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今週の相場見通しby Joe (30 November 2020)

30 November 2020

◎<主なイベント>

11/30(月)中国11月製造業/サービス業PMI、ラガルドECB総裁講演、ユーロ圏財務相会合(オンライン)、OPEC総会(オンライン)
12/1(火)RBA理事会、日本10月雇用統計、中国11月財新製造業PMI、ラガルドECB総裁講演、OPECプラス、OECD経済見通し、米11月ISM製造業景況指数、ムニューシン財務長官・パウエルFRB議長上院銀行委員会証言、EU財務相理事会(オンライン)
2(水)豪州Q3GDP、米11月ADP雇用者数、FEDベージュブック、ムニューシン財務長官・パウエルFRB議長下院金融委員会証言
3(木)中国11月財新サービス業PMI、米11月ISM非製造業景況指数
4(金)米11月雇用統計、米10月貿易収支/製造業受注

◎<マーケットの焦点>

先週は基本的にリスク選好ムードが強く、米株はダウ、ナスダックともに史上高値を更新し、ドル安が進行した。今現在ドル円は104円割れ、ユーロは1.19台後半、ポンドも1.33台前半を維持している。
ダウは30,000ドル台を付けた後、さすがにやや調整反落したが、ナスダックは金曜日に12,200ドル台のほぼ史上高値引けであった。
先週の週明けにはファイザー、モデルナに続いてアストラゼネカもワクチン開発の進展を報告し、一方米国の政権移行の動きも出て市場のリスク許容度が増加した。
アダムス米公衆衛生局長官はファイザーとモデルナ社のワクチンの緊急使用許可(EUA)に向け迅速な審査承認に取り組む考えを示し、一方「英国の医療製品規制庁はファイザーのワクチンを数日中に緊急承認する見通し」とFTは報じている。
ドル相場は調整反発局面もあったが、係るリスクオンを受けて基本的に軟調で、ドル指数は91.70と2018年4月以降の低水準となっている。
一方英とEUの通商交渉は依然継続されているが、ジョンソン首相は「依然EUとは大きな相違が残っている、合意の成立はEU次第」などと発言。またラーブ英外相は「解決すべき最後の問題は漁業権」と発言している。
係る合意に対する懸念からポンドは一時1.33割れに小緩む局面があったが、足元は再び1.33台を回復している。ただ「EUは英国の主権を認める形で、1/1以降漁業権問題で移行期間を設ける英国案を受け入れた」との情報もあり、年末のBrexit期限は順守して積み残し部分は継続協議と言う形に落ち着くのではないか?
ドルインデックスは2018年4月以来の安値だが、今年3月の“リスクオフ・ドル急騰”を除けばここまでドル安地合と言っても良い訳で、足元のリスク選好地合がひっくり返されるような事態でもない限り(先週金曜日の自身のメルマガ―無料公開―で指摘したサプライズ要因!)、リスクオンのドル安が継続する可能性が高いだろう。その場合にユーロの1.20が最大の注目レベルとなる。前回は同レベルでECBのユーロ高けん制が見られた。
ドル軟調地合にあってもドル円は“つるべ落としの急落”の可能性は少なく、クロス円の堅調にサポートされて、じりじり下げる展開か。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調だが反落に要注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7265-0.7399 AUDYEN 75.82-77.04
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7150-0.7450 AUDYEN 74.50-77.50

先週豪ドルは「リスクオンのドル安」を受けた欧州通貨の上昇にフォローして73セント台後半、77円台前半まで続伸した。
国内のコロナ規制が緩和され、政府がクリーンズランド州やビクトリア州の州またぎを許可するとともに、NSW州の規制を大幅に緩和する方針を打ち出したことも好感された。
またムーディーズが来年の豪州経済の力強い成長を想定して「豪州に強気の見方」をして格付け引き下げリスクが遠のいたことや、商品相場の上昇も豪ドルをサポート要因であった。
今週火曜日のRBA理事会では政策金利は0.1%に据え置かれるであろうが、量的緩和堅持の姿勢が強調されるであろう。
また水曜日に発表されるQ3GDPは予想値が前期比+2.4%(前回-7.0%)、前年同期比
-4.5%(前回-6.3%)と回復基調にあるが、今後の景気動向は正にコロナ収束いかんであろう。
いよいよ師走となり例年は豪州国内鉱山業者の来年度の輸出予約(豪ドル買い需要)が出回るが、世界経済の先行き不透明感が依然強い現状で、過度の予約を手控える動きが出る可能性もあるだろう。
依然として74セント台、77円台は足元の高値圏と考えている。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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