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シドニー発豪ドル見通し(2012年3月12日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

3/12(月)ユーロ財務相会合

13(火)EU財務相会合、日銀金融政策会合、独3月ZEW景況感指数、

米2月小売売上高、バイトマン独連銀総裁講演、FOMC政策会議

14(水)英2月失業率、米Q4経常収支、バーナンキFRB議長講演

15(木)IMF理事会、ECB月報、米2月PPI、米3月NY連銀製造業景況指数、米新規失業保険、米フィラデルフィア連銀景況指数

16(金)日銀議事録、米2月CPI、米2月鉱工業生産、米2月設備投資、メルケル独首相記者会見

マーケットの焦点

キーワード― 欧州債務問題(ギリシャ第二次支援最終決定へ)、米FOMC(超低金利維持?)、円安

先週初は主要国の株式市場や商品相場は年初からの大幅上昇に対する調整色が強まりました。

背景は月曜日に開幕した中国全人代で今年の成長目標を7.5%に引き下げたことや、8日が受諾期限となったギリシャの債務交換の期限延長や参加率低迷の思惑からギリシャデフォルト懸念が高まったことでした。

しかしギリシャ債務交換参加率は結局85%を超え、CAC(集団行動条項発動による強制参加)発動後は95%超の参加率となったことで、ギリシャのデフォルト回避が決定的となり、アセット市場も下げ止まりから反発に転じ、結局先週末比で若干のマイナスの領域まで回復しました。

通貨市場では係る材料出尽くし感と、金曜日に発表になった米国の2月雇用統計が前月に続いて強い結果となったことから、米ドルが対主要通貨で上昇し(対円82円台半ば、ユーロ1.31近辺、豪ドル1.05台半ばなど)、円クロスも反発すると同時に、ユーロや豪ドルなどのリスク通貨が後退する展開となりました。

今週欧州問題では15日(木)にIMF理事会が開催され、先週のギリシャ債務交換の結果を受けて、ギリシャ第二次支援策についての最終協議がなされます。4月には総選挙を控えるギリシャですが、欧州債務不安も徐々に最悪期を脱っしつつあると言えます。

また今週は米FOMCが開催されます。

バーナンキ議長は引き続き”超低金利の2014年後半までの維持”を確認することと思われます。雇用の最大化とインフレ安定化を”デュアルマンデート(二重委任事項)”とするFRBにとっては、やはり失業率8.3%(リーマンショックまでの平均が5%前後)は満足できる水準から程遠いということでしょう。

ただ景気アセスメントにどの程度改善が見られるかは注視したいところです。

3月も半ばとなり、例年では日本の期末を控えた円のリパトリエーション(資金還流)が活発化しますが、世界的な景気減速から本邦企業海外拠点からの利益付け替えも今年は大したことがないとの見方もあります。

円の需給(貿易赤字や原油価格の高騰からかる円売り需要の拡大)やリスク選好の動きから更にドル円及び円クロスが上昇するのか注目されるところです。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0509-1.0740 AUDYEN 84.81-87.60

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0400-1.0700  AUDYEN 85.00-88.00

今週の豪ドルは揉み合いつつ下値がサポートされる展開でしょう

先週の豪ドルは上記の中国・欧州問題に加えてRBA理事会や発表された弱い国内指標を背景に1.05近辺、85円割れまで下落しました。

下値は押し目買いでサポートされ特に豪ドル円は87円台半ばまで反発しましたが、今週は再び86円台半ばに反落しています。

豪ドル米ドルは下値テスト後一旦1.06台半ばを回復しましたが、米2月雇用統計の強い数字で米ドルが対主要通貨で反発したことから再び1.05台前半に反落しています。

発表された国内指標ではQ4経常収支が-8,374mio(予想-8,050mio、前回-5,637mio)、Q4GDPが前期比+0.4%(予想+0.8%、前回+0.8%)、2月雇用統計が就業者数-15.4千人(予想+5.0千人、前回+46.2千人)、失業率+5.2%(予想+5.2%前回+5.1%)と軒並み悪い結果となり、豪ドルの上値を重くする展開となりました。

またRBA理事会では予想通りに金利の据え置き(4.25%)でしたが、今後の状況いかんでは更に金融緩和を行う姿勢を示し、これも豪ドル売り材料視されました。

今週は目立った国内指標の発表はありませんが、”米ドルの受け皿”という豪ドルの側面に注目しますと、足元米豪間の景気格差が米国に有利に働いていることもあり、対米ドルの上値が重い展開が予想されます。

一方、3月になってから顕著なドル円の堅調が今後も継続する場合には豪ドル円の下値も限定的となることが考えられます。

しばらく”死語”になっていた円キャリートレード(低金利円を調達して豪ドルに転換し豪ドル運用するオペレーション)が再び活発化する可能性にも留意したいものです。

 

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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