at_money_service
マネー

今週の為替見通し by Joe Tsuda(津田 穣)13 September 2021

13 September 2021

◎<主なイベント>

9/13(月)日本Q3景況判断、OPEC月報
14(火)豪州Q2住宅価格指数、8月NAB企業信頼感・景況感、米8月CPI、第76回国連総会
15(水)WESTPAC消費者信頼感、中国8月小売売上高・鉱工業生産、英8月CPI/PPI、9月NY連銀製造業景気指数
16(木)日本8月貿易収支、9月月例経済報告、NZQ2GDP、豪州8月雇用統計、米8月小売売上高、9月フィラデルフィア連銀景気指数、米新規失業保険申請件数
17(金)自民党総裁選告示、ロシア下院選挙、9月ミシガン大学消費者信頼感

<マーケットの焦点>

先週は米株はじめ主要国の株価が調整色となる一方、新内閣発足への期待感もあり日経平均は年初来高値を更新して3万円台に上昇した。
米株は8/16NYダウが史上高値を付けた。9/2SP500が史上高値、先週9/7にナスダックが史上高値を付けたが、各指数とも高値更新後は調整色を強める展開だ。
先週ドルは木曜日のECB理事会を控えて神経質にアップダウン。前週の弱い米nfprを受けたドル下落の反発で週前半にはドル円110円台半ばに上昇し、ユーロは1.18台前半、ポンドは1.37台前半まで下落するなどドル高地合となったが、ECB理事会後はドル高にも調整が入った。
ECB
理事会では予想通りにPEPPの債券購入ペースを緩やかに縮小することが発表されたが、ラガルド総裁は会見で「あくまで微調整でありテーパリングではない」ことを強調した。
欧米(含む英国)共にコロナ収束を前提として、ここまでの超緩和政策を徐々に解除する方向だが、その背景としてさすがに猛威を振るったデルタ株も峠を越した感があることだ。一時100万人を超えていた世界の一日の感染者数も、足元50万人程度まで減少しつつあるのは世界経済にとって朗報だ。
今週は米国の8CPIや小売売上高が発表になるが、インフレ動向と共に消費者マインド悪化や雇用者数増加の鈍化傾向が個人消費にどのように影響するか注目される。
一足早く景気回復した米国経済にやや陰りが見えるが、果たして欧州はじめその他地域の経済回復が先行した米経済に追いつくのか?あるいは「コロナ収束のシナリオ」に向けて米経済は再び世界第一の経済大国の地位を守りながら世界経済をけん引していくのか?
日経平均は年初来高値を更新して3万円台だが、本邦個人投資家は依然3万円超えは売りスタンス。一方海外ファンドは引き続き日本株アンダーウエイトであり、更に買戻しが続くようであれば日経続伸の可能性があるだろう。ただし新内閣への期待が失望に変わる可能性もある。
“株高リスクオンの円安”がどこまで続くか?
日本の雪だるま式に悪化する財政赤字、膨れ上がる日銀のETF・国債残高、デフレスパイラルと景気減速など“日本売り材料”のマグマは地下で増大しつつあるが、「日本売り・円売り」は先の話として、足元では「リスクオンの円売り」に注目したい。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―高値から反落(先週の「足元堅調推移」の読みは再びハズレ!)

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7345-0.7450  AUDYEN  80.74-81.99
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7250-0.7450  AUDYEN  79.50-82.50

先週豪ドルは前週の米雇用統計発表後の高値から調整反落した。
週前半はユーロやポンドなど欧州通貨安にフォローして前週の上げ分を削った形だ。
RBA
理事会ではデルタ株拡大によるシドニーやメルボルン地区のロックダウンが延長され、今後景気減速となる可能性に懸念を示した。
景気減速は一時的なものと予想しつつも失業率は今後数カ月上昇すると見ている。
今週発表される8月の雇用統計を注目したい。
事前予想は失業率4.9%(前回4.6%)、就業者数-8万人(前回+0.22万人)。
2
月に80セント台を付けた豪ドルは8月に71セント台まで下落したが、半値戻しである75セント台回復は容易ではなく、再び75-80セントレンジを取り戻すにはコロナの収束期待の高まりを待つ必要がありそうだ。

 

―読者各位―

◎ジョーのTWITTER、フォローしませんか??
アドレスは@joetsudaFX です-相場の話など意見交換しましょう!!

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら

マネー

29 January 2024 ◎<ポイント> 今週はFOMCに米雇用統計 ・先週は米株(NYダウ、S & P 500)が史上高値を更新!! …