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シドニー発豪ドル見通し(4 JUly 2016)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

7/4(月)

 米国独立記念日休場

5( 火)

RBA理事会、中国6月サービス業PMI、米5月耐久財受注、NYK連銀総裁講演

6(水)

米6月ISM非製造業景況指数、FOMC議事録

7(木)

黒田日銀総裁挨拶、日銀地域経済報告、ECB議事録、米6月ADP雇用者数、米国新規失業保険申請件数

8(金)

日本5月国際収支、米6月雇用統計

 

 

1)マーケットの焦

キーワード:英国EU離脱(その後)、ISテロ、BREXIT主要国の金融政策への影響、参院選、世界経済不安の再燃、世界金融市場不安の再燃、原油価格

英国のEU離脱決定から1週間が経過しましたが、金融市場は落ち着きを取り戻しつつあります。

一方、イスタンブールやバングラディッシュやイラクでのIS関連と思われる大規模爆破テロが頻発しており、地政学的懸念が再び高まっています。

BREXITに関しては早急の英国離脱を要求するEU側に対して、英国は離脱交渉の開始を来年以降とする姿勢であり、国民投票は終わったもののいまだ交渉のスタート台にも立っていない状況です。

リーマンショックのような世界的な金融システムそのものへのリスクの度合いはBREXITはかなり軽微と言えそうですが、交渉が長引く場合や、スコットランドや北アイルランドで独立運動の再燃の可能性があること、その他EU諸国への国民投票の飛び火など、不安材料が暫く暗雲のように立ち込めそうです。

ただBREXITの直接のインパクトは足元薄れ、市場の目は再び主要国の金融政策・経済指標に向かいます。

BREXITの主要国金融政策への影響は簡単に言えば、金融緩和国の緩和政策が更に長引き、一方米国の追加金融引き締めの可能性はかなり遠のいたと言えそうです。

英国中銀のカーニー総裁は先週「おそらく夏の間に金融政策を緩和する必要がある」と述べています。日銀については、日本の第二四半期の成長も芳しくなく、加えて”円高・株安”を勘案すると常に追加緩和観測が付きまといます。

一方ECBは追加緩和にやや慎重で、債権購入要件の緩和を検討しているようです。

昨年12月に金融引き締めを開始した米国ですが、5月の雇用統計の大幅悪化で緩和観測が後退し、今回のBREXITで更に遠のいた感じです。

7月や9月の利上げの可能性はほぼゼロで、12月にわずかに可能性が残りますが、逆に緩和に戻るとの観測すらあります。

米国の利上げが昨年12月の25bpのみで終了という空前絶後の結果となる可能性も否定できません。

主要通貨を見ますとBREXITを受けて現在ややドル高・円高ですが、ドルについては米大統領選を控え、加えて引き締め観測後退からドルの上昇にも自ずと限界があります。

したがってG7取り決めから介入の可能性がかなり低い現状「円買い安心感」が一番強く、相変わらずの”円高・株安”の日本いじめが続きそうです。

ただ今週金曜日に発表される日本の5月貿易収支で黒字幅はかなり縮小しそうです(予想は+560億円、前回は+6,791億円)。

年初から15%以上の円高になり、さすがに輸出にブレーキがかかるのも一因です。

投機先行の円買いが膨らめばどこかで売戻しが起きることは自明の理ですが、筆者が予想する本格的な”日本売り=円売り”の時代が到来すれば、円下落のモーメンタムは想像以上となる可能性があります。

もっともそれはまだ数年先の話だと個人的には考えています。

 

2)豪ドル見通

先週の相場レンジ  AUDUSD 0.7324-0.7506  AUDYEN 74.52-76.96

今週の予想レンジ AUDUSD 0.7300-0.7600  AUDYEN 75.00-78.00

今週の豪ドルは: 現レベル中心の揉み合い相場でしょう

先週はBREXITのパニックも落ち着き、豪ドルは75セント近辺、77円近辺まで反発しました。

しかし週末の連邦選挙で絶対政党不在のハングパーラメント(宙吊り国会)必至の形勢となり、早朝のシドニー市場では豪ドルは「下窓」を開けて、74セント半ば、76円台前半のオープンとなりました。

ただハングパーラメントは織り込み済みか現在75セント近辺、77円近辺に再度反発しています。

BREXITや地政学的リスクの高まりなどを嫌って”安全資産”豪ドルへの短期的な需要が高まっているのも事実のようです。

ただハングパーラメントが現実となると”豪州がAAA格を失う”可能性を指摘するエコノミストもいます。

豪州経済は保守連合が勝とうが、労働党が勝とうがあまり大きな影響を受けませんが、議事進行の停滞は中期的には豪州経済にとって好ましくないとの判断です。

豪ドルは”質への逃避買い”にサポートされる一方、大きく買い進んでいくには材料不足で、暫く現レベル中心の揉み合い相場が続きそうです。

 

 

Have a nice week in advance !!!

 

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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