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「今週の相場に焦点」by Joe Tsuda(津田 穣)25 August 2025

 

25  August  2025

<ポイント> ついにパウエル議長もトランプ大統領に巻かれたか?

今週の予想レンジ:146.00-149.00
先週のレンジ 146,57-148.77
(先週の予想レンジ:146.00-149.00

・先週の焦点は金曜日に始まるジャクソンホール会議(ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム)であり、筆者も含めて「パウエルVSトランプ」の前評判から、会議前にはドル円は149円手前まで買われた―当然筆者も“パウエル・ガンバレ!のドル円ロング”。
ただ、虫の知らせか、148円台でほとんどのロングを閉めた(ゴメン)。
・結果は、思いもよらぬパウエルのハト派転換!!!
ドル円は148円台から146円台に真っ逆さま、、、。
・これは正にFRBの方向転換というよりは「パウエル個人の方向転換」だろう。
・利下げを見送った7/30FOMC後パウエル議長は会見で「経済は当面緩やかな金融引き締めを必要としている」、「インフレ指数に更なる関税の影響が見込まれる」、「インフレに対する関税の影響を分離することは不可能」と述べて”闘う姿勢“を明らかにした、と思った。
・しかるに今回のジャクソンホール演説では、鼻から「リスクバランスの変化により政策調整が必要になる可能性」、「関税による価格の影響は短期的」、「雇用の下振れリスクの高まりが示唆されている」と述べた→ものの3週間で一体何が変わったのか??
20265/15の任期満了まで”魂の平穏“が欲しくなったか?―
はたまた家族を人質に取られたか?(米アクション映画の観すぎ、、、)。
・もちろん雇用初め長期間の金融引き締めの影響が米経済に影を差し始めているのは事実であろうし、年内2回程度のFRB利下げも市場は織り込んでいる。
しかし、さすがにこのパウエル寝返りにより、CME FEDウオッチャーの9月利下げ確率は70%台から90%台にジャンプアップ。
・自分の先週の予想レンジ(146-149円)がブレイクされずに嬉しくはあるが、希望としては、パウエル議長には、たとえ孤軍奮闘しようとも任期最後まで”頑固なタカ派オヤジ“でいてほしかった。
・ただ、週末は再び147円台に戻して越週!
筆者も再びロングで越週したが、ドル円ベアは「鬼の首を取った」思いで、今週も下値トライだろう→しかし”もし“再三再四の146円台への下落にもかかわらず、結果として146円の上に戻すのならば、ドル円底値確認(三番底)となるわけで、今週のプライスアクションは大いに注目したい。

◎<豪ドル相場>

先週豪ドルはジャクソンホール会議をに向けた米ドル堅調地合を受けて64セント台前半まで下落した。
しかしジャクソンホールでのパウエル発言で米ドルがクラッシュし、結局65セント台、95円台を回復して越週した。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6414-0.65524  AUDYEN  94.40-96.20
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6600  AUDYEN  94.50-97.50)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6600    AUDYEN  94.00-97.00


先週は金曜日のジャクソンホール会議への関心が高まる中、全般的なドル円堅調地合(米ドルインデックスは一時98.72まで上昇)に押されて64セント台前半まで下落した。対円でもドル円の148円台への反発を飲み込む形で94円台半ばで軟化した
・しかしパウエル発言で事態は一変。豪ドルは65セント台を回復する一方、対円でもアップダウンしながら、結局95円台に値を上げて越週した。
・前週のRBA理事会における利下げと今後の緩和継続観測が豪ドルの上値を重くしていることは言うまでもない。
・因みにRBAの緩和を受けて豪州株ASXは先週史上高値を更新しており、株価上昇によるリスク選好の動きは下値での豪ドルサポート要因と考えられる。
・豪ドルは5月以降6466レンジに留まっており、徐々に上下どちらかへのエネルギーの発散が予想される。筆者としてはトランプ関税やウクライナ紛争が解決してゆくゆくは70セント台へ上昇と見る。
・逆に、もし64セント台を完全に割り込み60セント台を目指す動きになるのであれば「世界経済に再び大きな試練が襲い掛かるシナリオ」になっていると言わざるを得ない。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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