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今週の相場の焦点 by Joe Tsuda (津田 穣)6 February 2023

6 February 2023

<ポイント>  ドルの反発は一過性か? 


・先週はFOMCECB理事会、BOE理事会が開催されたが、結果はFOMC25bp利上げして4.50-4.75%に、ECB50bp利上げして3.0%に、BOE50bp利上げして4.0%になった。
・予想通りであり市場への影響は然程見られず、むしろ週後半までは前週に続いてドル軟調地合継続で、ドル円の安値128円台、ユーロとポンドの高値1.10台、1.24台までドルは続落した。
・各国中銀共に引き続き足元のインフレ抑制姿勢は変えないものの、インフレ鈍化の兆候と景気減速懸念に焦点をシフトさせていることは間違いない。
そんな中でドルの軟調は米国が金利の天井(ターミナル・レート)に一番近いという市場の見方を反映しているのだろう。
・しかし金曜日の1月米雇用統計のサプライジングな強い数字にドルは急反発した。nfpr+51.7万人(予想+19万人)と予想の3倍近い驚きの伸びを示し、失業率も3.4%(予想3.6%)と悪化予想を覆し、最近低下傾向の平均時給(前年比)も4.4%(予想4.3%)と予想を上回るなど、米景気後退懸念を吹き飛ばす強い結果となった。
・はたして今回の米雇用統計が“単月のブレ”ということで、米景気減速基調が継続するのか?あるいは市場の米景気後退懸念が行き過ぎであり、むしろ欧州や英国の今年の景気の落ち込み度に比べて米景気は軟着陸に成功するのか?
・筆者としては遅れてターミナルレートに到達する欧州や英国の景気悪化懸念がもうすぐ米国を上回ると考える(つまり後者)。
・ドル円については4月以降の日銀の緩和姿勢の後退が市場の焦点であり、投機的な円買い仕掛けが4月に向けて“しつこく”付きまといそうだ。
・しかし恐らく今回の4%を上回る物価上昇局面においても日銀は一向に利上げする気配はないが―筆者は1%程度への利上げと預金金利付利をすべきと考える―柔軟性を全く欠いた日銀の金融政策と悪化の一途を辿る日本の財政赤字は明らかに将来的な“日本売り・円売り”の火種となると考える。―中長期的なドル円上昇シナリオは不変―
・週明けは「日銀総裁後任人事で政府が雨宮副総裁に就任を打診」との日経記事で、ドル円は132円台前半で久々のギャップオープン→その後鈴木財務相の「聞いてないよ」発言で131台後半に反落するも、予想(ドル反落スタート)とは違う展開(汗)。

◎<豪ドル相場>

先週の「予想外の71セント台は、ややはしゃぎ過ぎでは?」は“一応”当たって69セント台に急落したが、、、

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6919-0.7157  AUDYEN  90.43-92.66
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.7050  AUDYEN  89.00-93.00

先週も豪ドルは週後半まで71セント台、92円台と上値テストし、自身の米ドル反発予想は大きく外れて、ドル全面安の気配すら漂った。
しかし予期せぬことが起こるのが相場。
金曜日の非常に強い米雇用統計で短期的にせよドル安センチメントは霧消し、久しぶりに強烈なドルのショートカバーを見た。
米雇用統計が上述のように“単月のブレ”で終わり、昨年末から続くドルの下落基調に再び戻るのか?
判断は極めて難しいが、過去の例では市場は大体、金曜日の米雇用統計を“ケロッと”忘れて、ドル売りを再開するケースが多いと言えるだろう。
まさに先週述べた「豪ドルの71セント台ははしゃぎ過ぎ」というのが金曜日の豪ドル下落にピッタリくる表現であり、筆者としては大満足であったが、今週豪ドルが続落するという確信も乏しいのが正直なところ。
豪中関係改善の有無やウクライナ紛争の行方など、依然として重要案件の不透明感が強く、豪ドル自体も上下に振幅する可能性が強い。
基本的にドルのトレンドについては然程上下のバイアスを持っておらず、したがって豪ドルの対米ドル相場についても大きなバイアスを感じない。
ただ中長期的な円安を見ているが、豪ドル円が昨年の高値98円台を抜いて100円の大台に達するには、“かなりの”円安が必要であることに間違いはない。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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