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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)20 June 2022

20 June 2022

◎<主なイベント>
 6/20日(月)月例経済報告(6月)、中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート 1年・5年)、EU外相理事会、ジューンティーンス振替休日のため米国市場は休場
21
日(火)日本5年債入札、ロウ豪中銀総裁講演、豪中銀議事録、クリーブランド連銀総裁・リッチモンド連銀総裁講演、核兵器禁止条約第1回締約国会議(23日まで)、米中間選挙予備選―(バージニア州、ワシントンDC)、予備選決選投票(アラバマ州、アーカンソー州、ジョージア州)
22
日(水)参院選公示(投開票7月10日)、日銀議事録(4月27日-28日開催分)、英消費者物価指数・生産者物価指数(5月)、シカゴ連銀総裁・フィラデルフィア連銀総裁・リッチモンド連銀総裁講演、パウエルFRB議長上院銀行委員会で半期に1度の議会証言
23
日(木)雨宮日銀副総裁挨拶、フィリピン中銀政策金利、インドネシア中銀政策金利、ノルウェー中銀政策金利、トルコ中銀政策金利、メキシコ中銀政策金利、ドイツ/ユーロ圏製造業PMI速報値(6月)、米国製造業PMI速報値(6月)、米インフレ指数連動5年債入札、ECB経済報告、EU首脳会議(24日まで)、BRICS首脳会議、FRBストレステスト結果公表、パウエルFRB議長下院金融委員会で半期に1度の議会証言
24
日(金)RBAロウ豪中銀総裁講演、日本消費者物価指数(5月)、
岸田首相、鈴木財務相、雨宮日銀副総裁、全国信用金庫大会で挨拶
ドイツIFO企業景況感指数(6月)、サンフランシスコ連銀総裁講演


◎<マーケットの焦点>―135→131→135――――これがトレンド

先週米株は前週に続いてダウで1,500ポイント続落し、ドル円は131-135の間で乱高下した。
先週は注目の中銀政策会合が目白押しで市場の焦点となった。
FOMC
―予想通りの75bp利上げ
SNB
(スイス中銀)―予想外の50bp利上げ
BOE
―予想通りの25bp利上げ
BOJ
-予想通りの緩和政策続行
なおECBはイタリアなど南欧諸国の債券の急落と独債との利回り格差拡大に対応すべく臨時会合を実施した。
FRB
67月と75bpの利上げを市場は織り込みつつあるが、パウエル議長の「75bpの利上げが普通になるとは想定せず」の言葉が思わぬドルの反落を生む局面も。またSNBの利上げ・スイスフラン急騰の連想ゲームでドル円が一時131円台半ばに急落。
翌金曜日の日銀会合後は、134円台半ば→132円台半ば→135円台半ばの乱高下を演じた。金曜日ドル円は「延べの走行距離で約15円!!」動いたことになる―うまくやれば大金持ち(実際は、、汗)。
黒田さん最大の市場貢献度は「ボラ上昇に貢献している」点ではないだろうか!?
先週も木曜日以外、毎日135円台を見に行ったという事実がドル円上昇トレンド入りの何よりの”証“であろう。
筆者としては当然長年の”希望価格“150円を諦める気持ちは毛頭ない。
しかし市場が最終的な3.5%へのFF金利上昇をかなり織り込みつつある現状、更に言えば長年筆者が唱えている150円が今や巷ではめずらしくないる現状(つまり市場のコンセンサスがドル円上昇で整いつつある!)、足元のリスクはむしろドル円反落ではないか?
早い話、黒田総裁が”将来的な引き締め“を示唆しただけで、市場のロング筋は肝を冷やすだろう。つまりここから先は米国のスタグフレーション懸念が焦点となる可能性がある。最近の米指標を見ても5CPI8.6%であった以外、5月景気先行指標、5月鉱工業生産、5月小売売上高など軒並み予想を下回る。予想を下回った4月貿易赤字ですら「内需の減退が理由ではないか」と勘繰ってしまう。
ドル円希望価格150円に変更はないが、”二歩前進、一歩後退“が相場の基本であり、130円割れの反落局面があってもおかしくないと思っている。
なお、今週はパウエル議長の議会証言以外でも、インドネシア、トルコ、ノルウエー、メキシコなど世界中の中銀会合があるが、大方の中銀で金融引き締め決定がなされるであろう。ひょっとして、世界中の中銀で唯一(トルコもあるか?W)緩和にこだわる日銀(日本)への警戒感が高まる可能性にも注目したい―「余程日本には利上げできない重大な理由がある???」などなど。

◎<豪ドル相場>

依然豪ドル軟調だが、70セント割れは長期ビューから押し目買いスタンス

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6850-0.7138  AUDYEN  91.96-94.99
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6850-0.7150  AUDYEN  91.00-95.00

先週豪ドルはドル相場が全般的に堅調推移する中、週初の高値71セント台、94円台から一時68セント台、92円割れまで軟化した。
米国や英国の中銀が金融引き締めをリードし、ECBも緩和解除を明白にする中、SNBが50bpの利上げを実施し、ますますRBAの利上げが「主要国追随型」であるとの印象を強めた。
先週RBAのロウ総裁はABCテレビのインタビューで追加利上げを示唆し、「ある時点で政策金利が2.5%に達すると考えるのは妥当」と遠回しの発言をしているが、やはり米国はじめとした米欧諸国の終着点よりはモデラート(緩やか)との印象だ。
先週末は世界経済への先行き懸念も指摘され、原油価格は高値123ドルから108ドル台まで急落したが、エネルギー価格の高騰が収まれば、むしろ世界経済へのサポートとなり、行く行くは資源国豪ドルへの好材料となるだろう。
ただ根本的にはウクライナ戦争が終結してエネルギー価格の正常化がなされることが世界経済先行き不安を取り除くことになる。
足元引き続き豪ドルへの売り圧力が強いが、70セント以下は押し目買いスタンスという基本戦略は変更していない。

 

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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