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第5回 AFLプレイヤー ショーン・ヨシウラさん 2

身体面では劣る日本人がAFLで活躍するには何が重要になってきますか?

もちろん懸命に練習して、ベストを尽くすことが重要です。チャンスを得たらそれを活かしていくのも大切なことです。敏捷性や、私の持っているような持久力といった強みを持つのであればそれも利用すべきです。スキルを改善し、常にアドバイスを求めることも大事です。何か特別な身体能力があれば、日本人であれ AFLでプレーすることは十分可能です。AFLは誰にでもプレーするチャンスがあるスポーツだと思います。

ブリスベン・ライオンズでの練習の様子を教えてください。

昨年試験が終わってからチームに入って練習し始めました。まず1日だけチームと一緒に練習する機会をいただき、その後クリスマス休暇を挟んで、ことし1月からチームに再合流しました。

練習は週6日です。日によって違いますが、長い日では朝の7時から夜の7時まで練習します。日課は例を挙げると、朝6時に起床し、The Gabba(練習場)に7時に到着し、フィジオセラピストに見てもらいます。そのあとウェイトトレーニングをし、ストレッチをしたり、ピラティスをしたりします。スキルの練習やランニングなども夜の7時までこなします。家には8時ぐらいに戻り、夕飯食べて寝ます。とても忙しいスケジュールをこなしています。練習内容は身体的にもメンタル的にもタフです。スキルとコンディショニングのトレーニング、ランニングやスピード力、持久力を高める練習、ウェイトトレーニングと様々です。けがの予防策としてピラティスやボディメンテナンスもトレーニングでは重要な要素となっています。これに加えてチームミーティングもあります。練習はシニア選手と一緒にやります。シニア選手と一緒に練習するようになった当初は信じられない気分でした。子どものころから憧れていた選手と一緒に練習して圧倒された気分になりました。たまに夢ではないかと思って自分のことをつねっていました。みなさん素晴らしい方で、暖かく迎え入れてくれ、サポートもしてくれています。こういった意味では最高の環境ですね。今は大分チームになじめるようになったと思います。

AFL選手でありながら、大学生でもあります。文武両道は大変ですか?

大学に関しては、昨年通ったので、今学期は休学にしています。フッティをシーズン的にとらえると、プレシーズンは最も過酷な時期ですし、今はフッティに集中したいからです。来学期は通学できればいいなと思っています。

大学ではスポーツ科学を専攻しています。イプスウイッチ・グラマー・スクール時代にスクールキャプテンを務め、大学には奨学生として入学しました。ボンド大学は評判も高く、これまでも複数のエリートのスポーツ選手が通い、大学側も選手をサポートしています。水泳のグラント・ハケット(シドニー、アテネ五輪金メダリスト)やカイ・ハースト(五輪代表選手)のほか、トライアスロン選手も通っている大学です。

前期はAFLとの両立で勉強は大変でした。フッティは9月にシーズン終了だったので、その後大学での勉強に専念できましたからラッキーでした。コースでも最も大変な学期でしたが、集中してそれを終えられたことも良かったと思います。両立は大変ですが、生活にバランスを持たせることは重要です。引退後にも別の道に進んでいけるよう、今からAFL以外にも何か興味を持つようにとのアドバイスもよく受けています。

AFLでのキャリアは始まったばかりですが、将来はどのようなことをしたいですか?

スポーツが大好きですし、私がチャンスを活かして(様々なことを)達成してきたようなことが子どもたちにもできるといいと思います。スポーツ科学者として 学士号を修了した後は修士課程にも進みたいと思っています。ボンド大学には、国内で唯一ハイ・パフォーマンスを専攻できる修士コースがあります。これを終了すると、ハイ・パフォーマンスコーディネーターやタレントスカウトになることが可能です。将来、才能のある子どもを発掘し、私が得たようなチャンスを与えていけるように、また、何か恩返しできるようになれればいいと思います。日本でこのような仕事に就いてもいいなと思います。

オフの日はどのように過ごしていますか?

通常は、フッティの仲間や学校の友達と遊びます。最近はゴルフもしたりしますよ。ゴールドコーストのビーチにも行きますね。サーフィンもほんの少しですがやります。

オーストラリアでは18歳から飲酒できますが私は飲みません。健康を維持するためにも飲みません。飲酒はパフォーマンスに影響するので。社交的な場では1杯ぐらいは飲みますがそれ以上は飲みません。

日本人の父とオーストラリア人の母を持ち、7歳で日本からオーストラリアに移住してきました。日本とオーストラリアを比べたとき、それぞれの国にどのようないい点があると思いますか?

オーストラリアに関しては、ここにいればスポーツの面ではチャンスに恵まれると思います。やりたいものには何でも取り組むことができます。少しのんびりしている面もありますが。日本は食事面でいいですよね。1,2年前に日本に行きました。蔵王に行ってスノーボードも楽しみました。日本に行くにはかなり費用がかさみます。7歳に日本を離れてからそれまでずっと日本には行っていませんでした。元住んでいた横浜・綱島の家にも行ってみましたが、かなり変わっていました。子どもの頃の友達にも会いました。東京には活発で、エキサイティングなイメージがあります。ブリスベンと比べれば、東京はかなりいい都市だと思います。

文化的な面から見ると、日本人には闘う精神が宿っているように思います。この点は私自身も誇りに思っています。私は今も日本のパスポートを持っており、日本人です。21歳に国籍を選ばなければなりませんが、どちらを選ぶかはまだ決めていません。非常に難しい選択になると思います。21歳になってから決めると思います。

将来、AFLのエキシビションマッチなどで日本にいけることができればいいなと感じています。

今季の抱負とキャリア上の目標についてお聞かせください。

今季の目標は、リザーブでコンスタントにプレーをしていきたいと思っています。もしシニアでプレーできる機会を得られれば、それはボーナスですね。ことしは(選手として)発達していく時期と位置づけ、最高のプレーができるようになりたいと思っています。いいプレーをして、最終的にはリザーブの延長もしくはシニアでの契約ができればいいと思います。

もちろん将来はシニアレベルでプレーしたいです。シニアレベルで活躍できれば、子どもたちにフッティをやりたいと思わせるような良い手本になれると思います。日本の子どもたちの手本にもなれると思いますし、日本の子どもたちにも良い影響を与えることができれば素晴らしいと思います。AFLの日本親善大使になれればいいですね。

最後にJAMS.TVの読者へメッセージをお願いします。

スポーツであれ、他のことであれ、何かに懸命になっている子どもには、自分が持っている夢を信じて取り組んで欲しいです。様々な挫折や挑戦すべき壁に直面することもあるかもしれませんが、自分を信じて貫いていけば、夢は叶うものと思います。先が不安になり、「こんなことできるのか?」と思うこともありますが、「今」に集中して、懸命に取り組んで最高のパフォーマンスができるよう努力することが大切だと思います。

 

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