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今週の相場見通しby Joe (15 June 2020)

15 June 2020

◎<主なイベント>

6/15(月)中国5月鉱工業生産・小売売上高、ジョンソン英首相・フォンデアライエン欧州委員長会談、6月NY連銀製造業景気指数
16(火)日銀会合、英国5月失業率、独6月ZEW景況感指数、米5月小売売上高/鉱工業資産、パウエル議長半期に一度の議会証言(上院銀行委員会)、OPEC月報
17(水)5月訪日外客数、ロシアQ1GDP、ブラジル中銀理事会、パウエル議長半期に一度の議会証言(下院金融委員会)
18(木)東京都知事選告示、NZQ1GDP、豪州5月雇用統計、ECB経済報告、BOE理事会、5月米景気先行指数、米新規失業保険申請件数、OPECプラス共同閣僚監視委員会開催
19(金)日本5月CPI、ロシア中銀理事会、EU首脳会議、米Q1経常収支、米大統領選選挙集会再開、パウエル議長ビデオ会議参加

◎マーケットの焦点>

先週株式市場は大荒れとなった。
NYダウはコロナ禍以降の高値27.500ドル台、ナスダックは史上高値10,000ドル台を付けた後、木曜日にはNYダウは史上4番目の1,861ドル、ナスダックも500ドル以上下落した。金曜日には買戻しが入ったものの前週末比ではマイナス圏で終えた。
3月クラッシュ以降の急激な買戻しへの調整であるが、直接の原因は欧米はじめ主要国の感染第二波への懸念があり、またFOMCのでのハト派姿勢が景気回復期待に水を差した。
スタッフの大方が米国のゼロ金利が2022年末まで続くと予想し、パウエル議長がパンデミックが長期的に悪影響を与える可能性を指摘するなど総じてFOMCがハト派トーンの強いものとなった。
その他、米中対立や豪中対立に改善の兆しなく、また英国とEUの貿易交渉不調や北朝鮮が韓国の脱北者団体が金委員長を批判するビラを北に飛ばしたことに対して軍事的な対抗措置を取ると警告するなど、再びリスクオフ材料が目立った。
為替市場ではそれまでのリスクオンのドル安・円安地合からリスクオフのドル高・円高/欧州通貨・資源通貨安となった。
今週はこれらのリスクオフ材料の推移を見ながら、パウエル議長の半期に一度の議会証言が注目される。
特に感染第二波の状況次第では各国の経済再開の動きも見直される可能性がある。またパウエル議長は議会証言でも先週のFOMCで見せた慎重姿勢を繰り返すだろう。景気回復期待で一時急上昇した債券利回りを鎮めるためのYCC(イールドカーブ・コントロール)にも言及するか?
ドル円は一時の106円台から107円台半ばに反発したが、「リスクオフのドル買いと、リスクオフの円買い」に挟まれて再び107円台で方向性のない取引となりそうだが、足元は106円台に続落か?再び110円台に向けて上昇か?の岐路に差し掛かっている。
ただ日本の貿易黒字大幅減少(円買い圧力の後退)に加えて景況感の悪化からの脱却が容易ではないことから「安全通貨“円”神話」が崩れ、徐々に円安傾向が顕著になると考える。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―再び上値の重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6799-0.7064 AUDYEN 72.54-76.78
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6950 AUDYEN 72.00-75.00

先週の豪ドルはメジャーレジスタンスの70セント台、76円台をブレイクできず一時68セント割れ72円台半ばまで反落した。
豪中摩擦に改善の兆しがないことも豪ドル調整売りを誘った。
豪政府が新型コロナウィルスの発生源に関する独立調査を呼びかけたことに中国が強く反発し、豪州産牛肉の輸入制限と大麦に追加関税を課した上で「コロナウィルス感染を巡る人種差別と暴力」を理由に中国国民に豪州への渡航自粛を勧告した。
これに対してモリソン政権も「中国の脅しには屈しない」と対抗姿勢を強めている。
また中国の感染第二波への警戒が強まっていることも、中国と貿易関係の深い豪州やNZ経済への影響が懸念され、資源通貨売りにつながっている。
ただ先週発表された5月のNAB企業信頼感・景況感や6月WESTPAC消費者信頼感は、早くも前月から立ち直りの兆しを見せており、“6月景気最悪説”を見直す動きも出ている。
豪ドルは3月の急落から、一時景気回復期待先行で大きく買い戻されたが、買戻しも一服でいわば“底値と天井”を確認した形だ。
ここからは押し目買いと戻り売りが交錯した揉み合い相場が暫く継続しそうだ。

―読者各位―

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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