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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)13 December 2021

13 Decenber 2021

◎<主なイベント>

13日(月)日銀短観(第4四半期)、英中銀金融安定報告・銀行ストレステスト結果公表、OPEC月報
14
日(火)米生産者物価指数(11月)
15
日(水)中国小売売上高(11月)、中国鉱工業生産(11月)、英消費者物価指数(11月)、英生産者物価指数(11月)、米小売売上高(11月)、米FOMC・経済予測公表・パウエルFRB議長記者会見
16
日(木)NZ GDP(第3四半期)、豪雇用統計(11月)、トルコ中銀政策金利
スイス中銀政策金利、メキシコ中銀政策金利、ECB政策金利・ラガルドECB総裁記者会見、英中銀政策金利・ベイリー英中銀総裁記者会見、EU首脳会議
17
日(金)日銀政策金利・黒田日銀総裁記者会見、ドイツIFO景況感指数(12月)

◎<マーケットの焦点>――年内最後の各国金融政策会合とリスク回避の動きが焦点

先週は結果的に前週比で主要国の株価は上昇し、ドルインデックスは96台前半中心に揉み合いとなった。
ドル円は112円台後半から113円台で振幅し、ユーロは1.12台~1.13台で揉み合い、ポンドは1.311.32台で軟調推移した。
またトルコ・リラは中銀の買い介入にもかかわらず金曜日には13.97299まで史上安値を更新している。
オミクロン株への懸念は残るものの重症化の症例は少ないとの報告がある一方、欧米中心にコロナ感染拡大に収束の目途が立たず、新たな行動制限措置により再び世界経済への回復懸念が高まりつつある。
また人道問題に関わる中国冬季五輪への外交的ボイコット表明国が5ヵ国に増えたことや、ウクライナ問題に関連して米ロ間の対立が増し、週末にはG7外相がロシアの侵攻阻止で共同声明を発するなど、再び地政学的懸念の高まりもリスク要因として浮上している。
金曜日に発表された注目の米11CPIは前年比+6.8%(前回+6.2%)と39年ぶりの高水準となったが予想の範囲内であり、むしろ発表後は米債利回りは低下し、”Sell on fact”の流れでドル円は113円台前半に反落した。
そんな中今週は年内最後のFOMCBOE理事会、ECB理事会、日銀政策会合が開かれるが、各国政策会合(日銀を除く)はインフレの長期化に懸念を表明し、慎重な金融引き締めスタンスを確認するだろう。
バイデン政権のインフレ抑制政策を受けてFOMCでは引き締め策の現状維持を確認するだろうが、株価の重石にならないか?
また年末に向けた上記リスク要因もあり、簡単にリスク選好地合には戻りづらいだろう。
ドル円は「リスクオフのドル買い・円買いの同時進行」で112円台~113円台を中心とした振幅が予想される。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―豪ドルは70セント割れ、79円割れの安値圏から、71セント台後半、81円台前半まで反発したが、年末に向けては実需の買い需要もあり、底堅い展開か。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7006-0.7186  AUDYEN  79.08-81.72
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7350  AUDYEN  80.00-83.00

先週豪ドルは、商品相場(CRB Index)が233台で底入れして240台に反発したことや、主要国の株価反発・リスクオンの動きを受けて71セント台、81円台まで値を戻した。
RBA理事会声明では「ワクチン接種率の上昇と政策支援により豪州経済はデルタによる後退から回復」と述べ、「持続的に2-3%のインフレターゲットに収まるまで政策金利を引き上げない」と繰り返したが、従来の「利上げの可能性は2024年より前とは予想しがたい」の文言は先月より削除されたままである。
豪州も米国による中国冬季五輪への外交的ボイコットに賛同を表明し、中国は反発を強めていることは懸念材料の一つである。
ただ豪州政府も中国への貿易依存度を引き下げるべく、中国に代わる資源輸出先へのシフト策を積極的に模索している。
年末にかけては新たなリスク回避の動きが強まらない限り、資源会社の来年の資源輸出に関わる豪ドル買い予約にサポートされて、豪ドル堅調地合を予想する。
ターゲットは72-73セント台、83-84円台か。

 


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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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