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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)10 October 2022

10 October 2022

◎<主なイベント>
10日(月)スポーツの日祝日のため東京市場は休場、ブレイナードFRB副議長、シカゴ連銀総裁講演、全米企業エコノミスト協会(NABE)年次会合、IMF世銀年次総会(16日まで)、国際金融協会(IIF)年次会合(14日まで)、コロンブスデー祝日のため米債券市場は休場
11
日(火)WESTPAC消費者信頼感(10月)、NAB企業信頼感・景況感(9月)、日本入国者数上限撤廃などの水際対策緩和、日本景気ウォッチャー調査(9月)、ベイリー英中銀総裁講演、クリーブランド連銀総裁講演、IMF世界経済見通し
12
日(水)韓国中銀政策金利、米生産者物価指数(9月)、ラガルドECB総裁講演
ボウマンFRB理事、ミネアポリス連銀総裁講演、米FOMC議事録(9月20日-21日開催分)、香港行政長官演説、香港英商会会合(13日まで)、G20財務相中銀総裁会議(13日まで)
13
日(木)日本国内企業物価指数(9月)、日銀生活意識に関するアンケート調査
米消費者物価指数(9月)、国際エネルギー機関(IEA)石油市場リポート(10月)
14
日(金)中国貿易統計(9月)、中国消費者物価指数・生産者物価指数(9月)、米小売売上高(9月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(10月)、英中銀緊急長期国債買い入れ終了
15
日(土)ベイリー英中銀総裁講演、セントルイス連銀総裁講演、米財務省半期に1度の為替報告書の議会提出期限
16
日(日)中国共産党大会開幕(北京)

◎<マーケットの焦点>―日銀介入の茶番は無視して150円を目指そう!!
先週は米経済指標を巡って相場が振幅し、結局金曜日の米雇用統計を受けてドル高で終わった。
週初は弱い米ISM(製造業)やJOLT求人件数を受けて米大幅利上げ観測が後退し、株高・債券利回り低下・ドル反落で前週のリスク回避ムードが後退した。
しかし週央に発表されたADP雇用者数やISM(非製造業)が比較的強く、またFRB当局者からも「インフレ対応は道半ば」としてタカ派的発言が相次ぎ、米雇用統計を控えて再び株安・債券利回り上昇、ドル高のリスク回避相場に。
前週乱高下を演じたポンドは、トラス政権が所得税の最高税率引き下げを撤廃したが、大型減税を軸とした政策方針を堅持し、格付け会社は軒並み英格付け見通しの引き下げて、ポンドは軟調。
またOPECプラスが大幅減産を決定し、原油先物が上昇するなど、根強いエネルギー懸念にECB大幅利上げ観測も後退しユーロもパリティーを回復できず。
更に日銀追加介入の可能性が薄らぐ中、金曜日に発表された9月米雇用統計は失業率が予想外に3.5%に低下し、nfprも予想を上回るなど強い結果となり、再びドル円は145円台に上昇し、株価下落・債券利回り上昇のリスク回避相場となって越週した。
週末にはロシアの軍事作戦上重要とされるクリミア大橋が爆破され、北朝鮮が今年25回目のミサイル発射を行うなど、地政学的リスクも高まっている。
クリミア大橋爆破に対するロシアの報復が注目される。
このように米経済指標や米金利動向に加えて再びリスク回避的な動きが強く、今週も株安・米債利回り上昇・ドル高が基本と考えるべきだろう。
今回24年ぶりの日銀介入は単独介入でありしかも押し下げの意図はないとの市場認識であり、その有効性に対する懐疑的見方が圧倒的に強い。ただ筆者としては原材料費の高騰に“円安”が加わり日本の物価が急騰している現状(10月から酒類価格の10%値上げが筆者には一番キツイw)、日銀には国民経済保護のために最低10円程度のドル円押し下げを期待したが、日本の当局は“急激かつ一方的な市場の動きのけん制”に終始した発言で、最重要である国民の負担軽減という意図は“全く”ないようだ。係る上は“お望み通り”、「急激ではなく、着実なペースで」150円までドル円相場を押し上げようではないか!!
大昔から日銀介入には“反吐が出る思い”をしてきたが、今回も完全なデジャブ―。

◎<豪ドル相場>

依然軟調推移

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6370-0.6540  AUDYEN  92.47-94.70
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6200-0.6500  AUDYEN  91.00-95.00

先週豪ドルは週前半はドル反落地合の中65セント台、95円の上値をテストしたが、結局週後半は米ドル戻り高地合となる中、63セント台半ば、92円台半ばの安値圏で越週した。
RBAの利上げ幅は市場予想を下回る25bpに留まり、最近のロウ総裁の「金利の正常化」示唆を早くも実現する結果となったが、利上げ幅縮小は市場も織り込んでいたか、これ自体で豪ドルが大きく下落することはなかった。
因みにNZ準備銀行は引き続き50bpの利上げを敢行し、現在RBAキャッシュレート2.60%、RBNZキャッシュレート3.50%と金利差は1%近くに拡大している。
また米豪10年債利回りは長らく豪州債>米債であったが、先週後半から格差が逆転していることも豪ドルへの売り圧力となっている(豪ドルから米ドルへの資金移動)
足元の豪ドル相場は米ドル動向にフォローする(豪ドルは米ドルの受け皿)。
一旦強まったドルの調整反落が先週終わったと判断すれば、安値圏ではあるが豪ドルの上値は限定的と言わざるを得ない。


―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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