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カタコトの日本語を話すオージーがいなくなる?

移民の国オーストラリアでは、日常的にさまざまなエスニックの人たちと接し、お国なまりの英語や、その国の言葉を聞くことが多いですね。

そんな国だからこそ学校では、言語教育に時間を割いて第二外国語を子どもたちに身につけさせようとしています。

教育審議会による外国語教育に関する答申では、第二外国語の授業をキンディーからY6では300〜400時間、Y7からY10は130〜160時間、Y11とY12は200〜240時間ほど行うようにとしています。

ところが語学教育が必修なのは、クイーンズランド州、ビクトリア州、南オーストラリア州とキャンベラのみで、他の州では選択科目扱いです。

OECD加盟国の語学教育の履修率は、9歳〜11歳で平均8%、12歳〜14歳では13%ですが、ニュー・サウス・ウエールズ州では0〜2%と、かなり低い履修率で、子どもたちの語学の勉強が危ぶまれています。

いまの学校では、全国学力テスト導入の影響もあり、国語(英語)と算数の授業に力を入れて、読み書きと計算能力の向上を目指しているため、相対的に語学の勉強時間が少なくなっています。

連邦政府は、中国語イタリア語をまず学ばせたい最優先の第二外国語としています。次いで、フランス語、ドイツ語、インドネシア語、日本語、韓国語、スペイン語が第二ステージの言語となっています。第三ステージは、アラビア語、ギリシャ語、ベトナム語です。これらの第二外国語の学習に力を入れるよう学校を指導しているようです。

これまで連邦政府は、2008年〜2012年の4カ年計画でアジアの言葉に力を入れてきました。多くのオーストラリア人が、中国語、インドネシア語、日本語、韓国語を学び、2020年には高校卒業時に、これらの言語のひとつで十分に話しができるようにするという目標を掲げたわけです。(実際には、壮大なる計画で実現のほどは不明ですが)

ところが、これらの言語を学ぶ生徒が2000年以降、急激に減っているのです。特に小学校での日本語とインドネシア語を学ぶ生徒数の落ち込みが激しいようです。

ニュー・サウス・ウエールズ州では20年前には日本語はそれほど教えられていませんでしたが、いまではフランス語と共に、広く教えられている言葉です。しかし、教師の数も影響し、かつてのような人気がないようです。日本の経済状態も影響しているのかもしれないですね。

いまの中国人のように、かつては日本人観光客が大挙としてオーストラリアに押し寄せ、その買い物三昧の姿がひんしゅくを買うほどでした。至る所で日本人ツアー客を目にし、日本人相手のビジネスも増え、当然、日本語需要も高まったものです。

経済の沈滞とともにそんな熱も下火となり、代わって登場したのが破竹の勢いのチャイナパワーです。中国語学習者が増えるのも当然ですよね。

でも、学習者数は確かに増えてはいるのですが、よくみてみると、ネイティブの学習者が特に多いのです。つまり中国人移住者の子どもたちが中国語を選択しているケースが多く、一般のオーストラリア人が学んでいるのはそんなに多くないのです。これも問題ですね。

よく言われるように、第二外国語を学ぶと認識力が高まり、多様な思考がなされ、そして想像力が身につきます。そして母語の読み書き能力やコミュニケーション能力を高めてくれます。

せっかく移民の国オーストラリアに住んでいるのですから、第二外国語を学ぶ良い機会です。チャレンジしてみますか?

(というか、それよりも先にまず英語!という方が多いかな)

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