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今週の相場見通し by Joe (23 November 2020)

23 November 2020

◎<主なイベント>

11/23(月)勤労感謝の日休場、独/ユーロ圏11月製造業PMI、米11月製造業PMI
24(火)黒田日銀総裁講演、独11月ifo景況感指数、中国王毅外相来日(~25日)
25(水)月間経済報告、米Q3GDP(改定値)、米10月個人所得収支、FOMC議事録、香港行政長官施政方針演説
26(木)独12月GFK消費者信頼感、米感謝祭休場
27(金)中国10月工業企業利益、米株式債券市場短縮取引、米ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日で感謝祭特売日)

◎<マーケットの焦点>

先週は全般的にリスク回避ムードが優勢であった。ただ株価はNYダウこそ前週末から200ドルほど反落したが、ナスダックはじめ他の主要国は小幅反発しているのは、決定的なリスクオフ地合にもなっていないということか。
今週もコロナ関連、米大統領選の行方、そしてBrexitが三大テーマである。
コロナ感染者数は止まるところなく全世界で58百万人を超え(内37百万人は回復)、死者数は1.35百万人に達した。特に米国は感染者数が12百万人を超え死者数も25万人に達している。
一方先週はモデルナやファイザーのワクチン治験最終結果が出ていずれも95%前後の有効性が確認され、ワクチン期待が高まった。ただワクチンが緊急承認されたとしても世界中への普及には時間がかかり、足元の拡大懸念を一蹴するものではない。CNNはホワイトハウスが12/11にもワクチン接種を開始する見通しを伝えているがなお成り行きを見守る必要がある。
米大統領選は更に混迷。ペンシルベニア州が約700万票の郵送投票無効の訴えを退けトランプ敗退の観測が強まるが、同大統領は一向に敗退を認めていない。
トランプ陣営は法廷闘争と再集計要請で12/8の選挙結果の最終確定期限や12/14の選挙人投票を遅らせ、来年1月の下院決選投票に持ち込む算段と言われるが、今後も訴え棄却が増えるようであれば、トランプの窮余の一策も困難であろう。
トランプ大統領の去就が注目される。
更にBrexitに関しては先週英国とEUの通商合意が今週(早ければ本日)発表される可能性が報じられたが、その進展を注視したい。いずれにしてもBrexitに市場が注目するのもあと1ヵ月あまりだ!!(清々する―笑)
相変わらず現在ドル指数は92.23と非常に弱い。リスク選好のドル売りなのか、“意味不明に時々訪れるドル円下落”なのか?判然としないが、三大懸案事項の成り行き次第では、相場の景色もガラッと変わる可能性には留意したい。
今現在は相場の動向よりも“歴史的最大イベントに注目”である。相場はその後について来る。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―上値やや重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7254-0.7339 AUDYEN 75.40-76.77
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7100-0.7400 AUDYEN 74.00-77.00

先週豪ドルは月曜日のモデルナのワクチン有望報道で73セント台前半、76円台後半の高値を付けたが、その後は主要国の株価反落・リスクオフの流れの中、72セント台半ば、75円台半ばまで下落し、今週は73セント台前半、75円台後半にやや反発している。
先週発表された豪州10月雇用統計は、就業者数+17.88万人(予想-3.0万人、前回-4.25万人)、失業率7.0%(予想7.1%、前回 6.9%)と予想を上回ったが豪ドルの上げも一時的であった。今年1~10月の総就業者数は依然21.93万人の減少であり、また11月以降再び悪化するとの観測もある。
先週月曜日にロウ総裁は「インフレ抑制より雇用創出が大きな課題」、「世界の中銀がマイナス金利に向かう場合再検討」などと引き続きハト派的な発言をしている。ANZ銀行は今後もRBAがターム物調達ファシリティ(TFF)や量的緩和拡大を継続すると予想している。
またバイデン政権になっても米中の急速な歩みよりの可能性は低く先週も中国はファイブアイズ(米国、英国、カナダ、豪州、NZ)による、香港議員の資格はく奪への懸念表明に対して抗議声明を出すなど、豪中関係改善も容易ではない。
上記のように三大懸案事項共に煮詰まりつつあるが、それらが豪ドル相場にどのような影響を与えるか?
毎年恒例の“年末の鉱山輸出業者の来年度の予約(豪ドル買い)”が係るコロナ禍でどの程度出るか?も注目事項である。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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