手当て買いもあり70セント台、76円台に上昇したが、年明けは豪ドル買い需要一巡に伴う調整売り戻しが先行し反落した。
週末のイラン司令官暗殺事件による地政学的懸念の高まりから原油が上昇する一方、株価下落のリスクオフ相場となる中、週初は69セント台半ば、75円を挟む展開で軟調推移している。
米中通商協議での第一弾合意を受けて昨年末にかけて7月以来の高値に反発した豪ドルであるが、70セント台、77円台といった上値レジスタンスに上昇を阻まれた形だ。
米中関係改善という好材料をもってしても上値ブレークに失敗し、加えて中東の地政学的懸念が新たに加わったわけで、足元再び軟調推移が予想される。
なお今週は、11月の住宅建設許可件数、貿易収支、小売売上高など主要指標が発表される。
昨年Q3には1.7%まで減速した豪州経済であるが今年のGDP予想は2.2%程度まで緩やかな回復が予想されている。
今年RBA理事会は2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、10月、11月、12月と10回開催されるが、昨年再開された金融緩和が今年も継続するのか、あるいはある時点で利上げ観測が出るのか注目される。(筆者の予想は後者)。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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