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今週の相場見通しby Joe Tsuda (5 April 2021)

5 April 2021

◎<主なイベント>

4/5(月)イースター・マンデー(英、ユーロ圏、香港、オセアニア休場)、米3月ISM非製造業景気指数、IMF・世銀春季会合(~11日)
6(火)RNA理事会、中国3月財新サービス業PMI、IMF世界経済見通し
7(水)2月景気動向指数、米2月貿易収支、FOMC議事録、G7財務相・中央銀行総裁オンライン会議
8(木)3月景気ウオッチャー調査、ECB議事録、新規失業保険申請件数、パウエル議長IMF春季会合パネル討論会
9(金)中国3月CPI/PPI、米3月PPI

◎<マーケットの焦点>

先週は週末に欧米諸国のイースターロング・ウィークエンド(米国以外は本日まで)となり市場活性度落ちる中、主要国の株価は堅調を維持する一方、バイデン政権の2.25兆ドル規模のインフラ投資計画が明らかになり米債利回りを再び押し上げて、ドルは堅調推移した。
月末、四半期末、年度末の世界的な実需フローがドルを押し上げた面もあるようだ。
ドル円は先週節目の110円をブレイクしたが依然として110円台を維持している。
バイデン政権は「4/19までに米成人の90%がワクチン対象となる」と発表し、これも市場にポジティブな印象を与えた。
ただ世界のコロナ新規感染者は先週も一日当たり70万人台まで増加した後、50万人台までやや減少したが、依然として収束の兆しは見えていない。
一方、足元の世界中のワクチン需要は世界人口の78億人の約半分39億人。米国と英国の約2億人を除外した37億人X2回接種X20ドル(1回当たりの購入金額)=1,480億ドル相当の米ドル(一部ポンド)需要が発生し、潜在的なドルとポンド需要とも考えられる。
先週発表された米3月雇用統計はnfpr+91.6万人と予想を大きく上回ったが、米市場休場で、債券利回りへの影響は本日米市場がオープンしてからだろう。
足元のドル上昇は年初来積み上がったドルショートポジションの調整に過ぎないと考えているが、コロナ収束への兆しが見え始めれば「最大の被害国米国が最大の恩恵を受ける」ことは必至であり、ここまでの“ドルを買戻す動き”から“ドルを買い進む動き―米国投資―”という「ドル高フェイズⅡ」が始まると考える。
特に現在米国と共にワクチン競争の先頭を走る英国は、ワクチン接種が一巡し、しかもその他国でもワクチン接種がキャッチアップすれば、足元のワクチン・メリットを失う可能性がある。またEUとの金融サービス規制の協議にも注意を払う必要がある。北アイルランド問題からEUでは英国のBrexit条項順守に対する懐疑的見方が強まっている。
一方先週の独ifoはじめ複数機関の独経済見通し下方修正に見られるように、ロックダウン解除もままならない欧州各国経済への悲観的見方がユーロを上値を圧迫するだろう。消去法的にもドル優勢と言わざるを得ない。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―売り買い交錯だが、足元上値の重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7531-0.7655 AUDYEN 83.33-84.48
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7500-0.7700 AUDYEN 82.50-85.50

先週豪ドルは米ドル堅調地合の中、75セント台前半と年初来の安値を付けた。一方対円ではドル円の110円台への上昇と相殺し合って下値は限定的であった。
スエズ運河でのコンテナ船座礁に伴い原油価格が一時急反発したが、状況の正常化と共に原油価格も反落し、商品相場(CRB Index)が200を割ったことも嫌気された。
一方、予想されたように、本邦機関投資家による期末の“リパトリ”(外貨資産の円転)はコロナ下での投資活動の不活発もあり大規模には至らず。折からの円安基調と相まって豪ドルを大きく押し下げることはなかった。
今週のRBA理事会では、コロナ収束の兆候が見えない現状、引き続き強力な緩和継続姿勢が確認されるであろう。
豪ドルは年初から蓄積された買いポジションが80セント台、85円台示現と共に一旦巻き戻された状況だ。
ただ足元の「リスク選好地合」にあって、更に豪ドルを売り込んでいく状況でもない。また新期を迎えた本邦機関投資家の新規外債投資への期待もあるだろう。
売り買い交錯ながら75セント台、83円台がサポートされる展開を予想する。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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