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南極大陸上空遊覧飛行 Vol.4

コメントどうもありがとうございます。このプログラムはメルボルン郊外にあるクロイドントラベルという小さな旅行会社が、カンタス航空からB747-400とパイロットをチャーターして企画・主催しています。ボクは1995年の12月にこの遊覧飛行に行ってきました。今日はそのときの赤裸々な感動体験をつづっちゃいます。10年近くも前のことなので、
曖昧な部分も少なくありませんが、その当時にもらった資料、地図や
写真と格闘しながら書いてみます。
 

白い大陸が見えてくる!
  
乗客がざわめく。窓側席の人々は、カメラの点検に余念がなくなる。通路側席は皆席を立ち、窓の隙間を探して肩を寄せ合う。固唾を呑む時間が流れる。ついに白い大陸が見えてきた。機内にどよめきが沸き上がる。カシャー、カシャーとシャッターを切る音が聞こえてくる。隣のオージーの夫婦はカメラを2台、フィルムは36本持ってきたと言っていた。旦那さんがシャッターを切る間、奥さんが素早い手つきでフィルムを入れ替える。まるで戦場のような緊張感がみなぎる。
 

フランスの南極観測基地通過
 
最初の通過ポイントは、デュモンデュルヴィル[DUMONT D’URVILLE]。東経140度の海岸線にフランスの観測基地があるところだ。上空に差しかかると、機体は左へ旋回を始めながら高度をぐんぐん下げる。

海岸線の入り組んだ地形を見下ろしながら、航路をハドソン岬[CAPE HUDSON]に向ける。マーチソン山[MT.MURCHISON558M]、メルツ氷河[MERTZ GLACIER]、ミニス氷河[MINNIS GLACIER]を過ぎると一旦海上へ。
 
■ 氷の上空1000mを巡航
 
海にせり出したクック棚氷[COOK ICE SHELF]の雄大な眺めを楽しむと、しばらくしてハドソン岬[CAPE HUDSON]上空に差しかかる。ここまでで、南極上空飛行時間の約1/3(80分)が経過したことになる。ここから針路をワシントン岬[CAPE WASHINGTON]に向ける。南極内陸部を覆う氷の厚さは、2,000mを優に越えるという。高度3,000mを飛行しているが、実際には氷の上わずか1,000m付近を巡航していることになる。
  
分水嶺から完璧なカーブを描く滑り台  
 
東経160度、ビクトリアランド[VICTORIA LAND]を過ぎ、南極山脈[TRANS ANNTARCTICA MOUNTAINS]にさしかかる手前で、窓側席と通路側席の交替時間となる。離陸後、既に6時間余りが経過している。

標高2,000m2,500m級の銀嶺は、大陸的でなだらかな美しさが特徴だ。ヨーロッパアルプスやニュージーランド南島などのシャープなイメージの峰々とは違った趣がある。果てしない地平線のかなたから流れ出る氷河、分水嶺から完璧なカーブを描き、まるで巨大な滑り台のように氷の大地へ続く万年雪、深い藍色の海に白くキラキラ浮かぶ無数の氷塊、南極の空を飛んでいる。
  
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