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今週の相場見通しby Joe (6 July 2020)

6 July 2020

◎<主なイベント>

7/6(月)ユーロ圏5月小売売上高、米6月ISM非製造業景気指数
7(火)日本5月景気動向指数、RBA理事会、マレーシア中銀理事会、米5月求人件数、SF連銀/リッチモンド連銀総裁講演
8(水)日本5月貿易収支、日本6月景気ウオッチャー調査
9(木)黒田総裁挨拶(日銀地域経済報告)、中国5月CPI/PPI、ユーロ圏財務相会合、米新規失業保険申請件数
10(金)カナダ6月雇用統計、米6月PPI、シンガポール総選挙、EU財務相理事会

◎マーケットの焦点>

先週も新型コロナウィルス感染第二波懸念と経済再開期待が交錯する不安定な市場が継続した。感染者は世界で1,000万人を突破し、死者は50万人に達した。
しかし結果的に主要国の株価は上昇し(日経平均は反落)、リスク選好地合となった。特にNasdaqは10,300ドル台に史上高値を更新した。
火曜日に中国全人代常務委員会は香港国家安全法を可決し、反対派の抗議活動で300人以上が逮捕される事態となった。
米議会は香港国家安全法を巡る中国制裁法案を可決し、中国は報復発表を行った。
ジョンソン英首相は「同法は香港返還時の共同宣言に違反する」として強い懸念を表明し、ポンぺオ国務長官は非難声明を発表した。また欧州理事会議長や菅官房長官も遺憾の意を表明した。
一方、ロシアにおける憲法改正に関する国民投票の結果、賛成派が圧倒的多数となったが、改正案にはプーチン政権の最長2036年までの続投も含まれ、更なるプーチン長期政権への道が開かれた。
木曜日に発表された米国6月雇用統計は失業率11.1%(予想12.5%)、nfpr +480万人(予想+300万人)と強い結果となったが、ドルの上値も限定的であった。
感染第二波懸念や再度のロックダウンの可能性を市場は先読みしているかのようであった。
今週も不安と期待の交錯した神経質な展開が継続するだろう。
大半の国はコロナ禍による甚大な被害を抱えており、感染発症国であることに加えて、反民主主義的な中国の対香港政策が更に各国の対中感情を悪化させる可能性がある。
非難の急先鋒はもちろん米国だが、トランプ政権は自身の支持率低下の原因を中国問題と位置付けている。選挙まで4カ月足らずとなり、コロナ、香港問題、貿易交渉の全てにおいて中国を非難し、徹底抗戦の構えだ。ただ中国も後がないトランプ政権の足元を見ており、簡単に妥協はしないだろう。対中関係は主要国の政治的思惑や米大統領選が絡んで、いよいよ複雑化の様相だ。
更に今週はユーロ圏財務相会談とEU財務相理事会が開催されるが、7/17-18のEU首脳会議で復興基金が合意されるための地ならしに前進できるか?
財政に余裕がありかつコロナ被害が然程ではないオランダ、オーストリア、デンマーク、スウエーデンは基金を返済不要ではなく融資形式すべきとて、然反対している。結局財政赤字国の債務肩代わりを懸念しているためだ。
今週の財務相会合・理事会で合意に対する悲観的な見方が強まれば、ユーロ下落の可能性があるだろう。
トランプ政権の存在は株式・為替相場への長期的影響はないと考えるが、独立記念日における「国内の分断を助長するかのような発言」を聞くにつけ、その言動が“相場かく乱要因”として短期的に影響する可能性はあるだろう。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―再びややブルセンチメント

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6832-0.6952 AUDYEN 73.34-74.70
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.7050 AUDYEN 72.50-75.50

先週豪ドルはリスク選好的な市場のセンチメントや国内経済再開期待、更には発表された中国6月PMIが総じて予想を上回ったことを好感して69セント台半ば、74円台後半という高値圏で越週した。
再び6月の強固なレジスタンスであった70セント台、75円台を目指す可能性があるが、ビクトリア州の郊外を再度ロックダウンするなど、国内でも第二波懸念が高まりつつある。また香港国家安全法成立に伴い、モリソン政権は香港市民への「避難場所」提供を検討しており、実際に実施されれば更に中国当局の反発を買うことは必至であろう。
またEU復興基金合意に向けた今週のユーロ圏財務相会談並びにEU財務相理事会で合意への期待が後退すればユーロ反落の可能性もある点も注視する必要があるだろう。(豪ドルは欧州通貨、特にユーロとの連動性が高い)
豪ドルは現在ネガティブ材料にあまり反応せず堅調推移しているが、市場の豪ドル売りポジションも大きく減少しており、調整反落の可能性が否定できない。

―読者各位―

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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