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シドニー発豪ドル見通し (2014年2月10日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

2/10(月)日本12月国際収支

11(火)日本建国記念日休場、イエレンFRB議長下院で議会証言、地区連銀総裁講演(フィラデルフィアFED、リッチモンドFED)

12(水)中国1月貿易収支、BOE四半期インフレ報告、ドラギECB総裁講演、セントルイス連銀総裁講演

13(木)豪州1月雇用統計、ECB月報、米1月小売売上高、米新規失業保険申請件数、イエレンFRB議長上院銀行委員会で講演

14(金)中国1月CPI・PPI、Q4GDP速報値(ユーロ圏、独、仏、ギリシャ)、米1月鉱工業生産、2月ミシガン大学消費者信頼感

 

マーケットの焦点

キーワード:新興国懸念、米債務上限期限、イエレン新議長議会証言

先週はECB・BOE理事会や米国1月雇用統計などのイベントがありましたが、新興国不安は各国当局の対応もあって徐々に落ち着きを取り戻している状況です。

ECB理事会では利下げやマイナス預金金利、国債オペの非不胎化などの期待がありましたがいずれも実施されず、またBOE理事会ではフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)強化への期待がありましたがこちらも空振りでした。

逆に欧州当局の追加緩和が流れたということは、新興国不安も峠を越しつつあるということの証左と言えるのではないでしょうか。

また注目の米雇用統計は12月の就業者数が若干1万人だけ上方修正され、また1月分は失業率が6.7%から6.6%に改善したものの、非農業部門就業者数(NFPR)は18万人の予想に対して11.3万人と不冴えな結果となりました。

為替市場では先週一時高まったリスク回避の動きが徐々に後退しました。

ドル円はNFPRの軟調な数字に一時101円台半ばに急落しましたが、失業率や労働参加率の改善がポジティブに捉えられで結局102円台半ばまで反発し、ユーロ円も139円台半ば、ポンド円も168円台と回復基調となっています。

今週は本日の日本の12月国際収支やイエレン新FRB議長の議会証言などが注目されます。

12月の経常収支は赤字の6,386億円と史上最大となり、また貿易収支は-1兆2,126億円と3カ月連続で赤字幅は1兆円を越しており、需給面での円安をサポートしています。

イエレン新FRB議長は11日、13日に議会証言を行いますが、今後の緩和縮小(テーパリング)への道筋と、フォワードガイダンス(将来の金融政策指針)に関する見解が注目されます。

また円需給面からは上記のような経常面での円売り需要がありますが、一方3月期末にかけては円買い需要も高まりそうです。

つまり今月は米国債の償還・利払い月である点、また3月末を目指した本邦海外拠点の本国送金(リパトリ)の円需要、更には3月末を控えた米ヘッジファンドの円売りポジション手じまいなども指摘されます。

まだ懸案の新興国不安も未だ払拭された訳ではなく、加えて円需給面の季節要因が加わって、今週もドル円相場は不安定な乱高下商状となる可能性があり、要注意であると言えます。

 

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.8730-0.8998 AUDYEN 88.24-91.86

今週の予想レンジ AUDUSD 0.8800+0.9150 AUDYEN 90.00-93.00

今週の豪ドルは利食い売りをこなしながら堅調推移でしょう

先週の豪ドルは月曜日に発表された12月建設許可件数が不冴えであったものの、RBA理事会で追加緩和文言や露骨な豪ドル高けん制文言(不快な程高い)が削除されたことから、金利先安観が急速に後退し豪ドルは90セント台手前、91円台後半まで上昇しました。

また木曜日に発表された12月の小売売上高が前月比+0.5%と堅調なクリスマス商戦を伺わせたこと、更には12月の貿易収支が+$468mioと2年ぶりの大幅黒字になったことも豪ドルをサポートしました。

今週は金曜日に発表予定の1月雇用統計が注目されます。

予想は失業率が5.9%(前回5.8%)、就業者数が+15千人(前回-22.6千人)と就業者数は増加予想ですが、失業率は節目となる6%に近付いているのが気になるところです。

その他旧正月明けの中国では1月貿易収支やCPI・PPIが発表されこちらも中国のクレジットリスク関連の情報と併せて注視していく必要があります。

ただ豪ドルは国内要因よりはむしろ新興国不安などのリスク要因やFRBの金融政策に大きな影響を受ける状況には変わりはありません。

一旦底離れした豪ドルですが、まだ上昇トレンド入りとは決して言い難い状況です。

 

  なお、”今年の豪ドル見通し”については下記セントラル短資FXブログ(26 December付)をご参照ください。

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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