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今週の相場見通し by Joe (22 June 2020)

22 June 2020

◎<主なイベント>

6/22(月)6月ユーロ圏消費者信頼感(速報値)、5月米中古住宅販売件数、アップル世界開発者会議、ASEAN首脳会議(~30日)
23(火)独・ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)、米5月新築住宅販売件数、ボルトン前大統領補佐官回顧録発売予定
24(水)NZ準備銀行理事会、タイ中銀理事会、独6月ifo景況感指数、IMF世界経済見通し公表
25(木)中国・香港端午節休場、フィリピン中銀理事会、米Q1GDP(確報値)、FRB大手金融機関ストレステスト結果、米新規失業保険申請件数
26(金)中国端午節休場、米5月個人所得収支

◎マーケットの焦点>

先週株式市場は主要国の経済活動再開を受けた期待で前週の大幅下落から回復基調となり、一方為替市場では前週までの欧州通貨買い/ドル売りに調整が入り、ドル相場がリバウンドする一方、ドル円や円クロスは軟調推移。
総じて株価反発で原油価格も前週の34ドル台から一時40ドル台を回復するなどリスク選好地合が戻りつつあった。
ただ、世界の感染者数は900万人に達しようとし、死者数も46万人を上回る。
感染第二波懸念が拡大しつつあり、米国では最大の被害州NY州の感染拡大が下火となる一方、フロリダ州や中西部での感染はむしろ拡大傾向だ。
また感染100万人を突破したブラジル(世界で第二位の感染規模)、ペルー、チリなど南米諸国の感染が急激に拡大し、インド、中東、そして独や中国での第二波懸念が高まっており、テドロスWHO事務局長は「パンデミックは加速している」と懸念を表明した。
コロナ以外でも多くの懸念事項が発生している。
6/15夜には中印国境の係争地で軍が衝突し、印兵士20人が死亡した。
6/16には北朝鮮が開城(ケソン)工業団地内にある何北連絡事務所を爆破し両国間の緊張が高まった。
トランンプ大統領の健康不安説が流れる一方、同大統領は「中国はウィルスの拡散を促した可能性、中国とのデカップリング(断交)という選択肢は維持している」と豪語した。選挙集会を再開させたが、反対派のフェイクの参加申し込みもあった模様で会場の空席が目立ったとのこと。
19日時点の米政治サイト、リアル・クリア・ポリティクス調査ではトランプ支持率41.3%、バイデン支持率50.1%とその差は今年最大に広がっている。
また先週は日銀金融政策会合、パウエル議長議会証言、BOE理事会などの金融イベントが多かったが、主要国中銀は総じて金融緩和の更なる加速を示し市場に安心感を与えた部分はあった。
FRBは社債購入開始を発表し、日銀や英中銀の債券購入拡大も株価を下支えした。トランプ政権は1兆ドル規模のインフラ支出計画を発表し、英国とEUの首脳は通商交渉で集中協議を行うことに合意するなど好材料も見受けられた。
週末には中国が米国農産物の輸入を強化する方針とブルンバーグが伝えたが、中国外務省は「米農産物購入に関する情報はない」と述べて得意の揺さぶり戦術だ。
感染第二波懸念や米国での差別抗議デモの行方などのリスクがある一方、経済再開のより景気落ち込みの最悪のシナリオが回避されるとの期待感が株価をサポートするだろう。
足元のドル堅調地合は前週までのoversoldの調整であろうが、ここから先は大規模なリスクオフ、逆にリスクオンとなればドル続伸が予想される。
その中間は相変わらずの揉み合い相場で、むしろユーロやポンドなど欧州通貨独自の材料による欧州通貨の動向が相場の方向性を決する可能性が高いだろう。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―再び上値の重い展開

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6776-0.6976 AUDYEN 72.64-75.09
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.7000 AUDYEN 72.00-75.00

先週の豪ドルは週初前週の下落の調整買い戻し強まり、一時70セント台手前、75円台前半まで反発したが、週末にかけては68セント台前半、73円割れに反落した。
中国北京市での感染第二波懸念が高まったことも豪ドルの重石となった。
また依然として豪中対立の解決の糸口は見つかっていない。
豪ドルは70セント、75円が上値レジスタンスとなる一方、68セント割れ、73円割れでは押し目買いも出回る状況で、暫く現レベル中心の揉み合いとなる見通しだ。
特に感染第二波の動向と豪中関係の進捗を注視したい。

 

―読者各位―

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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