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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)27 September 2021

27 September 2021

◎<主なイベント>

9/27(月)日本7月先行指数(改定値)、ベイリーBOE総裁講演、ラガルドECB総裁講演、米8月耐久財受注
28(火)豪州8月小売売上高、ラガルドECB総裁講演、米9月消費者信頼感
29(水)自民党総裁選投開票、ECBフォーラム最終日(ラガルドECB総裁講演、パウエルFRB議長講演、ベイリーBOE総裁講演)
30(木)中国9月製造業PMI、中国9月財新製造業PMI、米Q2GDP(確定値)、メキシコ中銀理事会、米下院金融委員会FRBのパンデミック対応に関する公聴会
10/1(金)日銀Q3短観、米8月個人所得支出、米9月ISM製造業景気指数
2(土)中国国慶節休場(~7日)

<マーケットの焦点>

先週は週初、前週からのリスクオフの流れが継続。中国不動産大手恒大の経営破綻懸念により主要国の株価は大幅続落した。しかし22日(水)に中国政府が恒大三分割そして再編計画をまとめつつあるとの報道から、リスクオフのリバーサルが急激に起こり、米株はじめ大幅反発に転じた。FOMCを無難に通過したこともリスクオンの流れを増幅させた。今回テーパリングの開始に関する発表はなかったが、次回11月会合でのテーパリング開始が示唆され、また利上げ開始時期も23年から22年中に前倒しされて米景気回復期待が高まった。
またパウエル議長は恒大にも言及し、世界的な波及はないとの見方を示した。
BOE
理事会では政策金利、資産購入枠を据え置いたが、ラムスデン、サンダース両委員が据え置きに反対し枠縮小を主張した。反対票は前回の1名から2名に増え、市場の利上げ見通しは前倒しされている。
一方トルコ中銀が予想に反して利下げ(19%18%)を行い、リラは対ドルで新安値を付けた。
日銀政策会合では引き続き緩和継続姿勢が示され、他の主要国との金政策格差は歴然としてきた。
その他26日(日)には独下院選挙が実施され即日開票の結果は本日中に判明するが、直前世論調査では社会民主同盟(SPD)26%、キリスト教民主・社会同盟(CDUCSU)25%と非常に拮抗している。ただ、政権が交代しても、米国はじめ他の主要国同様に為替相場へのインパクトは限定的であろう。
先週後半には恒大懸念一服によるリスクオンの流れ及び米経済に対する期待感から再びドル高・円安地合となった。ドル円は110円台後半まで上昇し、円クロスも週前半の下落から大きく切り返した。ユーロは1.16台から1.17台に反発する一方、ポンドは1.36台で依然軟調。
今週はいよいよ最終四半期となる。
果たして先週後半見られたリスクオン(株高)が継続するか?
中国不動産バブル問題は恒大に止まらないとの見方や、米景気に対する懸念も払しょくされたわけではない。
ただ世界のコロナ感染者数の伸びがこのところ鈍化しつつあることは、大きなリスクオン要因だ。
また中国当局はコロナ疑惑で国際的評判を下げた上に、「第二のリーマンショック」とも揶揄される不動産バブルを何とか阻止(もみ消し??)するであろう。
世界的にワクチン普及率が高まりつつある現状、収束の兆しが見えればリスクオンがメイントレンドなるだろう。いよいよドル円が今年の高値ブレイクか?

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―ベアセンチメント後退

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7220-0.7316  AUDYEN  78.84-80.77
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7150-0.7350  AUDYEN  79.50-82.50

先週豪ドルは週前半は続落したが、後半は急反発した。
週前半の世界的な株価下落・リスクオフの流れで72セント台前半、78円台後半まで値を崩したが、中国恒大懸念一服で地合いが好転した。
また鉄鉱石価格は依然120ドル台に低迷しているものの、原油価格が73ドル台に反発するなど、商品価格(CRB Index)が週前半の安値231台から239台まで反発していることも豪ドル買い戻しを誘った。
世界経済、中でも中国経済の動向に影響されやすい豪ドルであるが、先週OECDは今年の世界経済見通しを前回の5.8%から5.7%にやや下方修正していることや、更なる中国の不動産バブル懸念にも引き続き注意する必要があるだろう。
豪ドルショートの買戻しも進んでおり、ドル堅調が継続する場合には73セント台で頭打ちとなる一方、ドル円が続伸する場合には9月高値81円台後半をブレイクする可能性があるだろう。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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