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今週の相場見通しby Joe Tsuda (14 June 2021)

14 June 2021

◎<主なイベント>

6/14(月)ベイリーBOE総裁講演、NATO首脳会議、中国・香港端午節休場15(火)米5月鉱工業生産・小売売上高・PPI、6月NY連銀製造業景気指数、米EU首脳会談
16(水)中国5月小売売上高・鉱工業生産、英5月CPI・PPI、FOMC(経済予測)、米ロ首脳会談
17(木)NZQ1GDP、豪州5月雇用統計、トルコ中銀理事会、米5月景気先行指数、新規失業保険申請件数
18(金)日本5月CPI、日銀政策会合、EU財務相理事会、イラン大統領選

◎<マーケットの焦点>

先週も世界的な株価上昇し、世界的に史上高値の更新が相次いだ。
アジアではインドや豪州、欧州では独、仏、イタリア、ロシア、ギリシャ、中東のサウジアラビア、米国株はS&Pが高値を更新、そしてメキシコ、ブラジル、カナダなどの資源国でも株価は史上高値を更新した。
市場ではECB理事会と米5CPIに関心が集まった。
ECB
理事会では成長率やインフレ見通しの上方修正が行われたが、ラガルド総裁は超緩和姿勢の継続を強調した。
また5月米CPIは前年比で+5.0%、コアが+3.8%といずれも予想を上回ったが、市場は短期的現象として既に高数値を織り込み済で、発表後むしろ米10年債利回りは節目の1.50%を割り込み、株価も堅調を維持した。
為替相場は前週の弱い米雇用統計の影響残りドル軟化場面もあったが、ドル円は109円台を維持した。
ユーロの1.22台、ポンドの1.42台では売り圧力が強まり、週末にかけては一時1.21割れ、1.41割れをテストするなど、ドル買戻しも見られた。
ミシェルEU大統領が「EUは英国に関する権益を守るためにあらゆる手段を講じる用意」と発言したことも、「Brexitの諸問題はまだ全て解決済みではない」との印象を市場に与えた。
週末のG7サミットでは事前報道通りに軍事的圧力を強める中国の覇権主義に対し、自由主義陣営が結束して対抗する姿勢を明確にした。また東京オリパラ開催へのサミットへの支持表明がなされたが、果たしてこれが“日本復活”につながるか?
また途上国への10億回分のワクチン供与など支援体制が打ち出された。
今週の注目ポイントはFOMCとなるが、ハト派のパウエル議長がまとめるFOMCにおいて必要以上に出口戦略が強調されることはないだろう。
インフレ懸念にもかかわらず、市場金利は低下傾向であり、それが主要国の株高につながり、原油価格の70ドル乗せが世界経済の回復期待を示す。
一方、新たにG7サミットで提起された中国覇権主義や人権問題でのサミット諸国の対抗姿勢に中国の抵抗は必至であり、新たな地政学的懸念につながる可能性もリスク要因と考えられる。
ドル円については来週月曜にリリースされるセントラル短資FX社の“マーケットビュー”で「円安が望ましい理由」を述べるが、サミットの支持を得てオリパラ開催に一歩前進した感があるものの、日本経済への浮揚効果も一時的に留まると考えられる。



◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―売り買い交錯だが依然上値重く

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7688-0.7775 AUDYEN 84.34-85.05
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7600-0.7800 AUDYEN 83.00-86.00

先週豪ドルは週初商品相場の堅調(CRB Index224台に上昇)や欧州通貨高にサポートされた、77セント台後半、85円台前半をつけたが同レベルは維持できず、週末に向けては欧州通貨軟調に歩調を合わせて一時77セント割れ、84円台前半まで反落した。
先週末のG7サミットにおいては中国の覇権主義に対するサミット諸国の対抗姿勢が鮮明になったが、このサミットには豪州、インド、韓国、南アの首相もオブザーバーとして出席しており、結果として豪州の反中国グループと見なされ、豪中関係の更なる悪化を懸念する声も聞かれた。
今週は5月の雇用統計が発表になるが4月分の就業者数-3.06万人は単月の“ブレ”と解釈され、5月の就業者数は+3万人を回復する予想となっているが、前回分の修正の有無も含めて注視したい。
豪ドルは依然として足元のボリンジャーバンドの上下限である「0.7689-0.777684.27-85.04」を中心とした動きが予想されるが、目先下値テストが先行する可能性がある。

 


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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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