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今週の相場見通しby Joe Tsuda(24 may 2021)

24 May 2021

◎<主なイベント>

5/24(月)黒田総裁挨拶、特別EU首脳会議、WHO第74回世界保健大会
25(火)独4月企業景況感指数、米3月ケースシラー住宅価格
26(水)NZ準備銀行理事会、5月月例経済報告
27(木)中国4月工業企業収益、新規失業保険申請件数
28(金)日本4月失業率、ユーロ圏5月消費者信頼感、バイデン大統領2022年予算教書、G7財務相会議

◎<マーケットの焦点>

先週は所用のためこのレポートを作成できず、マーケットも殆ど見られなかったが、結局大きな動きはなかったようだ。
ポジションは現在ドル円ロング、ユーロとポンドショートの「ドルブル型」であり、ロングであれば当然“ドルクラッシュ”の懸念は尽きないが、大きな崩れには至らず市場は売り買い交錯のようだ。
要は方向性が見えてこない!
世界のコロナ被害拡大も大幅悪化はしないが高止まり。米国経済については雇用や小売り関係の軟調でFRBの緩和が長期に及ぶとの観測がドルの重石となった。しかし“インフレは一時的”との見方が一般的ではある一方、「雇用のボトルネック化」が予想されたより長期にわたりインフレが高止まりするとの見通しもある。
そもそも前回のFOMCはハト派的内容であったが、パウエル議長本人が“ハト派の重鎮”であることを忘れてはいけない。そのハト派議長が最終的にFOMC後の会見を取り仕切るのだ、、、
先週はタカ派のハーカー・フィラデルフィア連銀総裁のみならずハト派のカプラン・ダラス連銀総裁からも「テーパリングの開始、遅いより早い方が望ましい」との発言があった。
結局「コロナは終息する」という今までの大前提を覆す事態にならない限り、コロナ収束のターゲットに向かって世界は進んでいく。その中で、世界基準で語れない(失礼)日本は別にして、米国と欧州との間のその時々にファンダメンタルズ格差によって為替相場が動くというシナリオだ。
年初から米ドルが買い戻されて4月にピークアウトしてから今度は売りが先行し、それも収まりつつある。
株価はNYダウの35,000ヒットで取り敢えず天井を確認したが、利食い一巡後は再び上昇するだろう。
“世界の資源はじめ一次産品の殆どがドル建てであること”は周知の事実だが、輸出サイドでの反対為替(ドル売り)が出るにしても、ドル口座に歩留まる部分も少なくはない。つまり「ハードカレンシー・ドルの需要が根底にあること」は忘れてはならない。それに引き換え「安全通貨”円“」の安全性、、、
4月から半値以下に暴落しているビットコインと比較するのはさすがに円に対して失礼だが、「円の安全性」に少しずつ陰りが見られるように思う。

 


◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―徐々に上値重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7711-0.7815 AUDYEN 84.04-85.14
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7650-0.7850 AUDYEN 83.00-86.00

先週豪ドルは予想より大幅に悪化した4月就業者の減少(-3.06万人、予想+2万人、前回+7.07万人)の影響もあり77セント台前半、84円台前半のサポートラインをテストする展開となっている。
サンプリングの関係などから毎度ボラタイルな数字に翻弄される豪州就業者数であり、単月の内容で過度に一喜一憂する必要はないが、さすがに時々訪れる“減少”にはやや驚かされる。ただ失業率は前回の5.7%(5.6%から上方修正)から5.5%に改善傾向を続けており、景気回復期待の“腰折れ”とは言えないだろう。
注目の鉄鉱石は今回一時230ドル近辺の史上高値を付けた後210ドルあたりに調整されているが依然最高値圏。また石炭も2018年後半以来久しぶりに100ドル台に乗って来ており、商品相場は依然堅調で豪ドルをサポートしている。
ただ足元株価のみならずビットコインまで大幅調整反落するなど、アセット市場が不安定になる場合には商品相場自体も影響を受けることとなり注視する必要がある。
豪ドルの0.7700、84.00円は強いサポートレベルであり、このサポートラインをブリクする場合にはある程度まとまった調整と考えるべきであろう。


―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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