14 August 2023

◎＜ポイント＞ドル円は145円近辺まで上昇

・先週は円売りが活発化しドル円は6月末以来の高値145円近辺まで上昇した。
・市場のリスク要因が再び増加して「リスク回避のドル買い」を誘った局面も。
中国7月貿易統計では輸出入ともに不振（輸出は3ヵ月連続前年同月比マイナス、輸入は5カ月連続マイナス）、中国の不動産債務問題、イタリアの銀行課税、ウクライナをはじめとする地政学的懸念による原油高など多くのリスク要因が浮上した。
・主要国の金融政策がインフレ懸念と景気の板挟みで方向性が不明確になる中、日銀の揺るぎない緩和姿勢が改めて注目され、円売りの格好の材料とされている感はある。
・日銀のYCC柔軟化発表後一時0.63%台まで上昇していた10年国債利回りは先週は0.58%台で落ち着いた動きとなったことも円売りを支援。
・注目の7月米CPIは前年同期比で+3.2%と市場予想+3.3%をやや下回るも、前回の+3.0%からは再び小幅ながらリバウンドしており、翌日発表されたPPIも予想をやや上回りドル円上昇に拍車をかけた。
・ただ、“ドル円ブル”の筆者もこのタイミングでのドル円145円超えには依然懐疑的だ。
①第一の理由は最近の日本の貿易収支が一時の2兆円を超す大幅赤字から改善し、今週発表予定の7月貿易収支（通関ベース）も少額ながら黒字となる予想だ。
②また米国の中国に対する投資規制と中国の反発もリスク要因として円売りを制御するのではないか？
③更に8月後半には米債利払いに絡む円転玉も出るだろう。
・ドル円ブルが故に「150円超えは今ではないでしょ？！」というジレンマと今週も闘うことになりそうだ（汗）。

◎＜豪ドル相場＞――ドル高プラスリスク回避で65セント割れまで続落

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6495-0.6616  AUDYEN  92.90-94.93
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6350-0.6650  AUDYEN  92.00-96.00

・先週はリスク回避のドル高地合いの中、リスク感応度が高い豪ドルは65セント割れまで続落して安値引けに。対円ではドル円の上昇と相殺しつつも94円台での堅調推移となった。
・中国の7月貿易収支（黒字幅拡大）における輸入の減少が中国の不動産債務問題と相まって豪ドル売り材料視された。
・今回が在任中最後の“半期に一度の議会証言”の場で、RBAロウ総裁は「今後はデータに応じた微調整」を強調したが、明確に利上げ打ち止めには言及せず。
ただ再利上げの可能性もむしろ豪州経済への不安要因となり豪ドルをサポートすることはなかった。
・現在の豪ドルの実力として70セント超えはさすがにオーバーバリューと言えようが、65セント割れも徐々にアンダーバリューの域に入るだろう。ただ足元の豪ドルを取り巻く悪材料を払しょくしない限り、依然上値の重い展開となるだろう。
・対円ではドル円が完全に145円のバリアを超えるか、あるいは反落かによって方向性が決まるだろう。個人的にはドル円の続伸には懐疑的であるが。

（P.S.）大谷、9試合ぶりに1発出たあああああああ！(am 4:45 ｗ)

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