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今週の相場見通し(3 February 2020)

3 February 2020

<主なイベント>

2/3(月)豪州12月住宅建設許可件数、中国市場取引再開予定、中国1月財新製造業PMI、米1月ISM製造業景気指数、米大統領選アイオワ州党集会(民主・共和)
4(火)RBA理事会、米12月製造業受注、トランプ大統領一般教書演説
5(水)中国1月中国1月財新サービス業PMI、米12月貿易収支、米1月ADP雇用者数、米1月ISM非製造業景気指数
6(木)豪州12月貿易収支・小売売上高、米1月チャレンジャー人員削減数、ラガルドECB総裁講演
7(金)RGA四半期金融政策報告書、中国1月貿易収支、米1月雇用統計、民主党候補者討論会

マーケットの焦点>

先週は新型ウィルス被害拡大とともに市場はリスクオフとなり、主要国の株価は軒並み前週末比で700ポイント前後下落し、ドル円も高値109円台前半から108円台前半に下落した。
BOE理事会で一部予想された利下げがなかったことなどからポンドは1.31台に、またユーロも1.10台後半に反発するなどドルが全般的に軟調推移した。
新型ウィルス被害は今朝の段階で感染者17千人以上、死者361人と感染被害は既に2002-2003年のSars被害を上回っている。
本日休場明けの上海市場では株価が春節前のレベルから240ポイント程度大幅安でオープンしているが、週末に中国人民銀行が1.2兆元に上る資金供給を発表していることや、中国当局の“空売り禁止指導”の影響もあり、ここまで市場はパニックに陥らず、ドル円もむしろ108.50近辺に反発している。
ただ感染被害拡大は未だ阻止されておらず、中国湖南省では新たに鳥インフルエンザ被害が報告されるなど、ウィルス被害の終息の目途が立つまでリスクオフの動きが続くだろう。
今週は中国1月財新PMIや貿易収支の発表があるが、ウィルス被害の影響前の数字であり、ウィルス被害から中国のQ1GDPは5%を割り込むとの試算も出ている。
英国は先月末でEUを離脱したが、ジョンソン首相は早くも「EUとの通商交渉で望む内容が得られなければ交渉を打ち切る」と発言してEU側をけん制している。
また2/17には日本のQ4GDPが発表されるが昨年10月の消費増税や台風被害などを受けてGDPはマイナスに落ち込むとの予想が出ている。
米国サイドでは今週は本日の米アイオワ州党員集会(共和・民主とも)で米大統領選候補者選びの火ぶたが切って落とされる。
また今週は1月の米ISMと雇用統計が発表されるが、ライバル国中国の“敵失”とも言えるウィルス禍にあって、相対的に米国の景況感が評価される状況か。
依然としてリスクオフ地合にあって、“リスク回避の円買い”の法則が順守されるうちはドル円の下値余地があるだろう。日本売り=円売りの嵐が来る気配はまだない。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―足元軟調推移

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6688-0.6817 AUDYEN 72.44-74.31

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6800 AUDYEN 71.50-74.50

1月豪ドルは長引く森林火災に加えて中国発の新型ウィルス禍の被害拡大を受けて、67セント割れ、72円台半ばまで下落した。
豪ドルドルは米中摩擦による昨年10月の安値0.6671の一歩手前だが、これは2008年のリーマンショックで0.6008まで下落した後の回復局面である2009年4月以来の安値だ。
豪ドル円は前回の安値昨年8月の69.96があるが、それ以前は2009年4月のリーマンショックからの回復局面(リーマンショック時の安値は55.07)ということになる。
つまり豪ドルは昨年来の米中貿易摩擦は一服したものの、長引く大規模森林火災に加えて中国発の新型ウィルス禍という大きな売り材料にさらされているということだ。
特に新型ウィルス禍は未だ拡大局面であり、中国経済の大幅減速懸念は再び世界経済先行き不安となって豪ドルを下押しする。
明日のRBA理事会での利下げ観測は、最近発表された12月雇用統計や11月小売売上高の堅調さを反映して確率20%程度に落ちているが、ウィルス禍が予想を上回る大規模化していることもあり、市場の不安心理を和らげるために利下げがあってもおかしくないだろう。また金曜日にRBAの四半期金融政策報告書が発表されるが、11月段階での景気回復予測が再び下向きとなるか注目したい。
森林火災もウィルス禍もいずれ終息することは間違いないが、その兆しが見えるまでは“リスク回避的な豪ドル売り”も継続する可能性がある。
下値ターゲットは既に豪ドルドルが現レベルの69セント台後半、豪ドル円は72.00その下のメジャーサポート70.00ということになるが、市場がかなりOversold(売られ過ぎ)状態になっていることには留意したい。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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