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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)19 August 2024

19 August 2024

<ポイント>
150円方向をテストするが簡単には抜けないだろう」との先週の予想は正解

・今週の予想レンジ:145.00-148.00
・先週ドル円は米経済指標の結果に左右される形で、相場レンジは146円台~149円台をアップダウンした。
・予想を上回る強い7月小売売上高を受けて一時149円台半ばまで上昇したが、今回の161円→141円の半値戻しである150-151円エリアをテストするには至らず反落。結局147円台半ばで越週した。
・週初は7CPIの大幅鈍化や、8月初に発表された弱い7月雇用統計や世界的な株価クラッシュの影響から一時大幅(50bp)利下げ観測が高まっていた。
8/13発表の7PPIは予想を下回るも、8/14発表された7CPIはほぼ予想通りとなり、再び25bp利下げ見通しがやや優勢に。
・しかし8/15に発表された7月小売売上高が事前予想の“小売りは雇用の影響を受け易く弱め”の予想が多い中、予想外の強さを見せたことから米景気鈍化懸念が後退し、米株価大幅反発―米債利回り上昇の“ゴルディロックス相場”に(8/15)。
・しかし7月小売売上高については、6月に米自動車ディーラーの多くが被害を受けたサイバー攻撃の反動による販売増やアマゾンのプライムデー、ウォルマートやターゲットの実施した大幅値引きなどの影響がから「数字ほど実態は強くない」可能性も指摘され、再び147円台に反落。
・イスラエルとハマスの停戦交渉再開を受けて中東情勢の緊迫化が一服。
原油価格が下落し、リスク回避のドル買い需要が後退して、ドルインデックスが102台前半に下落したこともドル円の調整反落につながった。
・今週は8/228/24に開催される“ジャクソンホール・シンポジウム”が焦点だが、植田日銀総裁や鈴木財務相は閉会中審査出席のためジャクソンホール会合に出席できない。8/5-6の史上最大の株価乱高下につい説明を求められているらしいが、どう釈明するのか?(新NISAの絡み?)
・注目はやはり23日に予定されるパウエル議長の講演だ。同氏は7FOMC9月利下げの可能性に言及したが、今回の講演でその可能性がどこまで高まるか?また大幅利下げの可能性は?更に今後の利下げペースについてどのような認識を示すか?
・ただ、9/18FOMCまでには8月の雇用統計(9/8)や8CPI(9/11)など重要イベントがあり、不透明感が強い。
7月小売売上高が特殊要因で強かったとすれば、基調は米インフレ率はなだらかに低下しており、米雇用の過熱感も低下して、FRBも金融緩和を9月以降徐々に進めると考えるのが妥当であり、足元日米金利格差からのドル円押上げは限定的となるのではないか?当面150円は上抜けしないだろう―でれば再度下攻めに転じても不思議ではない。

◎<豪ドル相場>
先週豪ドルは米ドルが軟調推移する中、ブロック総裁のタカ派的議会証言にも助けられて66セント台後半、98円台後半まで反発。67セント台、100円台では利食い圧力強まろうが、今週も堅調推移か。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6564-0.6671   AUDYEN  96.50-98.90
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6450-0.6650    AUDYEN  95.00-98.00
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.65
50-0.6750    AUDYEN  96.00-100.00


・先週は米ドル軟調推移する中(ドルインデックスは102台前半に下落)、66セント台後半、99円手前まで反発した。ユーロが1.10台前半、ポンドが1.29台半ばに反発するなど欧州通貨の上昇にフォローした(豪ドルは米ドルの受け皿)。
・ブロック総裁が金曜日の議会証言で「中銀はインフレの上振れリスクを引き続き警戒しており、利上げを考えるのは時期尚早」とタカ派姿勢を堅持したことも豪ドルをサポートした。
・発表された7月雇用統計では、失業率が4.2%(予想は4.1%)に悪化する一方、就業者数は+5.82万(予想+2万人)とかなり強い数となった。
・今週は主な指標の発表もない中、ジャクソンホール会合におけるパウエル議長の講演が注目されるが、9月利下げを確実にする内容であれば、RBAのタカ派姿勢との“彼我の差”が際立つことが豪ドルをサポートしよう。
・ただドル円の上値の重い展開が予想されるため、足元豪ドル円の100円台は近くて遠いレベルとなりそうだ。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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