at_money_service
マネー

今週の相場見通しby Joe (31 August 2020)

31 August 2020

◎<主なイベント>

8/31(月)日本7月小売売上高/鉱工業生産、中国8月製造業/非製造業PMI、インドQ2GDP、英国バンクホリデー休場
9/1(火)豪州Q2経常収支/7月住宅建設許可件数、日本7月雇用統計、RBA理事会、中国8月財新製造業PMI、ブラジルQ2GDP。独/ユーロ圏8月失業率、米8月ISM製造業景気指数
2(水)豪州Q2GDP、米8月ADP雇用者数、FEDベージュブック
3(水)豪州7月貿易収支、中国8月財新サービス業PMI、米7月貿易収支、米8月ISM非製造業景気指数、新規失業保険申請件数
4(金)豪州7月小売売上高、米8月雇用統計

◎マーケットの焦点>

世界の新型コロナウィルス感染者数は25百万人を突破し(内16.5百万人が回復)、死者数は84.5万人に達している。
米国の感染者数は6百万人に迫り、死者は18万人を超えるが、2位ブラジル、3位インドの被害拡大もハイスペースだ。
係る中、先週米カンザスシティー連銀主催年次シンポジウム(ジャクソンホール会合~28日)で行われたパウエル議長の講演で、同議長は長期間の低金利を維持する方針と、一時的に2%超の物価上昇を容認する姿勢を示した。
主要国株価は堅調地合を維持し、特に米S&P500やナスダックは連日史上高値を更新した。
ドルはパウエル議長発言直後に下落したが、その後は急反発し、週末には再び反落するなど乱高下した。
特に金曜日に安倍首相が健康を理由に辞意を表明すると、直後日経平均は大幅下落しリスクオフの円買いの動きが活発化。
結局金曜日にドル円は106円台後半から105円台前半に大幅下落し、ユーロ1.19台、ポンド1.33台、豪ドル73セント台に上昇するなど、再び“ドル全面安”となって先週の取り引きを終えた。
先週も欧州通貨高に始まり、週末に安倍首相辞任の報を受けて円高に飛び火するなど、「スパイラルなドル安の流れ」に戻ったが、安倍首相の健康問題は周知の事実であり、残すところ1年での辞任が差してインパクトを持つとも思えない。
つまり前例のないコロナ禍の状況下、日本の経済政策・金融政策の枠組みの大きな変更は誰が首相になろうが変わりようがないということだ。したがって先週見られた“ドル全面安”を合理的に説明しがたいということだ。
事実パウエル議長の“一時的なインフレ高進許容発言”後は市場のインフィレ期待の高まりを反映して米債利回りは上昇した(10年債利回り0.734%)。今週金曜日に発表される米8月失業率は、予想が9.8%と早くも10%を割り込む予想だが、節目の10%を割れば再び米景気回復期待が高まるだろう。
加えて低金利長期化から来る株価上昇期待は依然高く、係るリスク選好地合が9月以降も続くのであれば、目先のドル相場は「売られ過ぎ」と言わざるを得ない。
ユーロ、ポンド、豪ドルなどドル以外の通貨の「買われ過ぎ」状態を勘案すれば、いかにもドルの割り安感が際立つ。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―依然ブルセンチメントだが反落に要注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7150-0.7368 AUDYEN 75.72-77.96
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7150-0.7450 AUDYEN 76.00-79.00

豪ドルは対ドル、対円共に今年の高値圏である73セント台後半、77円台後半まで続伸した。
ドル全面安地合の中、株価や商品相場の堅調というリスクオン地合にあってメジャーレジスタンスをブレイクした形だ。
ただ本日は中国が豪州産ワインで新たにダンピング調査を開始するとの報でやや反落した。
一方ビクトリア州の感染第二波は新規感染者こそやや下火だが、昨日の新規死者数は41人と過去最高となり、まだ予断を許さない状況だ。
今週はRBA理事会(金利は0.25%で据え置き予想)はじめ、Q2GDP、7月小売売上高/貿易収支/住宅建設許可など主要指標が発表される。Q2GDPの予想値は前期比-6%と悪化するが市場は織り込み済だろう。また7月の諸指標もそこそこ堅調(リバウンド)が予想される。ただ政府やRBAの懸念は8月以降拡大した感染第二波の影響であろう。
豪ドルは現在高値圏において続伸する可能性がある一方、日足のRSIも70%を超えるなどoverbought状態となっており、足元利食い売りと新たな買いが交錯する荒っぽい展開が予想される。

―読者各位―

◎小職の為替メルマガ「侍FXディーラーが相場を切る!」(創刊以来10年)を人気メルマガサイトFOOMII社」からお届けしています。
6月、7月と実施しました「メルマガ無料体験」も多くのご参加を頂きました。今後ともよろしくお願いいたします。(詳しくはFOOMII社のサイト:https://foomii.com/magazines/をご覧ください。
◎ジョーのTWITTERフォローしてください!!
@joetsudaFX
 です。相場の話など意見交換しましょう!!

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら

マネー

29 January 2024 ◎<ポイント> 今週はFOMCに米雇用統計 ・先週は米株(NYダウ、S & P 500)が史上高値を更新!! …